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【ビジネス解読】大卒外国人を地方企業へ ミスマッチ防ぐ採用法

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モンゴル・ウランバートルで開催された「静岡県就職フェア2109」。多くの学生が参加した=10月7日
モンゴル・ウランバートルで開催された「静岡県就職フェア2109」。多くの学生が参加した=10月7日

 人手不足に悩む地方の企業が、あるベンチャー企業が開発した採用手法に注目している。フォースバレーコンシュルジュ(東京都千代田区)が展開する、アジア新興国の大卒者を地方の企業に就職してもらうメソッドだ。高学歴で日本で働くことに夢を見てきた若者と、地方の企業のニーズをマッチングすることで、両者の不満解決を目指す。

 企業の所在地や職種、報酬と、求職者の居住国の賃金水準、日本文化との親和性…。外国人を採用したい企業が定量化された指標をチェックしていくと、外国人人材を獲得する上でお薦めの国・地域が表示される。

 この外国人人材獲得メソッドを開発したフォースバレーの柴崎洋平社長は「定量的なデータに基づき、どの国・地域から、どの在留資格で外国人材を受け入れられるかを明確化できる」と説明した上で、「大学卒の人材を地方にも呼べる」と言い切る。

 従来の外国人人材獲得戦略といえば、「なんとなく」という感覚論に基づき国・地域を選定したり、人材会社・ブローカーの言いなりで採用したりするケースもあった。人材会社などが扱っている在留資格、例えば技能実習生を受け入れてきた。

 このため、企業側にとっては本当に欲しい人材を採用できなかった。日本で就職した外国人も、最低賃金で働かせることへの不満や文化の違いなどから、地域社会とトラブルを起こしたこともあった。

 こうしたバッドケースを引き起こさないためにも、このメソッドが有効という。感覚論ではなく定量的データに基づき、さらに企業のニーズにあった最適国・地域から最適な在留資格で受け入れることができる。選ばれた外国人は待遇や環境への満足度が高く、しかも親日なので日本人との共生も図れる。

 4月に改正出入国管理法が施行され、新たな在留資格「特定技能」が設けられた。対象とするのは、主に単純労働に従事する外国人。日本で働きたい外国人にとって朗報のはずだが、柴崎氏は「特定技能は学歴要件がないため、このままでは技能実習と同じく18歳以上の中卒・高卒の外国人を迎えることになり、最低賃金で働かされかねない。バッドケースを引き起こせば欧米の移民問題を招きかねない」と警鐘を鳴らす。その上で、「問題の増加を防ぎ、深刻な人手不足を解消するためには、日本で働きたい大卒人材にも狙いを定めるべきだ」と強調する。

 地方での就職に結びつけるために重要なのは、1人当たりの国内総生産(GDP)。同メソッドでも指標にしているが、日本の20分の1以上10分の1未満に属するインドネシアやモンゴル、フィリピンなどが挙げられる。20分の1未満のカンボジア、ミャンマー、ネパールも有望だ。なぜなら、東京より低い地方の給与水準でも魅力的に映るからだ。

 同社が受託し、沖縄県が2017年度から始めた「グローバル人材プラットフォーム構築事業」で、同メソッドは有効な結果を出した。この事業では、17年度に7カ国・12都市で就職フェアを開催。イベントに参加した延べ64の日本企業に対し、約1600人の外国人が参加し、面談数は2340件に達した。18年度は2カ国・2都市での開催にとどまったが、約40人が来日し、沖縄県内の企業で働いている。

 同メソッドの有効性が沖縄県で確認され、現在は富山県、静岡県、長野県でも受託した。長野県では9月、「観光人材向け外国人採用セミナー」を開催。10月にはモンゴル・ウランバートルで「静岡県就職フェア2019」を開催し、200人超の現地大学生が参加した。(経済本部 松岡健夫)

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