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【いざ!東京五輪】「大舞台見過ごせない」バスケ女子の大崎佑圭、妊娠・出産経て2度目切符に挑戦

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東京五輪出場を目指し、バスケット女子日本代表候補に合流した大崎佑圭=1月22日、東京都北区(奥村信哉撮影)
東京五輪出場を目指し、バスケット女子日本代表候補に合流した大崎佑圭=1月22日、東京都北区(奥村信哉撮影)

 東京五輪でメダル獲得を狙うバスケットボール女子日本代表候補に、頼れる長身プレーヤーが戻ってきた。29歳の大崎佑圭(ゆか)(旧姓・間宮、日本協会)はWリーグのJX-ENEOSや代表の主力として長年活躍し、2016年リオデジャネイロ五輪でも8強入りに貢献。16年の結婚後、18年5月に妊娠を公表してコートを離れ、同12月に長女を出産した。「この大きな舞台を見過ごすことはできない。(五輪代表入りに)失敗しても、女性アスリートに何か残せるんじゃないか」。ブランクを乗り越える覚悟を胸に、2月6日からベルギーで始まる五輪世界最終予選で復帰後初の公式戦に挑む。

 1月22日、東京都内で公開された代表候補による強化合宿。戦術を入念に確認しながら、193センチのエース渡嘉敷来夢(らむ)(JX-ENEOS)や185センチの高田真希(デンソー)らとゴール下で激しく競り合う185センチの大崎の姿があった。

 「覚えることがたくさん。こんがらがってしまう」と苦笑するが、「簡単にポジションはあげないよ」と大崎に伝えていたトム・ホーバス監督は「今も(プレーは)悪くないし、シュートがうまくなったと思う」と満足げ。大崎と普段から仲のいい渡嘉敷も「走る姿やシュートを打つ姿は変わっていない」と太鼓判を押し、「もう1回、一緒にバスケットをできると思っていなかった。ありがたい」と久々の共闘を喜んだ。

 妊娠判明後、大崎は競技生活に区切りをつけ、JX-ENEOSを退社。出産後も体を引き締めるためジムには通ったが、復帰は考えていなかったという。だが東京五輪が迫る中、復帰を促す周囲の声に「少しずつ考え始めた」。長女の預け先確保など問題が山積する中、ホーバス監督と話し合い、「チャレンジの機会を与えてくれるなら頑張ってみたい」と五輪挑戦を決断。昨年9月、母校の東京成徳大高でトレーニングを再開すると、その後は日本代表スポーツパフォーマンスコーチの松野慶之氏の指導を受けたり、公立の体育館を借りて子連れで練習に励むなど、肉体強化に励んだ。今回の合宿には長女を夫の実家に預けて参加している。

 世界ランキング10位の日本は開催国枠での東京五輪出場が決まっているが、16チームを4組に分けて行われる五輪最終予選出場が義務付けられており、世界4位のカナダ、9位のベルギー、22位のスウェーデンと対戦する。五輪前最後の国際大会という事情もあり、ホーバス監督はベストメンバーを編成。17人による代表候補合宿で存在感を示した大崎も渡嘉敷らとともに12人の登録メンバーに残った。

 今回の挑戦には、出産によって競技人生の岐路に立つ女性アスリートに道筋を示す目的もある。「前例があまりないからこそ、好き勝手動ける。自分のチャレンジだが、失敗しても成功しても、何かしら道をつくれるんじゃないか」。大崎自身も妊娠中から、ママさん選手の“先輩”であるバレーボール女子日本代表の荒木絵里香(トヨタ車体)に何度も相談したという。荒木は「チャレンジすると知って、すごくうれしかった。(女性アスリートの)選択肢が増えるのはすごくいいことだし、刺激を受ける」と話す。

 五輪代表に選出された後の目標は控えめだ。「どれだけ(渡嘉敷)来夢と(高田)真希ちゃんを休ませられるか。ディフェンスをしっかりやって、トムに安心してもらえるように」と縁の下でチームを支える腹づもりでいる。五輪後の競技継続も頭になく、「東京で終わり。一本勝負です」ときっぱり。濃密な半年間を過ごし、完全燃焼でコートに改めて別れを告げる。(運動部 奥村信哉)

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