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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】年納めは新外国人「マルテ」に太鼓判

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ジェフリー・マルテ内野手
ジェフリー・マルテ内野手

 猛虎のマルテに3つの大朗報-。阪神は来季の4番候補、ジェフリー・マルテ内野手(27)と正式契約しました。矢野燿大(あきひろ)新監督(50)は早くも「30発の可能性がある」と開幕から4番・一塁での起用を明言しましたが、来日前から絶大な信頼を寄せるだけの裏付けが3つもあるのです。それは(1)日本の絶対的ストッパーからの一撃(2)ロサリオの轍(てつ)を踏まないデータ(3)大谷翔平の言霊(ことだま)-。2019年シーズンを左右する大砲が期待通りなら阪神の14年ぶりのリーグ優勝も間違いなし。皆の衆、気分良く新年をお迎えください!!

 さあ、いよいよ今年最後のトラ漫遊記です。そして、18年に終わりを告げ、19年の始まる週にこのコラムはアップされているわけですから、新年早々、明るい話題を届けなければならない(?)使命もあるでしょう!?

 ありました。矢野阪神にとっても、優勝を渇望する阪神ファンにとってもこれ以上ない大朗報があったのです。それは新外国人、4番一塁を期待するマルテの大活躍に“太鼓判”を押せる裏付けが、なんとなんと3つもあったのです。

 「実はマルテは新外国人の野手候補とすれば上位から3つ目ぐらいのランクだった。上の2人は交渉がまとまらなかったり、他球団(巨人獲得のビヤヌエバ?)に獲られたり…。でもな、結果論で言うならマルテで収まってよかったんじゃあないか。日本で活躍しそうなデータがあるからな。変な言い方かもしれないが、けがの功名かもしれないぞ」

 阪神球団の周辺からは興味深い、こんな声が漏れてきました。そして、日本での活躍を予想できるデータを明らかにしたのです。

 (1)日本人の元絶対的ストッパーからの強烈な一撃

 阪神球団がマルテを調査するきっかけとも言える一撃は8月21日(日本時間22日)のダイヤモンドバックス対エンゼルス戦(チェイスフィールド)でした。ホームのダイヤモンドバックスが4-2とリードした7回表、逃げ切り用のセットアッパーとして前オリックスの守護神・平野佳寿投手(34)が登板。エンゼルスは簡単に2死となったのですが、そこで代打として登場したのがマルテだったのです。

 この試合、エンゼルスの大谷翔平選手(24)は登板日ではなく、指名打者(DH)が採用されないナショナル・リーグ主催の交流戦だったため、代打起用に備えていました。2死になるまでネクスト・バッターズ・サークルでバットを振っていたのは大谷だったのですが、走者が出なかったため、マルテが替わりに代打で起用されたのです。そして、平野と対決しました。カウント3-2からの6球目、平野の直球は高めに浮き、それを振り切ったマルテの打球は左翼へ。見事な本塁打で平野は降板したのです。

 平野はオリックス時代には絶対的守護神として活躍。11シーズンで549試合に登板し、48勝69敗156セーブ。ダイヤモンドバックスでも今季、75試合に登板し4勝3敗3セーブ、防御率2・44と活躍しました。その平野を打ち砕いた一撃が阪神球団首脳の目にとまったのです。

 実は阪神には過去に同じような経緯があります。マウロ・ゴメス内野手は阪神に在籍した2014年からの3年間で通算65本塁打を放ちましたが、当時の和田豊監督がゴメスに興味を持ったのは2013年シーズンで上原浩治の外角球を打ち返したからでした。日本人投手に対する順応性を評価したからこそ獲得に至り、ゴメスは大成功の部類に入る外国人でしたね。

 マルテが平野から打った左翼への本塁打。阪神OBは「平野の失投だったとはいえ、打った事実は大きい」と話していました。

 (2)ロサリオの轍は踏まない

 さらにうれしいことに、マルテのデータを分析した球団関係者の話によると「マルテはロサリオと決定的に違う」と言うのです。それは何が違うのか…といえば「外角低めのボールになるスライダーにバットが止まる。バットが出ないんだ」というのです。

 今季、金本前監督が3割、30本塁打、100打点を期待したウィリン・ロサリオ内野手(29)はメジャー5年で打率2割7分3厘、本塁打71本、打点241をマークしていました。韓国ハンファでは2年連続で打率3割以上、30本塁打、100打点以上だったのです。マルテがメジャー256試合で打率2割2分2厘、本塁打30本、打点91ですから、ロサリオの方がメジャーでの成績は上ですよね。

 しかし、ロサリオはオープン戦に入る頃には日本人投手が投げてくる外角低めのスライダーにバットが止まらず、春季キャンプの勢いがウソのような状態に陥りました。つまり、右の強打者がそのまま日本で通用するかどうかの分かれ目は、日本人投手の緻密(ちみつ)な制球力と外角の変化球に対応できるかどうか、なのですね。その点で見るなら、阪神球団が調査したマルテの外角変化球への対応力はまさに「マル…テン→満点」(ちょっと苦しいですね)。

 (3)大谷翔平の言霊

 さらにマルテの活躍を予想できるのは、今季にエンゼルスで同僚だった大谷の活躍です。メジャーでも二刀流で活躍した大谷とマルテはベンチでもよく会話をしていましたね。大谷の発言の中から日本球界の情報も入っていたでしょう。まるで日本球界に対する予備知識がない選手に比べ、目の前で大谷のすごさを見ているマルテは日本球界のレベルの高さを認識して来日するはずです。そして、大谷が話した言葉が耳の中に残っているはずです。日本球界をリスペクトし、決してナメてはかかってこないはずですね。むしろ、日本で野球を勉強するぐらいの気構えでやって来るはずですね。

 かつて日本球界で名前を残してきた外国人選手はそろって謙虚でした。阪神でも1985年(昭和60年)、21年ぶりのリーグ制覇、初の日本一にチームを導いたランディ・バースは謙虚でした。チームメートに溶け込むために自ら将棋を覚えたり、ロッカー室内でも会話の中に進んで入ってきました。日本球界を上から目線でナメてくる外国人選手で活躍できた人を知りません。そういった意味では大谷の言霊はマルテにとって大きな礎になるはずですね。

 なんだか、マルテの活躍に太鼓判連発でしたが、先週のコラムで書いた通り、新外国人選手は来てみないと分からない面があります。来春3月までは新外国人選手の調査は継続しておくべきですね。準備を施した上でマルテの調整を見守るスタンスこそが、阪神球団に求められるはずです。

 いよいよ2018年も終わります。そして、ハッピーニューイヤー2019年の幕開けですね。阪神タイガースの最後の優勝は2005年でしたね。2003年に続く優勝でした。星野仙一監督と岡田彰布監督の華麗なる胴上げ。あれから14年です。もうこれ以上、ファンを待たさないでほしいですね。このコラムでも優勝(胴上げ)原稿が書けることを祈念して筆を休めます。今年、一年間ご愛読ありがとうございました。そして、来年も厳しく温かく、愛情をタップリ込めて書き続けますので、よろしくお願い致します。読者の皆様、どうか良いお年をお迎えください。

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 【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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