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【正論10月号】特集・韓国大統領 なんとも事大主義で夜郎自大 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比

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ソウル市の地下鉄車内に貼られた日本製品の不買を呼び掛けるステッカー(共同)
ソウル市の地下鉄車内に貼られた日本製品の不買を呼び掛けるステッカー(共同)

 ※この記事は、月刊「正論10月号」から転載しました。ご購入はこちらへ。

 韓国の文在寅政権が窮地に陥っている。文氏が「外交の天才」(韓国大統領府)ぶりを発揮した結果、同盟国・米国のトランプ大統領には軽視され、頼みの中国にはないがしろにされ、ラブコールを送り続ける北朝鮮には馬鹿にされ、日本との関係では約束破りを続けて戦後最悪の修復不能状態となった。

 日本が安全保障上の理由で対韓輸出管理の厳格化を実施したのは、韓国による日韓請求権協定破りへの対抗・報復措置という以前の軽微な措置だが、韓国には甚大な影響を及ぼしている。文政権の経済政策の失敗により、先行きが暗かった韓国経済はさらに下降することになった。

 文政権はもともとの経済失政をすべて日本に押し付ける気だろうが、それで韓国の景気が浮揚するわけでも何でもない。韓国人がちょっと気の毒になりはするが、その韓国人自身が文氏をリーダーに選んで高い支持率を与え、文氏の扇動に乗せられて反日デモを行ったり、日本製品不買運動に走ったりしているのだから、どうしようもない。

 毎度繰り返される反日の光景は、ただ日本人を呆れさせるばかりである。この外交も経済もどん詰まりの現状は、文政権と韓国自身が招いた自業自得であり、一切の責任は文氏にある。

 背景には、韓国という国のこれまでの在り方、特に日本に向き合う際の特殊な態度があったのではないか。歴史問題さえ持ち出せば日本に対して優位に立て、何でも言うことを聞かせることはできると考え、あることないこと主張しては日本にもたれかかってきた。 だが、日本政府も多くの日本国民も、韓国の日本差別だともいえる日本にだけ向けられる甘えた言動、執拗な嫌がらせ、憂さ晴らしのための日本利用に、もううんざりして相手にする気を失っている。

 外交畑が長い政府高官は突き放す。「たとえ文大統領が替わっても、日韓関係はよくなるもんじゃないだろう。われわれは、今と未来のことには責任を持つけど、戦後70年以上も経つのに、もうそんな一九一○年のこと(日韓併合)にはつきあっていられない」

 外務省幹部も「日韓の冷却状態がこれから10年、20年続こうが日本は困らない」と話すが、首相官邸関係者は8月初め、記者団にもっとはっきりこう言い切った。「韓国が沈没しても世界中何も変わらない」「韓国が消えて困る国は世界に存在しない」「韓国が対抗措置を取っても、韓国しかつくれないものはないから何の影響もない」

 日本政府側はすでに、韓国の異質な対日姿勢は文政権だけの一過性にとどまらないことを学んでいる。程度の差こそあれ、歴代政権がずっとそうだったと、改めてこれまで韓国を優遇してきたことの過ちを反省しているのである。ある意味、韓国という国自体を見切ったとも言えよう。

理解出来ない韓国のふるまい

 また、官邸関係者は韓国が一時模索した米国による仲裁に関しても、強く否定した。「日韓請求権協定を事実上、破棄されてから日本が我慢してきたことを、米国務省は上から下までみな知っている」

 実際、ポンペオ米国務長官は河野太郎外相に対し、「韓国の請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」だとの日本の立場を支持する考えを伝えている。

 米国としては東アジア戦略上、日韓にうまくやってほしいのはやまやまだが、どう見ても非は国際条約を破って恥じない韓国にあるのだから当然である。米国も、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)などをめぐる韓国の米国を向いているのか中国を向いているのか分からない腰の定まらない態度には辟易している。

 文氏は4月、わざわざ訪米したにもかかわらず、トランプ氏と実質2分間しか会談できなかった。トランプ氏が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6月、朝鮮半島の南北非武装地帯(DMZ)にある板門店で3回目の首脳会談を行った際も、露骨に排除されるなどまともに相手にされていない。

 文氏は、米朝の橋渡しをしたメインプレーヤーを気取り、米国と中国という両大国を取り持つ東アジアのバランサー役を演じようとし、またそれができると信じていたようだが、いつの間にか「蚊帳の外」に置かれていたというのが現実である。

 米国も、歴史問題で対日批判を繰り返して同調ばかり求める韓国に疲れきっている。五月にトランプ氏が来日した際、安倍晋三首相に「韓国が狂ったように訪韓を求めてくる」とこぼしたのも、いかに米国が韓国をもてあましているかの証左となる。さすがに現状はまずいと思ったのか、文氏は8月15日、日本による朝鮮半島統治からの解放を記念する光復節の韓国政府式典での演説で、日本に呼びかけた。「今でも日本が対話と協力の道に出てくれば、快く手を握る。

 公正に交易し、協力する東アジアをともにつくっていくだろう」

 その前日の14日には、韓国が法定記念日に定めた「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」にメッセージを送ったものの、直接の日本批判は避けた。ただ、慰安婦問題に関しては「国際社会で互いに非難、批判することを控える」と確認した慰安婦問題をめぐる日韓合意に反してこう述べている。「人類の普遍的観点から慰安婦問題を平和と女性の人権に対するメッセージとして国際社会と共有し、拡散していく」

 それまで語気を強めていた「一気に日本の優位に追い付く」「二度と日本に負けない」式の強硬路線が手詰まりとなり、日本に歩み寄るポーズを見せようとしたのだろう。だが、それでも平気で国際約束である日韓合意を無視して平然としているところが韓国らしく、日本人には理解できない。

なぜ韓国に愛情がもてようか

 こうした韓国の日本人には納得し難い態度もあり、日本政府と国民は、約束を守れない韓国と何をどう合意しようが歩み寄ろうが無意味と見切った。だから韓国は放っておくしかないと決めたことが、韓国はまだ全然分かっていない。

 ※続きは月刊「正論10月号」でお読みください。ご購入はこちらへ。

「正論」10月号 主な内容

【大特集 病根は文在寅】

▼「反日」の本質を暴く アンチ反日との思想的内戦 麗澤大学客員教授 西岡力

▼「反日種族主義」こそ韓国危機の根源だ 産経新聞編集委員 久保田るり子

▼なんとも事大主義で夜郎自大 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比

▼日本への憎悪むき出しついに本性現す 作家・島根県立大学名誉教授 豊田有恒

▼韓国はすでに敵国 日本は「二度と負けない」 元陸将補 矢野義昭

▼日本への対抗措置もブーメランになるだけ 嘉悦大学教授 高橋洋一

▼迷惑行動も「反日」で英雄気分 産経新聞ソウル支局長 名村隆寛

【特集 表現の不自由】

▼実体はただの「反日展」 作家 竹田恒泰

▼私の「表現」圧殺した勢力よ 「不自由」を作るのは君らだ 文藝評論家 小川榮太郎

▼露わになったマスコミの病理 産経新聞大阪正論室 小島新一/白岩賢太

【特集 本当に「みなさまのNHK」?】

▼公共放送の資格なし! ジャーナリスト 櫻井よしこ/経済評論家 上念司/「NHKから国民を守る党」党首・参院議員 立花孝志

▼セクハラ、左傾化…これが公共放送か 元NHKアナウンサー・参院議員 和田政宗

▼れいわ新選組、N国党 次期衆院選へ動く 選挙アナリスト 久保田正志

【日本に訴える!】

▼トランプを孤立させるな 評論家 西尾幹二

▼たじろがずに憲法改正を 防衛大学校名誉教授 佐瀬昌盛

▼米中対立にロシア参入で激変する安保環境 東洋学園大学客員教授・元空将 織田邦男

▼風雲ホルムズ海峡 日本は護衛艦派遣を 金沢工業大学虎ノ門大学院教授・元海将 伊藤俊幸

【好評連載】

▼東京裁判日記 オランダ判事 レーリンクが見た戦後 第4回 暑さと憤りの中で  産経新聞 パリ支局長  三井美奈

▼わが家を襲った「8050問題」第3回 心労となるきょうだい  産経新聞WEB編集チーム 飯塚友子

▼自衛隊あってのオリンピック 第4回 見える支援、見えない支援  ライター 渡邉陽子

【特別講義】

▼日本よ、米国に頼らず変化を 李登輝 元台湾総統

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