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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】注目は後妻業の男たち…開幕マスクを懸けた熾烈な争い

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自主トレを公開し、守備練習に臨む阪神・梅野隆太郎。=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・水島啓輔)
自主トレを公開し、守備練習に臨む阪神・梅野隆太郎。=かりゆしホテルズボールパーク宜野座(撮影・水島啓輔)

 梅野メイン、坂本刺激剤、原口は代打の切り札!? 虎の捕手3人制の構図はコレですかね? 矢野燿大(あきひろ)新監督(50)が率いる阪神はあと12日(1月20日時点)で春季キャンプ初日を迎えます。今季から野球協約が変更され、1軍出場選手登録は28人→29人に。ベンチ登録25人はそのままですが1軍枠が1人増えたことで捕手3人制を敷きやすくなりました。昨季ゴールデングラブ賞を受賞した梅野隆太郎捕手(27)が正妻の本命ですが、坂本や原口らの起用法も注目です。かつて虎の正妻だった矢野新監督は“後妻業の男たち”をどうさばくのでしょうか-。

「球春」到来、トラの宜野座の注目は

 いよいよ春季キャンプのスタートが近づいてきましたね。早いもので来週の金曜日が2月1日です。矢野阪神も例年通り沖縄の「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」で春季キャンプに入ります。フリーエージェント(FA)補強で西(前オリックス)を獲得し、中日を退団したガルシアも取りました。先発投手陣は分厚くなります。打撃陣では前エンゼルスのマルテを獲得。新戦力がチームにどんな形で合流し力を発揮するのか。春季キャンプの見どころですね。

 さらに、注目すべきポイントは正妻争いです。昨季は梅野が132試合に出場し、打率2割5分9厘で本塁打8本、打点47をマーク。盗塁阻止率もリーグ2位の3割2分。生え抜き捕手としては1985年(昭和60年)の木戸克彦以来、33年ぶりのゴールデングラブ賞(チームとしては2010年の城島健司以来)を受賞しました。正妻の一番手にいるのは間違いないはずです。

 しかし、絶対的に梅野で決定とは言い切れません。ライバルとして、昨季はわずか15試合の出場にとどまった坂本誠志郎捕手(25)や、今季は捕手一本で勝負を挑む原口文仁捕手(26)の存在があるからです。自らも虎の正妻として活躍し、03年と05年のリーグ優勝に大きく貢献した矢野新監督は果たして“後妻業の男たち”をどう使い分けるのか? 同じ捕手として誰を評価し、誰をどんな役回りにするのか? 大きな注目点であり、その起用法がシーズンでのチーム成績にも大きな影響を与えるはずですね。

「女房」受賞も夫の投手は…

 では、どうしてゴールデングラブ賞を受賞した梅野が「絶対的」ではないのか。それはまずチーム成績との因果関係にあります。梅野自身が自主トレ公開日に「今年こそ投手陣からタイトルホルダーを…」と語ったように、梅野が132試合に出場した昨季、投手陣からは誰もタイトルホルダーが生まれませんでしたね。勝ち星もメッセンジャーの11勝が唯一の2ケタ。チームは62勝79敗2分けで17年ぶりの最下位に終わりました。最下位のチームからゴールデングラブ賞が出たのはリーグ史上初めてのことだったのです。

 梅野が正妻→チームは最下位。これを矢野新監督がどう評価しているのか? 春季キャンプ以降の練習内容を見ればおのずと心の中は読めるのかもしれません。

 一方のライバルたちはどうなのか-。坂本は昨季、わずか15試合の出場でした。脇腹の故障などの影響もあったはずですね。しかし、矢野新監督が1軍作戦兼バッテリーコーチの時代だった2年前の17年、坂本は42試合に出場。特に終盤戦では18試合連続でスタメン出場しています。

 さらに原口も矢野新監督とはプロ野球人生の大きなポイントで関わっています。3年前の16年4月27日、対巨人戦(甲子園球場)で3年ぶりの支配下登録選手に復帰し、試合に代打で出場するとそのままマスクをかぶりました。そこからブレーク。腰痛で苦しんできた苦労人がオールスター戦にも出場しました。昨季は代打としてシーズン23安打という球団記録(桧山と並ぶ)をマークしましたね。代打打率4割4厘は驚異的な数字です。矢野新監督が1軍作戦兼バッテリーコーチの時にチャンスをつかんだ選手です。

 基本的に梅野、坂本、原口の3人は1軍ベンチに入るでしょう。なぜなら、今季から野球協約が変わり、1軍出場選手登録が28人から29人に変更されたからです。変更の真相は「鬼筆のスポ魂」(産経新聞夕刊 1月15日掲載)を読んでいただければ理解してもらえると思いますが、1軍出場選手登録が1人増えたことで、どのチームも捕手3人制が敷きやすくなりました。

捕手3人制でしのぎを削れ

 ベンチ入り25人は同じですが、1軍枠に救援投手を1人多く登録できるので「上がり」の先発投手をベンチ登録することがなくなるでしょう。

 1軍出場選手登録の内訳を勝手に想像すると-。投手13人、捕手3人、内野手7人、外野手6人です。日々の試合でのベンチ登録は投手9人、捕手3人、内野手7人、外野手6人となります。投手9人でも救援投手は藤川球児、ドリス、ジョンソン、能見、桑原、岩崎や望月はベンチ入りできます。捕手も梅野、坂本に原口の3人登録は余裕で可能なのです。

 これまでは1軍出場選手登録の枠の問題で、投手陣を13人選ぶと、捕手は2人しか1軍登録できないケースがありましたね。それが1人増で解消されたわけです。もちろん、チームによっては内野手や外野手の枠を多く取ることもあるでしょうね。阪神にもあり得る選択肢です。こちらが一方的に決めつけているわけではなく、あくまでも独断の予想ですが…。

 しかし、野手全体のバランスや力量を比較すれば、梅野、坂本、原口は1軍枠に入ってくるはずです。その上で矢野新監督は誰を正妻にするでしょう。阪神OBの一人は起用法についてこう予想しました。

 「メインの捕手は梅野だろう。3人の中で肩がいいし、打撃力もある。総合力は一番ある。坂本は少し線が細い。レギュラーではきつい。原口は肩が問題。打てるけど守備面を考えたら正捕手には…。ただ、梅野の場合はスタメンが10試合ぐらい続くとリードが緩くなったり、調子に乗ったりする。だから梅野の心に緊張感を与える刺激剤として坂本を使えばいいのではないか。原口は代打の切り札やね」

 あくまでも予想です。矢野新監督は3人の捕手の順列をどう決めて、3月29日の開幕・ヤクルト戦(京セラD大阪)に向かうのでしょうか。もちろんのことですが、キャンプやオープン戦で一番、結果を残した選手が3・29のスタメン表に名前を書き込まれているのでしょう。不動の正妻で、2度のリーグ制覇に貢献した矢野新監督の“後妻”選びはキャンプからの注目ポイントになりますね。

     

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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