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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】裏技「外国人フル起用」で開幕ダッシュ

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ブルペンで投球練習する阪神のランディ・メッセンジャー=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・門井聡)
ブルペンで投球練習する阪神のランディ・メッセンジャー=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・門井聡)

 3・29開幕投手はメッセンジャー、4月2日の巨人戦(東京D)先発がガルシアなら、開幕カードのヤクルト3連戦(京セラD大阪)は豪華、外国人5人体制で出撃です。矢野阪神の春季キャンプは今週の27日に打ち上げ。週の後半からは本格的なオープン戦期間に突入します。シーズンに向けた先発ローテーションも徐々に固まっていきますが球団内部からはメッセンジャーで開幕、ガルシアは第2カードの巨人戦第1戦先発という構想が聞こえてきます。狙いは何か? 開幕ダッシュを占う開幕カードに外国人5人を総動員する戦略が見えてくるのです。

今季の先発ローテの構想は

 沖縄での春季キャンプもいよいよ最終章に入ってきました。今週の27日にはキャンプ打ち上げですね。すでに23日ときょう24日、敵地の浦添(ヤクルト戦)と北谷(中日戦)でオープン戦を戦ったわけですが、週の後半からは本格的なオープン戦期間に突入ですね。

 キャンプは総勢43選手で競争をあおった矢野燿大(あきひろ)新監督(50)ですが、これからはポジション別に選手をふるいにかけ1軍メンバーの選択、さらにはレギュラーを決めていかなければなりません。そして、それと同時にスタートするのはシーズンを見据えた先発ローテーションの構想を固めることですね。

 キャンプ後半時点での先発陣構想はメッセンジャー、西、ガルシア、藤浪、才木、望月、岩貞らです。これに小野や秋山らがどう巻き返すのか…。そんな状況下、球団内部から2019開幕ダッシュの戦略が漏れ伝わってきました。それが開幕カード、ヤクルト3連戦(京セラD大阪)における実質、外国人5人体制で出撃というものです。

 「メッセンジャーが開幕、もしくは開幕カードの先発で投げ、ガルシアを次の巨人戦の頭で行かせるなら、開幕3連戦はメッセとジョンソン、ドリス、マルテ、ナバーロの5人を全員、起用できるんだ。大事な開幕ダッシュの鍵を握る最初の3連戦で外国人を5人も戦局に投入できるのはチームにとってもすごいアドバンテージになる」

 球団内部の声です。夢のある戦略を詳しく説明しましょう。

デビューは得意なドームで

 まずメッセンジャーは昨オフに阪神在籍9年でフリーエージェント(FA)権を取得して残留しました。今季から日本人枠になっているのです。メッセンジャーは登録上は外国人選手ではありません。なので開幕のヤクルト戦で第1戦に先発、もしくは西で開幕したとしても第2~3戦で先発するとなれば、他の外国人を同時に4人まで登録できるわけです。

 そして新加入のガルシアを開幕第2カードの巨人戦(東京D)の第1戦で先発させるプランも見えてきました。となるとガルシアを開幕カードには登録しなくていいわけですね。登板日の4月2日に1軍登録し、その後は中6日で先発…という流れです。

 昨季の中日時代、ガルシアは全13勝(9敗)のうち、ナゴヤドームで10勝、東京ドームで2勝とドーム球場でめっぽう強かった実績があります。巨人戦にも強く、5月12日の巨人戦(東京D)では6安打完封勝利を飾っています。大補強した原巨人との今季初対決に助っ人左腕をぶつけ、勢いを止めるプランは当然のように浮上しています。

 ガルシアは巨人戦まで未登録となるわけで、開幕ヤクルト3連戦ではメッセンジャーの他に投手でドリス、ジョンソン、野手ではマルテ、ナバーロの4人を全員、1軍登録できるわけです。

 「3試合とはいえ、外国人選手を5人も起用できるのは阪神の特権でもある。全てはメッセンジャーが日本人枠に入ったからだ。こうした戦力上のアドバンテージは使わない手はない。矢野監督も当然、頭の中には描いているはずだ」

 阪神OBもこう語っていました。

 あくまでも現時点での構想のひとつです。しかし、せっかくメッセンジャーが日本人枠に入り、他の外国人選手を4人、1軍登録できるのにガルシアを除くリリーフ投手2人、野手2人を同時に登録してベンチに入れるチャンスはそんなにはありません。今回の開幕の時期と試合の間隔があく交流戦後ぐらいですね。交流戦は6月23日の西武戦(甲子園)で終了し、公式戦が再開されるのは6月29日の中日戦(ナゴヤD)です。順調に試合が消化されていれば5日間の空白があるわけで、この2回が最大のチャンスなのです。

二度のチャンスを生かせ

 どうしてか? 選手の1軍登録を一度、抹消すれば次の登録までには10日間が必要となります。例えばガルシアを抹消するとなると次に投げるのは中10日が必要なのですね。これでは中6日で先発登板できるガルシアにとっても、チーム全体にとっても戦力的にはデメリットが大きくなりますね。1軍の外国人枠が4人である以上、ガルシア以外の4人の外国人選手を同時に登録できるケースはガルシアが抹消されている期間しかありません。なので、必然的に開幕時と試合間隔があく交流戦明けしかないわけです。

 「ガルシアを登録しているときは、ドリスとジョンソンはリリーフとして使いたいだろう。だからマルテかナバーロの野手のどちらかが1軍登録から抹消される。実際にナバーロに対しては2軍でもOKという契約になっている。本人も了承済みで2年目を迎えている。となると開幕の3連戦はメッセを含めた外国人5人を有効に使える数少ないチャンス」とは球団内部の声ですね。

 開幕カードのヤクルトは昨季、2位に躍進しています。小川監督も今季は「優勝を狙う」と話しています。昨季の対戦成績も大きく負け越しています。いきなり強敵ですね。阪神としても矢野新監督となった大事な1年目のスタートとなる最初の3連戦ですから、最低でも勝ち越し。できるなら3連勝したいはずですね。ならば外国人5人を最大限、戦力として活用する手を考えるでしょうね。3月29日の開幕戦先発はメッセンジャー、ガルシアは第2カードの4月2日の巨人戦の第1戦先発という開幕戦略が見えてきます。

 オープン戦が本格化すると先発投手もシーズンの登板日を逆算しながら登板してきます。それぞれが中5日~6日で登板しながら、自分の先発日に合わせて調整を進めるのです。メッセンジャーやガルシアの3月の登板日を見ていれば、おのずとシーズンでの最初の登板日が判明します。

 矢野監督はメッセンジャーに対して「そう簡単に(開幕投手を)渡さないよ」と話しています。これは逆の意味ではないでしょうか。簡単な理由でメッセンジャー開幕を決めたわけではない…という反語です。言葉の裏側に外国人5人をベンチ入りさせて開幕カード3連勝をもくろんでいる、という狙いが隠されているのかもしれません。メッセンジャーが日本人登録-という2019年の新たな阪神の戦力的アドバンテージがいきなり真価を発揮する。春季キャンプの最終章に見えてきた矢野戦略の構図です。

     

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html)の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帳」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/)に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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