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【ビジネス解読】あなたの信用度、採点します 「信用スコア」カベは監視社会

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信用スコアを含めた金融事業に思い切った投資を行うLINEの出沢剛社長=1月31日、東京都新宿区
信用スコアを含めた金融事業に思い切った投資を行うLINEの出沢剛社長=1月31日、東京都新宿区
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 個人データを収集・分析して社会的信用力を数値化する「信用スコア」ビジネスをめぐり、企業の参入が相次いでいる。先行してサービスが普及している中国では、特別な金利で融資を受けられたり、サービスの先行予約・割引などが受けられたりしている。ただ、日本では民間会社のアンケートで、「監視されているようで気持ちが悪い」という意見が多く、普及の壁となりそうだ。

 「金融事業の収益化は2~3年かかる」

 1月31日、無料通信アプリ大手のLINE(ライン)が開いた、平成30年12月期連結決算の記者会見。約7900万人のアプリ利用者を金融サービスに誘導することで得られる、顧客の膨大な取引データを活用した金融ビジネスの見通しについて、出沢剛社長はこう語った。

 LINEは同決算で最終赤字を計上したが、収益改善に時間がかかったとしても、信用スコアを含めた金融事業に思い切った投資を行う。今後、事業の詳細を明らかにするとみられ、関係者から注目されている。

 国内では、昨年から今年にかけて信用スコアへの注目度が高まっている。

 ■ドコモなどサービス

 NTTドコモは今秋にも、金融機関向けの融資審査サービスを開始。ドコモの回線利用者などがサービスに同意して専用アプリをスマートフォンにインストールすれば、借り入れ状況や携帯料金の支払い履歴、コンテンツサービスの利用状況などから信用スコアを算出。金融機関は、信用スコアを元に、返済期間の短縮や金利の節約手法などをアドバイスする。第1弾として、新生銀行が新サービスを提供する。

 ヤフーも昨年10月、ソフトバンクやコスモ石油、一般社団法人シェアリングエコノミー協会とともにサービスの実証実験を行うと発表した。利用者は、ネット通販の購買情報やニュースの閲覧、検索の履歴などから信用スコアが算出され、点数が高いとシェアリングサービスを利用するときに保証金の免除や割引などのサービスが受けられる。

 このほか、ソフトバンクとみずほ銀行が出資するジェイスコアが個人向け融資サービスで参入したほか、フリーマーケットアプリのメルカリも意欲を示す。2019年が「信用スコア元年」となりそうな勢いだ。

 ■中国で一気に普及

 信用スコアが一気に普及しているのは中国だ。現在、10社程度が参入しているが、アリババ傘下の金融会社が運営する「芝麻信用(セサミ・クレジット)」に勢いがある。

 芝麻信用は、約7億人が利用するスマホ決済アプリ「支付宝(アリペイ)」の機能の一つ。利用者は350~950点の信用スコアを与えられ、スコアによって低金利でローンを受けられるほか、病院の優先的な予約などができる。さまざまな恩恵が受けられるとあって、スマホに登録した電話番号などの交友関係や、免許証、不動産所有の証明書など、依りスコアを高められるような情報を登録する人も多い。中国人は、個人情報を守ろうという意識が低いとされ、利便さと引き替えに自らのセンシティブな情報・行動を積極的に提供しているようだ。

 ただ、中国のようにと同様、日本で信用スコアが普及するかは未知数だ。

 ネットプロテクションズ(東京都千代田区)が2月に実施した調査では、「信用スコアという言葉を聞いたことがあるか」との質問に対し、「はい」と答えた人は25%で、前回調査(昨年9月)より5ポイント程度上昇した。信用スコアの普及について、「反対」の割合は65%で、「賛成」を35%を大きく上回った。賛成の理由(複数回答)については、「まじめに生きている人が評価される社会になるのは良いことだから」(50%)、「高いスコアであればさまざまな優遇を受けられそうだから」(39%)など。反対の理由については、「監視されているようで気持ちが悪いから」と「個人情報を共有することに抵抗があるから」が、それぞれ51%で最も多かった。

 また、内閣府が昨年10月に実施したマイナンバー制度をめぐる世論調査では、希望者に無料で交付する個人番号カードの取得予定が「ない」と約53%が答えた。取得しない理由(複数回答)としては、「必要性が感じられない」が57・6%だったほか、「個人情報の漏洩が心配」が26・9%もあった。

 これらのアンケートからは、利用者側がメリットを感じられるサービスの充実を求めているのと同時に、“監視社会”への不安があることを浮き彫りにした。

 あらゆる個人が点数化され、スマホやネットワーク化されたカメラで監視された社会を考えると恐ろしい。国民の信頼感を喪失させないような仕組み作りが急がれる。 (経済本部 鈴木正行)

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