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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】ガルシアだめなら緊急補強…手遅れにならないために

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マウンドを降りる阪神・オネルキ・ガルシア=甲子園球場(撮影・水島啓輔)
マウンドを降りる阪神・オネルキ・ガルシア=甲子園球場(撮影・水島啓輔)

 ガルシア3度目も瓦解(がかい)なら投打の外国人緊急補強に動くべきです。矢野阪神は12試合消化時点で5勝7敗の5位。大誤算は新外国人オネルキ・ガルシア投手(29)の乱調です。2試合投げて0勝1敗、防御率14・63。昨季の中日時代に13勝9敗を記録した左腕とは思えません。16日のヤクルト戦(松山)が今季3度目の先発予定ですが、またダメなら先発ローテから脱落、2軍調整も視野に入ってきます。打てないが投手陣がいい…という前評判も覆す事態となれば、チームを総点検して補強策に出るしかありません。次善の策が遅れればV戦線から置いてけぼりを食らうだけですね。

前評判はリーグ屈指の投手陣…でも今は

 矢野阪神は12試合消化時点で5勝7敗の5位です。この成績をどう見るのか。敵地・東京ドームでの巨人戦に3連敗を喫した一方で、残りの3カード(ヤクルト、広島、DeNA)は5勝4敗と勝ち越していますね。あの巨人戦の3連敗さえなければまずまずの滑り出し…ともいえます。

 「シーズン前の予想から見れば健闘しているんじゃあないか。評価が低かったけど、矢野監督を中心に粘り強く戦っているともいえる。ただ、12試合を振り返るとシーズン最後まで優勝争いに絡めるか…と言われれば苦しいと言わざるを得ないな。チーム力が足りないのは歴然だな」とは阪神OBの言葉でした。

 チーム力が足りない…と現時点で言い切る最大の理由はシーズン前の大方の予想だった「打線は弱いが投手陣はリーグ屈指」という指摘が崩れているからです。12試合でチーム打率2割2分、本塁打7本はどちらもリーグワースト。チーム得点40はリーグ5位(ワーストは37点の広島)です。これはある意味、戦前の予想の範囲ですね。

 ただ、打てない打線をカバーするはずの投手陣がどうかといえば12試合消化時点でのチーム防御率4・42はなんとリーグワースト。失点55はリーグ5位(ワーストは69点の広島)。数字が示すものは信じられない投壊現象なのです。

誤算の連鎖は止まらない

 「実はリーグで一番強いと思っているのは阪神だ。ガルシアと西が加入したあの投手陣はすごい」(広島・緒方監督)

 「阪神は投手陣がいいからね。ロースコアの戦いになる」(巨人・原監督)

 「阪神の投手陣からは点をなかなか取れないので、ウチの投手がいかにムダな点を与えないか」(ヤクルト・小川監督)

 シーズン前、他球団監督が口をそろえて警戒していた阪神投手陣は力を発揮できていません。才木や望月、浜地ら期待した若手がそろって2軍。このコラムで指摘したように藤浪の開幕2軍も激痛!! そして藤川球児も不調で2軍。誤算の連鎖ですが、その中でも特筆すべき大誤算は新加入のガルシアの乱調です。昨季は中日で13勝9敗、防御率2・99をマークした左腕が2試合連続で7失点KO!! これほどの誤算はありませんね。

 今季初登板はこのコラムが真っ先に書いた通り4月2日の巨人戦でしたね。昨季は東京ドームで2勝をマーク。対巨人戦に強く、ドーム球場に強い(13勝のうちナゴヤドーム10勝、東京ドーム2勝、屋外はマツダで1勝のみ)昨季の実績を買っての先発でしたが、4回7失点とボロボロ…。

 2度目の登板は9日のDeNA戦。昨季は2試合投げて0勝1敗、防御率7・20の甲子園球場での先発でしたね。マウンドの硬度を硬くしてガルシアを援護したはずでしたが、これも4回7失点。打線がDeNAの守乱に乗じて大逆転してくれたので負けは付きませんでしたが、投球内容はまたもボロボロ…。

 そして、16日のヤクルト戦(松山)が今季3度目の先発予定となっています。三度目の正直なのか、二度あることは三度ある…なのかは松山のマウンドでハッキリすると思います。もし好投するなら矢野監督ら首脳陣や、昨年の12月2日に中日を自由契約になったガルシアを電光石火で獲得に乗り出し、12月17日に年俸1億7000万円(金額は推定)で獲得発表した阪神球団の幹部もホッと胸をなで下ろすでしょう。

 相変わらず粘り強い投球を見せるメッセンジャー、フリーエージェント(FA)移籍で阪神に加入し2試合投げて防御率1・13(1勝1敗)の西、それに岩貞と故障から復帰した秋山らと先発ローテーションを構成し続けられるならば、投手陣全体の内容も好転するはずです。「阪神は投手陣がいいんだ」という他球団の監督や周囲の評論家の評価通りの投手陣に“戻る”なら、今後の戦いにも希望の光が差してくるはずですね。

力発揮できない外国籍…次善の策も必要かも

 しかし、二度あることは三度ある…ならば大変です。ガルシアは先発ローテーションから外れ、2軍調整の可能性が出てくるでしょう。ガルシアが欠けるなら、戦前の投手陣はリーグ屈指-という看板も倒れるはずですね。繰り返して書きますが、若手の有望株が2軍に落ち、藤浪も2軍戦すら登板していません。藤川球児も2軍。これにガルシアがダメとなれば、現在の阪神の攻撃力ではお先真っ暗なのです。

 手をこまねいてはいられないはずです。ガルシアの結果次第では、阪神球団はチームの戦力事情を総点検して“次善の策”に打って出ないといけません。投手陣だけではなく、打撃陣でも新外国人マルテがシーズン前の右ふくらはぎの張りで開幕戦力から離脱。現時点でも2軍戦にすら出場していません。1軍にはナバーロが登録されていますが、パワー不足は明らかでとても助っ人戦力とは評価できません。

 加えて金本チルドレンの伸び悩み。4番に据えた大山はもう少し我慢が必要ですが、高山は2軍落ち。中谷も安定した打撃とはいえません。江越も頭打ち。梅野だけが孤軍奮闘です。

 「特に外国人選手やなぁ…。せっかくメッセンジャーが日本人枠になって外国人選手を他に4人も登録できるのに、現時点ではうまく活用できていない。野手の外国人はもっと複数の選手を取って、チーム内で競い合わせるぐらいでいいはず」とは球団内部からの声ですが、これから先の長いペナントレースを乗り切るには投打に外国人選手を緊急補強してテコ入れをはかることが急務となります。逆にそうでないと上位球団から取り残される近未来の姿が予見できます。

 まずは16日のマウンドに上がるはずのガルシアです。そういえば阪神移籍が決まった直後、ガルシアとの残留交渉が決裂した中日・森繁和シニアディレクター(SD=前監督)はこんな言葉を残しています。

 「ドームでしか勝てないけど、ウチ(中日)に負けたらどこで投げるんだ」

 そして、巨人戦にKOを食らった直後、同SDは「ほら見てみろ。言った通りだろ」とも…。

 Vの使者と期待したはずが、とんだ…。そうならないことを祈るばかりです。と同時にもしも3度目もダメなら阪神球団首脳は一刻も早く次善の策を打つべきです。策が遅れれば遅れるほど、苦境に立つのは矢野新監督です。ファンはしっかりとみているはずです。阪神球団の経営者がどうするか…を。結果責任を問われるのは監督ではなく阪神球団の中枢になりますね。

    

 【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html)の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帳」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/)に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」(http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html)ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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