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【大相撲徳俵】「幕尻優勝」の徳勝龍 目指すは阪神戦の始球式 飾らない人柄で人気上昇中

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初場所で「幕尻優勝」を果たした徳勝龍=26日、東京都墨田区の木瀬部屋(納冨康撮影)
初場所で「幕尻優勝」を果たした徳勝龍=26日、東京都墨田区の木瀬部屋(納冨康撮影)

 大相撲初場所は前頭17枚目の徳勝龍(33)=木瀬部屋=が14勝1敗の好成績で初優勝を果たした。幕内の番付で最も下の「幕尻」での優勝は、平成12年春場所の貴闘力以来、20年ぶりの快挙だ。「主役になれるなんて全く思ってなかった」。周囲も本人も予想できなかった結末。飾らない受け答えも好評で、人気は急上昇している。

 「自分なんかが優勝していいんでしょうか」

 「(優勝は)意識することなく…嘘です、めっちゃ意識していました」

 「バリバリインタビューの練習しました」

 優勝決定直後に行われたインタビューで、館内を笑いに包んだ。

 近大時代の恩師、伊東勝人監督が場所中に急逝したことに話が及ぶと一転涙声に。「一緒に土俵にいて戦ってくれたような気がします」。男泣きに胸を打たれた人も多かっただろう。

 場所中は記者から聞かれたことには誠実に答えるものの、あまり多くを語らなかった。優勝争いへの意識についても、「ないです」「自分は一番下なので」と繰りかえすだけ。それが一転、場所が終われば快活に答えた。オンとオフをしっかり分けられる力士である。

 奈良県出身。生まれたときから3860グラムある大きな子供だった。母の青木えみ子さんによると、「好き嫌いなくよく食べて、よく寝る子」ですくすく育ったという。

 小学4年から相撲を始めたが、ほかに柔道と野球も習っていた。えみ子さんは「ゲームとかはやらない。そんな暇もなかった」と振り返る。

 少年野球でのポジションは捕手だった。徳勝龍によると、見た目の通り「ホームラン打者」で、「三振は少なかった。当てますから」という。一方、「打てたけど、走れなかった」と足は遅かったようだ。本塁打性の打球でも二塁打になることがしばしばあったという。

 中学からは相撲一筋になったが、今でも野球は好きで、阪神ファン。選手のグラブのメーカーまで頭に入っているかなりの“マニア”だ。関取になってからキャッチャーミットを新調しており、千秋楽一夜明け会見では、捕手として阪神戦の始球式に臨みたい考えも披露した。

 謙虚で陽性のキャラクター。本場所中の相撲に真剣に打ち込む姿勢も含めて、今後もファンは増えていきそうだ。

 3月の春場所は大阪開催で準ご当所。熱烈な声援が飛ぶことが予想される。初場所中の疲労は相当あるようで、「ゆっくりしたい。温泉とかいきたい」と話す。当面はしっかり英気を養い、地元のファンの前で再び快進撃を見せてほしい。   (運動部 浜田慎太郎)

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