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なぜ制定? どこを修正? 異論噴出・香川県議会「ネット・ゲーム依存対策条例」案

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ネット・ゲーム依存症対策に関する香川県議会の条例検討委員会の会合。条例の素案の修正について審議が行われた=1月20日
ネット・ゲーム依存症対策に関する香川県議会の条例検討委員会の会合。条例の素案の修正について審議が行われた=1月20日
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 18歳未満の子供がインターネットやゲームの依存症になるのを防ごうと、香川県議会が4月の施行を目指す「ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)」。1月10日の検討委員会で示された条例の当初案に異論が相次いだこともあり、内容を修正し素案をまとめた。こうした状況に、委員長の大山一郎県議は「ネットやゲーム全てを否定したり、親権や子供の人権を侵害したりしようとするものではない」などとするメッセージを発表した。

なぜ条例が必要なのか

 素案がまとまった同月20日、報道各社の取材に応じた大山委員長はA4用紙1枚のメッセージを読み上げた。

 最初に触れたのは、条例を必要とする背景だった。

 ネットやコンピューターゲームの過剰な利用は、学力や体力の低下、慢性的な睡眠障害、注意力・記憶力の低下、視力障害や頭痛を引き起こすとされ、昨年5月に世界保健機関(WHO)が「ゲーム障害」を疾病と認定するなど「国内外で大きな社会問題となっている」と指摘した。

 厚生労働省研究班が平成30年8月に公表した調査結果についても言及し、病的なインターネット依存が疑われる中高生が93万人にのぼるとの推計を紹介。「低年齢化が進行している」と危機感をあらわにした。

 また、地元紙などによる世論調査では、県民の8割が「ゲーム依存症対策が必要」と考えているとする結果が示されたとした。

 施行を目指す条例は、ネット・ゲーム依存症対策の推進について基本理念を定め、県や学校、保護者の責務などを明らかにするとともに、「依存症対策を総合的かつ計画的に推進する」目的があると強調した。

当初案の賛成わずか3件

 議員提案による条例案をまとめる場として発足した検討委員会は、14人の県議で構成。昨年9月以降、依存症を専門とする医師をはじめ、学校や医療、福祉関係者、通信事業者から意見を聞き議論を重ねた。

 1月10日の第5回会合で示された当初の案では、ネットやゲームにのめり込み、日常生活や社会生活に支障が生じている状態-を「ネット・ゲーム依存症」と定義。県や学校、保護者が果たすべき責務、ゲームソフトのソフトウエアの開発・製造、通信事業者の役割を規定した。条例は基本理念を定めたもので、罰則はない。

 とりわけ世間の関心を集めたのが、スマートフォンなどの使用に関する制限だ。

 ネット・ゲーム依存症につながるような「スマートフォンなど」の使用は平日60分、休日90分を上限とし、中学生以下は午後9時、それ以外は同10時までに使用をやめるルールを盛り込み、保護者は「順守させるものとする」とした。

 今や生活に欠かせなくなったスマホの使用にかかわる話題とあってネット上を中心に賛否両論が噴出した。「何らかのルールが必要」と理解を示す意見の一方、「実効性はあるのか」と疑問を投げかける声や、「行政が時間を規制するのはやりすぎ」といった批判の声が上がった。

 県議会事務局には1月19日までに100件超の電子メールが寄せられた。反対が79件で、賛成はわずか3件。その他が30件だった。

修正内容は「わかりやすい形に」

 20日に示された素案では、使用を制限するのは「依存症につながるようなコンピューターゲームの利用」と修正。「平日60分」などとした利用時間の上限や、「午後9時まで」などとした使用をやめる時間に関しては、「基準とする」との文言を加え、保護者は家庭で決めたルールを「順守させるよう努めなければならない」と変更。当初案より緩やかな表現に改めた。

条例制定に向けたメッセージを読み上げる検討委員会の香川県議の大山一郎委員長=1月20日
条例制定に向けたメッセージを読み上げる検討委員会の香川県議の大山一郎委員長=1月20日
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 さらに、子供が依存症に陥る危険を感じた際は、保護者は学校や依存症対策の関係者らに相談し、「依存症にならないよう努めなければならない」とする規定も新たに加えた。

 大山委員長は、修正の理由を「学習でのスマホの使用まで禁止されていると誤解されるような表現があったため、わかりやすい形にした」と説明。利用時間の規制については、家庭によって事情が異なるため「規範を示した」としたうえで、基準をもとに「家庭で話し合い、ルールを決めてほしい」と呼び掛けた。

 県議会は、県民や事業者から素案について意見を募るパブリックコメントを2月6日まで実施。2月定例県議会に条例案を提出する見通しだ。県民の理解を得られるのか注目される。

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