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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】24歳トリオが真価発揮できるか…開幕9番勝負に注目

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阪神・木浪聖也=神宮球場(撮影・長尾みなみ)
阪神・木浪聖也=神宮球場(撮影・長尾みなみ)
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 矢野阪神は躍進するのか没落なのか!? 運命の9番勝負を24歳トリオが陣形を崩さず突破できれば先は見えてきます。阪神・矢野燿大(あきひろ)監督(50)の初めてのシーズンが今週末の29日のヤクルト戦(京セラD大阪)から始まります。開幕からの9試合はヤクルト3連戦、巨人3連戦(東京D)、広島3連戦(マツダ)。昨季の対戦成績でいずれも大きく負け越した相手ですが、1番遊撃・木浪、2番中堅・近本、4番三塁・大山の24歳トリオが敵を撃破すれば不安は一掃され、躍進への鼓動は大きくなります。結果が最悪なら「ようこそ暗黒時代へ」ですね。

阪神脅威論は社交辞令か

 さあ、いよいよシーズン開幕が迫ってきましたね。今週末の3月29日が待ちに待った開幕戦ですね。場所は京セラD大阪。相手は昨季、2位に躍進して、今季は「周囲の期待感もある。優勝を狙う」と話す小川監督率いるヤクルトです。

 「阪神は投手がいい。西とガルシアを補強したし、簡単には点は取れない。なので投手陣がいかに点を与えないかが鍵になる」。阪神戦に対する小川監督の言葉です。バレンティン、山田哲、青木、雄平ら打線の中軸は強力。さらに三塁にはプロ入り2年目の村上宗隆内野手(19)が入りますね。燕のゴジラと呼ばれる若き大砲も脅威です。

 矢野阪神はヤクルト3試合を戦った後、東京に移動し4月2日から敵地・東京Dで巨人3連戦。そして、4月5日からは広島の本拠地・マツダスタジアムでリーグ4連覇を目指す広島との3連戦です。先週も書きましたが、巨人・原監督は「阪神は投手陣がいい。簡単には点は取れないのでロースコアの戦いを覚悟している」と話し、広島の緒方監督も「実はリーグで一番強いのは阪神だと思っている。西とガルシアが加入したあの投手陣はすごい」といずれも阪神に対する警戒感をあらわにしていました。

 阪神に対する警戒感や脅威論ばかりが見えてくるのですが、果たしてそれらを真に受けていいのかどうか!? 春季キャンプからオープン戦と阪神を見続けてきた側からすれば「少し社交辞令が過ぎるのでは…」と思ってしまうのも正直なところですね。

昨年の成績は関係ないか

 まあ個人の感想はともかく、ハッキリしていることは矢野阪神の1年目のシーズンにとって、このヤクルト、巨人、広島との9試合、つまり9番勝負はその後のペナントレースを占う極めて大事な試合である-ということです。

 阪神のオープン戦成績は14試合消化時点で4勝9敗1分け。勝率3割8厘で12球団最下位です。得点43に対して失点59。チーム打率2割2分8厘は11位。防御率4・01は西武、ヤクルトよりはマシですが、全体の10位。この成績をたかがオープン戦…と思えるのかどうか。昨季は62勝79敗2分けでリーグ最下位に沈んだチームは金本前監督から矢野新監督に代わっても浮上せず…というイメージが球団の周囲には広がりつつあります。

 そしてヤクルト、巨人、広島に対する昨季の対戦成績を見るとヤクルト戦は10勝15敗、広島は10勝15敗、巨人は8勝16敗1分け。「昨年の成績は関係ない。今年のチームは全く違う」と球団関係者は話します。矢野監督も同じようなコメントを発していますが、本当に全く違うのかどうか…。それを証明するのが開幕9番勝負と言えるでしょうね。

 今年のチームは違う…という“理論武装”の最大のよりどころは新しい陣形にあります。キャンプ、オープン戦での激しいポジション争いの末に矢野阪神はひとつの形にたどり着いています。1番遊撃に木浪聖也内野手(24)、2番中堅に近本光司外野手(24)。いずれもルーキーが開幕スタメンの座を射止めました。そしてこのコラムで真っ先にお伝えした通り、開幕4番三塁にはプロ3年目の大山悠輔内野手(24)が座ります。同じ1994年生まれの24歳トリオがチームの新しい顔になって戦いの最前線に躍り出るわけです。

 オープン戦の成績は木浪が14試合に出場した時点で打率3割7分、7打点。近本が同じく14試合出場時点で打率3割2厘、打点1、盗塁5。大山は11試合出場時点で打率2割6分3厘、本塁打3、打点8ですね。脚部の不安を抱えていた糸井は開幕戦に滑り込みセーフですが、新外国人マルテは右ふくらはぎ痛で開幕時の1軍合流は絶望的です。全体的な戦力事情を俯瞰(ふかん)してみても、やはり木浪、近本の核弾頭コンビと4番・大山が機能するかどうか…が矢野阪神における開幕構想の一丁目一番地であることは間違いないでしょう。

やっぱりセンターラインは大切

 そして、木浪・近本の核弾頭コンビ、4番・大山の陣形でヤクルト、巨人、広島の9番勝負をどう突破するか、いやできるかどうかは矢野阪神が躍進するのか、または没落か…の大きなポイントになるはずです。

 「開幕時は木浪と近本、二塁は糸原でいくだろうけど、矢野監督ら首脳陣は彼らをずっと起用し続ける気はないんじゃないかな。その時の好不調で木浪に代えて北條や鳥谷を起用するだろうし二塁も上本がいる。三塁の大山だって不調が続けば我慢しないと思う」

 ある阪神OBはそう語りました。確かに二遊間には木浪、糸原以外にも北條、鳥谷、上本ら選択肢はたくさんあります。中堅も近本だけではなく中谷や高山らがいます。ただ、昨季まで3年間の金本阪神を思い出してください。センターラインの野手を打撃の好不調で起用し続けた結果、レギュラーは定まらず、陣容が固定できないで、チーム力も上がってきませんでした。取っ替え引っ替えでは限界があり、とても優勝には届かないことが金本采配によって明らかになったばかりです。

 二塁・糸原、遊撃・木浪、中堅・近本と開幕布陣を定めたのなら、これが矢野阪神の2019年を戦う陣容なのです。そして、開幕前夜、「今年は昨年とは違う」と言葉にした球団関係者らの心のよりどころなのです。ならば、木浪・近本の核弾頭コンビ、4番・大山が開幕から真価を発揮しなければなりません。難敵のヤクルト、巨人、広島に陣形を崩すことなく最低でも5勝4敗で勝ち越せばチーム内外に与える安心感、充実感は得がたいものになるはずです。

 昨季は最下位、オープン戦も14試合消化時点で12球団最下位。ここにあるのは不安感、失望感しかありません。勝負事は勝ってこそ初めて明るい希望の灯が見えてくるのです。フレッシュな24歳トリオが期待通りならチーム躍進の鼓動が聞こえてくるはずです。もし、仮にダメなら…。苦しく長い1年の始まりになるのかもしれません。24歳トリオには阪神の新たな歴史の1ページを刻み込んでほしいものですね。

     

 【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html)の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帳」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/)に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」(http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html)ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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