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韓国で大人気のガイド本「大阪は喜んで立って飲む」ヒットの理由(下)

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「大阪は喜んで立って飲む」で紹介された大阪の立ち飲み店の写真(モビディックブックス提供)
「大阪は喜んで立って飲む」で紹介された大阪の立ち飲み店の写真(モビディックブックス提供)
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 韓国では皆無に近い立ち飲み店を中心に飲食店など約100カ所を紹介し、人気を集めている韓国の書籍「大阪は喜んで立って飲む」。著者のイタリア料理シェフでもある作家、朴贊逸(パク・チャニル)氏(54)はコストパフォーマンスの高さや知らない人との会話など立ち飲み店の魅力を語る。日本を訪れる韓国人は、東京より大阪のほうがはるかに多く、大阪の情報は有用だ。韓国人にも立ち飲みは受け入れられるのか。(張英壽)

70年代まで韓国にもあった

 出版元の「モビディックブックス」(ソウル市)によると、同書は1月30日に出版され、大型書店の旅行部門の売れ行きランキングで1~2位に輝いた。もとは食を扱う予定だったが、朴氏が立ち飲み店などに関心があったため、酒中心の本になったという。その朴氏は産経新聞の電話インタビューに応じ、大阪の立ち飲み店の魅力をこう語ってくれた。

 「大阪は並外れて立ち飲み店が多く、梅田から難波までの数キロの間にすごい数の店が並んでいる。座らないから飲み過ぎないし、座る店の1・5倍くらい客が入れるから価格も安くなる。価格に対してのクオリティー(コストパフォーマンス)が高い」

「大阪は喜んで立って飲む」で紹介されている著者の朴贊逸氏(モビディックブックス提供)
「大阪は喜んで立って飲む」で紹介されている著者の朴贊逸氏(モビディックブックス提供)
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 「東京にも立ち飲み店があるが、知らない人と話をするようなことはない。静かに1人で飲むのもいいが、大阪では知らない人とも会話を楽しめ、独特な文化だ」

 朴氏は同書の中で大阪の飲み屋を「アリの巣の中のようにびっしりと並ぶ」と表現する。個人的に訪問した店を含めると、大阪で500カ所の飲食店を訪れており、「飲み過ぎて健康を害した」と笑う。当初は慣れない立ち飲みで腰が痛かったというが、次第に楽しくなっていったという。

韓国書籍「大阪は喜んで立って飲む」のイラストページ
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韓国で人気を集めている書籍「大阪は喜んで立って飲む」
韓国で人気を集めている書籍「大阪は喜んで立って飲む」
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 立ち飲み店で会話を楽しんでいることから、日本語ができるかどうか尋ねると、「少しだけ。英語と日本語を交えて話していた」と打ち明けた。

 韓国で立ち飲み店はまず見られないが、存在しているのだろうか。「日帝強占期(日本統治時代)にはおでん屋や居酒屋など立ち飲みの店は多く、1970年初めまでは残っていたが、その後1カ所でゆっくり飲むスタイルに変わった。現在、ソウルにある立ち飲み店は10カ所前後」という。

驚きの一方、関心も

 大阪は近年、韓国からの観光客が急増。距離的な近さや、格安航空会社(LCC)の路線拡大、そして「食い倒れのまち」としても知られるグルメ人気などが背景としてあげられ、東京よりも人気が高いことが特徴だ。

 大阪観光局の推計によると、昨年1年間の訪日韓国人の行き先は、大阪府内が239万人で、東京都内(148万5千人)の1・6倍に達している。ほかのほとんどの国は、都内を訪れた人数のほうが多い。

 ただ食事や一杯飲む店として選ぶのは、SNSなどで紹介された店が多く、特定の店に集中している。朴氏によると、大阪は並外れて立ち飲み店が多いが、韓国人にはなじみが薄い。

 訪日外国人でにぎわう大阪・道頓堀(大阪市中央区)で、韓国人旅行者に聞いてみると、立ち飲み店に積極的に行きたいという声は少ないものの、関心はあるようだった。

 ソウル市の男性会社員(27)は立ち飲み店を見て「『立ってでも飲むんだな』と思った」と驚く一方、「機会があれば行ってみたい」。華城(ファソン)市の男性会社員(49)も「一回も行ったことがないから、経験したい」と話した。

韓国書籍「大阪は喜んで立って飲む」のページ
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 南東部の大都市、蔚山(ウルサン)市の男性会社員(38)は「さっき行こうと思っていたところ。ヨーロッパでも立って酒を飲む文化がある」と興味を示した。首都圏の富川(プチョン)市に住む男性(27)も「立って飲むのは慣れていないが、一回行ってみたいという好奇心はある」と答えた。

韓国では普及難しいかも

 韓国料理研究家の本田朋美氏は「韓国では、日本旅行を通して日本の食が広まっている。お酒の文化にも興味があり、韓国人が大阪など日本の都市を旅行する際には、立ち飲みを体験したいと思う人が増えるのではないか」と指摘する一方で、「座ってお酒を飲むのが常識の韓国で、立ち飲みが普及することは難しいかもしれない」と話している。

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