PR

【野党ウオッチ】異色の戦法「れいわ新選組」際立つパフォーマンス 

PR

街頭演説する「れいわ新選組」の山本太郎代表=7月4日、東京・新宿
街頭演説する「れいわ新選組」の山本太郎代表=7月4日、東京・新宿

前のニュース

 21日投開票の参院選で、山本太郎代表率いる政治団体「れいわ新選組」の戦い方が注目を集めている。街頭演説にはSNS(会員制交流サイト)などを通じて多くの聴衆が集まり、4月の結成から募ってきた寄付金は3億円を超えた。消費税の廃止など目を引く政策を並べ、無党派層にターゲットを絞ったパフォーマンス中心の手法が当たった形で、他の野党は警戒を強めている。

 「国会の野良犬、山本太郎でございます。国会の空気を読まない、与野党問わず永田町の論理には流されない、どこまで行っても、這いずり回っても、身体を張ってでもファンのために抵抗を続けるような、ややこしい野党を作りたいです」

 山本氏は19日夕、東京・JR新橋駅前で「れいわ祭」と題する街頭演説会でこう訴えると、聴衆からは歓声が巻き起こった。会場の広場にはれいわ新選組のシンボルカラーであるピンクの幟(のぼり)が林立し、仕事帰りのサラリーマンや若者らが続々と足を止めた。立憲民主党の関係者は「枝野幸男代表の10倍以上の聴衆が集まっている」といぶかしげに語る。

 山本氏は4月、自由党から国民民主党入りを決めた小沢一郎氏と決別し、れいわ新選組を立ち上げた。参院選の候補者選びでは、就職氷河期世代の中年層や非正規社員、シングルマザー、障害者らを「弱者」と位置付け、特徴的な候補を擁立した。

 政策には「完全に地盤沈下した人々の暮らしを大胆に底上げする」として消費税の廃止を掲げた。さらに555万人分の奨学金返済を免除する「奨学金徳政令」、最低賃金1500円など、大規模な財政出動が必要なものが並ぶ。

 ただし、財源は「富裕層への課税強化」や、新規国債発行を柱とする「MMT(現代貨幣理論)」など「実現可能性が乏しいか、必要額に到底届かない」(立憲民主党幹部)ものが目立つ。山本氏は「権力があれば政策を実現できる」と訴え、批判は意に介さない。

 公明党関係者は「正直、むちゃくちゃな政策だと思うが、動画などを見て説明を聞くと一定の合理性を感じてしまう」と複雑な心境を語る。別の立憲民主党幹部は「政党としての実力がないから、どんどんエキセントリックにならざるを得ない」と突き放す。

 今回の参院選では、れいわ新選組から東京選挙区(改選数6)で1人、比例代表で9人の合計10人を擁立した。比例代表で優先的に当選できる「特定枠」の1位に難病「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の患者、2位に重度障害を持つ候補をそれぞれ充てた。

 朝日新聞は13、14両日の世論調査から、れいわを「政党」として扱い始めた。この調査で政党支持率は1%となり、野党第二党の国民民主党と並んでいる。

 山本氏は今回、5議席以上の獲得を目標に掲げ、同時に公職選挙法の政党要件の一つである2%以上の得票率も目指す。次期衆院選への挑戦も公言する。立民関係者は「かつての日本新党のように参院選で橋頭堡(きょうとうほ)を築き、次の衆院選でそれなりの議席を目指す腹ではないか」と評する。

 山本氏は平成25年、園遊会で天皇陛下(今の上皇さま)に手紙を手渡しし、請願法に違反する可能性もあると指摘された。27年には、安全保障関連法案の参院本会議での採決に喪服姿で登場し、壇上で焼香の仕草をするなど、参院議員として物議を醸したこともある。

 「永田町の空気は一切読まない」(山本氏)というれいわの訴えは有権者の心に届くのか。

(政治部 千田恒弥)

次のニュース

この記事を共有する

関連トピックス

おすすめ情報