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【入試最前線】2020(8)変わる就職事情、多浪や年齢は不問

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 東京医科大の医学部入試で一昨年、女性とともに、3浪以上の男性にも不利な得点操作が行われていたことが発覚した。かつて「3浪以上は就職が不利になる」といわれていた時期もあり、親世代なら浪人を重ね、留年でもしたら将来どうなるのかと気になるところ。現在の就職採用試験で長期浪人は不利に働くのだろうか。

「門前払いはない」

 「浪人や留年をしているからといって、エントリー段階で落とされることはまずありません」。求人サイトを運営する「アイプラグ」(大阪市)の代表取締役CEO、中野智哉さんは断言する。

 同社では、企業から新卒の学生に直接オファーを送る求人サイト「オファーボックス」を運用。学生はあらかじめ自分のプロフィルを入力するが、そもそも浪人や留年の有無、年齢を書き込む欄がない。「大学は最長で8年間在籍できるところが多いですが、何に時間を使ったのかが重視される。海外で働きながら世界をまわっていたなどの理由なら、プラスにとらえられることもあります」

大学名で採用は減少

 親世代なら、より偏差値の高い大学を卒業すれば、就職も有利-と考えがち。だが、近年では、企業側が大学の偏差値で学生を選別することすら減っているという。中野さんは「東大卒や京大卒であれば、知識量や勉強をやりきる力があるという評価はされやすいでしょう。ただ、それはサッカーや野球で全国優勝したという経歴と同種の話です」と説明する。

 中野さんによると、かつて学歴が就職に直結した時代は高度成長期で、情報処理能力が問われる仕事が多かった。学歴の高い人材はそうした能力にたけているため評価されたという。だが近年は、単純作業はコンピューターが行い、社員に求めるのは新しい価値を生む発想力。また、学歴の高さと仕事での活躍に相関関係はないという研究が数多く発表され、大学名を採用で考慮する企業は激減したという。

大学で何を学んだか

 「大切なのは、大学で何を学んだかです」と中野さん。その点では、大学名よりも学部が重要だという。現在は情報系や建築・土木系、電子・機械系が人手不足で、専門学部や高等専門学校で即戦力となれる技能を身につけていれば就職に有利だ。一方で、営業・販売などのビジネス系は「どの学部を出ると有利、または不利という差はありません」とも。

 さらに、中野さんは「新卒採用の面接でみられるのは、学歴や学力よりも、体力や忍耐力、集中力、バランス感覚といった“基礎的人間力”です」と強調する。さまざまな人に会い、日々の生活で意識することや、人に負けない何かをやり遂げることが、評価につながりやすそうだ。   =(9)に続く

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