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【ビジネス解読】10連休、景気どうなる 旅行増加でも生産は停滞

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保安検査場の入場を待つ利用客の列=平成30年4月28日、千葉県成田市の成田国際空港第2ターミナル(吉沢良太撮影)
保安検査場の入場を待つ利用客の列=平成30年4月28日、千葉県成田市の成田国際空港第2ターミナル(吉沢良太撮影)
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 皇位継承に伴い、今年のゴールデンウイーク(GW)は10連休となる。新しい時代の到来を喜び合う祝賀ムードの盛り上がりが期待される一方、医療機関などの長期休業による国民生活への影響も懸念される。異例の長期休暇は日本経済にとってプラスになるのか、それともマイナスになるのか-。

 ■海外旅行は活況

 「改元に伴う行事が消費喚起に貢献するとみられる。中でも最もわかりやすいのは、GWが10連休となることに伴う効果だ」。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストはこう強調する。

 先の臨時国会では、皇太子さまが新天皇に即位される5月1日を今年に限って祝日とする特別法が成立した。祝日の間に挟まれた日は休日にするとの法律があるため、4月30日と5月2日も休日となり、今年は4月27日から5月6日まで10連休になる。

 例年より長い休みで、旅行需要の増加が予想される。旅行会社では「海外への長期路線はほぼ完売」(大手担当者)といった状況で、国内旅行の増加にも期待がかかる。

 JR旅客6社は春(3~6月)の臨時列車運転計画を発表した。新幹線と特急、急行の増発は前年同期比10%増の1万6969本。GW期間は、東海道・山陽・九州新幹線では15%増の1283本、北海道・東北・上越・北陸新幹線では46%増の978本を増発する。

 熊野氏は「5月1日が改元初日となることで、皇居のある東京に旅行してみたいと、旅行を計画する人もいくらか増える効果が見込まれる」などと指摘。総務省の家計調査をもとに、GWの国内旅行関連消費は昨年の1兆1501億円(推定値)から3323億円増の1兆4824億円に膨らむと試算する。

 これに、増加する訪日外国人の消費額などを加えると、今年の年間の国内旅行消費額は前年に比べ6911億円の増加が見込まれるという。

 ■全産業ではマイナス

 一方で10連休が景気に与える悪影響を懸念する声もある。

 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「休日が増えることは必ずしも景気にプラス効果をもたらすとはかぎらない。製造業では工場の稼働日数が減ることで生産量が抑制される可能性がある」と指摘する。

 斎藤氏によると、鉱工業生産、第3次産業活動指数などの季節調整モデルを使って、祝日の増加による経済活動への影響を業種別に検証したところ、旅行、宿泊、外食などを含む生活娯楽関連サービスでは押し上げ効果があるものの、鉱工業、第3次産業、全産業では押し下げ効果があることが確認されたという。

 GWが10連休になったことにより、4月30日から5月1日が平日だった場合と比べると、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は5267億円減少するという。

 斎藤氏は「祝日の増加による経済活動の落ち込みは一時的なものであり、景気が実勢として悪化することはないが、少なくとも10連休によって景気が押し上げられることは期待できないだろう」とみる。

 このほか、10連休で病院や金融機関が長期休業となり生活に支障が出る懸念や、日給や時間給で働く非正規労働者の収入が減少する弊害なども心配されている。

 東京証券取引所も4月27日~5月6日に10日連続で休業。戦後の市場再開以降では過去最長の記録で、海外情勢次第では連休明けに相場が急変する恐れもある。日本経済への好影響が限定的ともみられる中、祝賀ムードに水を差す事態を招かないよう、官民の備えが求められるのは間違いない。 (経済本部 本田誠)

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