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【ビジネス解読】「お家騒動の果て中国資本の支配?」大塚家具は再建なるか

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記者会見を前に握手する大塚家具の大塚久美子社長(右)とハイラインズの陳海波社長=3月4日午後、東京・丸の内の日本外国特派員協会
記者会見を前に握手する大塚家具の大塚久美子社長(右)とハイラインズの陳海波社長=3月4日午後、東京・丸の内の日本外国特派員協会
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 父で創業者である大塚勝久氏との委任状争奪戦の末に経営権を握ったものの、3年連続の最終赤字。そんな大塚家具の大塚久美子社長が「攻めに打って出る態勢が整った」と宣言してから1カ月弱。だが、同社の株価はさらに下落するなど、投資家らの反応は厳しいままだ。同社は4月以降、中国開拓を本格化させる計画だが、「お家騒動の果てに、中国資本に支配されるのでは」-。そんな雑音をはね返して、久美子氏は経営再建できるか。

投資家は冷ややか

 久美子氏は3月4日、資本業務提携で合意した日中の越境EC(電子商取引)を手掛ける「ハイラインズ」(東京)の陳海波(ちん・かいは)社長とともに東京都内の日本外国特派員協会で記者会見を開いた。

 久美子氏は席上、「(中国では)日本の伝統家具や(顧客のさまざまな要望に応える)コンシェルジュサービスが求められている」と強調、今回の提携をてこに、中国でインターネット通販に加え、業務提携する中国の家具販売大手、居然之家(イージーホーム)の店舗を通じて家具などを売る狙いを打ち出した。

 だが、業界関係者は「具体的な事業計画も聞けず、投資家も判断できないだろう」と困惑。さらに、久美子氏が席上、業界団体の設立を通じて、勝久氏に和解を呼びかけたことから、別の関係者は「親子げんかに再び焦点が当たる結果になった」と眉をひそめた。

 果たして、大塚家具の株価は会見の前営業日の382円から下落基調に歯止めはかからず、29日には303円にまで値を下げるなど、投資家の反応は冷ややかだ。

4月から中国で販売

 大塚家具は国内市場の縮小やお家騒動に絡むブランドイメージの低下もあり、平成30年12月期まで、3年連続で最終赤字だ。同期の決算書には「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に関する注記」を記載せざるを得なくなった。

 こうしたなか、ハイラインズをはじめ多くの中国企業が含まれる日中の企業連合や米投資ファンドを引受先とする第三者割当増資で、当面の資金繰りにめどをつけた。

 今後、業績改善に向け、国内では家電量販店最大手のヤマダ電機との業務提携、海外では中国市場に活路を求めることになる。

 中国では、4月から越境ECで大塚家具のインテリア雑貨の販売を始め、6月のイージーホームの展示会に間に合うよう商品を準備しているという。

経営権奪われる恐れも

 巨大な中国市場で受け入れられれば、業績にも大きく寄与するのは確かだ。しかし、消費者の嗜好(しこう)や商慣習も異なる海外進出は成功の保証がないうえ、米中貿易摩擦の影響も懸念材料だ。裏目に出れば、海外のファンドや企業に経営権を奪われる恐れもある。

 今回の再建スキーム(当初)では、約20億円の増資に応じた米投資ファンドの持ち株比率が21.19%、約18億円を出資するハイラインズなどの日中企業連合が計19.13%。だが、その後、米投資ファンドが株式を大量売却したことが明らかになった。このため、ハイラインズなどの新株予約権が全て行使されれば、ますます同社などの影響力が高まり、「中国資本に経営権を握られることにもなりかねない」というわけだ。

 31日の株主総会を経て新経営陣に加わるハイラインズの陳氏は、経営権掌握の可能性については肯定も否定もしなかった。さまざまな雑音をはねのけて経営再建を果たせるか。久美子氏に残された時間はそう長くはない。(経済本部 福島徳)

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