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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】球春到来間近、鳥谷の覚悟が問われている

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新天地が定まらない鳥谷敬。覚悟が問われている(撮影・山田喜貴)
新天地が定まらない鳥谷敬。覚悟が問われている(撮影・山田喜貴)

 鳥谷敬内野手(38)は今こそ現役続行への強い意欲と執念が求められています。26日時点で春季キャンプまであと6日の状況下、阪神を退団した鳥谷の受け入れ先はいまだにありません。同じ代理人事務所と契約している井口資仁監督率いるロッテがキャンプ地にテスト生として招待?とか、中日が取る?など、臆測が乱れ飛びましたが、結局はなんら動きはありません。引退説もささやかれる中、現役続行を目指すなら7月31日までを“猶予”と考え、新たな決断を下さなければならないでしょう。鳥谷にそこまでの意欲と執念があるのでしょうか-。

ピシャリと閉まった扉

 いよいよ春季キャンプのスタート(2月1日イン)まで1週間を切りました。このコラムがアップされる26日で、キャンプ開始まであと6日ですね。各選手が2020年シーズンに向けて本格的に動き始めるまであとわずかな日程の中、注目の鳥谷についての新展開は見えてきません。

 ある球界関係者の言葉です。

 「球界の情報として12球団の編成作業は全て終わっている。もう春季キャンプを直前に控えて、新たな補強策などは一切ないだろう。編成の扉はピシャリと閉まった状態にある。ということは、国内のプロ野球で新天地を探す鳥谷の希望ももはやかなわないということだ。選択肢は現役引退か、それでも現役続行に向けた次のアクションを起こすかの2つにひとつ。鳥谷の現役続行への意欲や執念の度合いが問われるのではないか」

 このコラムでは、昨年末にもある球界首脳の「12球団の編成作業は全て終わった。国内プロ野球への移籍はもう絶望的だ」という言葉を紹介しました。キャンプ直前のこの時期に至っても、まだなんら動きのない状況で、再び球界関係者を直撃取材すると、鳥谷にとっては厳しい声が聞こえてきたのです。

 年末から年始にかけて球界ではさまざまな臆測が飛び交いました。同じ代理人事務所と契約していて、現役時代には鳥谷と自主トレも一緒に行っていた井口監督率いるロッテがキャンプ地にテスト生として招待。合格通知を出して獲得するのでは…という情報もあれば、中日が獲得に動く…という情報もありました。新聞紙上ではさまざまな情報が書かれていましたが、ここに至るまでどの情報も実現していません。

言えることはたったひとつ

 また、驚愕(きょうがく)の情報としては、昨季に戦力外通告を行い、「どうかユニホームを脱いでいただきたい」と引退勧告した阪神が見るに見かねて選手契約を再び締結。引退の花道を作るのでは…という奇想天外な話もありましたね。これは球団幹部が鳥谷の“その後”を心配し、さまざまな球界関係者に「鳥谷去就情報」を聞いて回ったことが噂の発火点となったようです。実際は鳥谷に対して再び選手契約を締結する気持ちなどは全くなく、興味本位の範疇(はんちゅう)を出ない“調査”だったようですが…。

 そして、現時点で言えることはたったひとつですね。それは今こそ阪神の引退勧告をはねつけ、他球団でのプレーを目指す-と宣言した鳥谷の覚悟が問われるということです。現役続行への意欲や執念がどれほどのものだったか…を問われるということでしょう。

 どこも新天地がなく現役引退を決意するのか。それとも、あくまでも新天地を目指して新たなアクションを起こすのか。もう鳥谷に与えられた決断への時間は限られていますね。

 「もし現役続行をあくまでも目指すのなら、新たな目標地点は7月31日になる。技術的にはその日までプロ野球は補強期間だからだ。しかし、7月31日までの現役復帰を目指すのなら、やっておかなければならないことがある」とは阪神OBの言葉です。何をやっておかなければならないのか…。それは鳥谷自身がいつプロ野球から声がかかっても不思議ではないように、プレーできる状況を周囲に見せておくことです。

 そのためには自身が当初は「考えていない」と話していた国内独立リーグでのプレーも決断しなければならないのです。

 例えば2018年オフに阪神から戦力外通告を受けた西岡剛外野手(35)はベースボール・チャレンジリーグ(BCリーグ)の栃木ゴールデンブレーブスに所属。昨年11月12日には2年連続でNPBの12球団合同トライアウト(大阪シティ信金スタジアム)に参加しました。結果は4打数ノーヒットでプロ野球復帰はなりませんでしたが、今季も同チームでプレーし、復帰を目指すと宣言しています。

泥水をすすって

 鳥谷も西岡同様に独立リーグでプレーし、プロ野球12球団の編成担当者に対して「まだまだ体は動いている。打てて走れて何らプレーに支障はない」という評価を得ておくことが何よりも大事になってきます。それは、泥水をすするような思いかもしれません。理想とは全く違う次元の話でしょう。プライドがズタズタに引き裂かれるような思いに陥るのかもしれませんね。でも、実際に春季キャンプまであと6日となった今の状況下では、プロ野球復帰の道は極めて狭く険しいのです。もし、そこまでの意欲や執念がないのであれば残された選択肢はたったひとつです。

 それは現役引退-。

 このコラムではメジャーのキャンプにテスト生として参加し、マイナーリーグに所属後、シーズン中のメジャー昇格を目指す…という選択肢もあると書きました。しかし、このルートならば3月下旬に行われるファーストカットで落とされる可能性もありますね。となれば、3月下旬に違う道を選ばなければならないわけで、リスクは高いですね。

 さあ、残り6日で鳥谷の身辺に劇的な変化が生まれるのでしょうか。これまでの経緯を振り返るなら、その可能性は極めて薄いでしょう。獲得する意思のある球団があるのなら、とっくに入団発表していてもおかしくありません。

 さて、いよいよ来週の漫遊記はキャンプ地からの生情報になります。2月1日のキャンプインを根掘り葉掘り取材してお届けしたいと思います。最近、不肖「越後屋」の名前が週刊文春にも登場していて、何かと身辺が騒がしいですが、そんな雑音にひるんでいる暇はありません。アイ・ラブ・タイガースの精神で前進するのみですね。35度目の春季キャンプ取材、頑張ります。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや)

 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日午後9時から「NEWS TONIGHT いいおとな」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html)の『今日の虎コーナー』や土曜日午後7時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帳!」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/)に出演中。「サンスポ・コースNAVI」(http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html)ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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