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【政界徒然草】事実誤認・ちゃぶ台返し・遅い質問通告…「まっとうな政治」掲げる立憲民主党初の通常国会は旧態依然?

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民進党から立憲民主党に入った蓮舫氏(右)と枝野幸男代表。「まっとうな政治」はどこに…(斎藤良雄撮影)
民進党から立憲民主党に入った蓮舫氏(右)と枝野幸男代表。「まっとうな政治」はどこに…(斎藤良雄撮影)

 昨年秋に発足した立憲民主党は「まっとうな政治」を掲げ、衆院選で躍進した。今国会は初めて臨む通常国会だが、蓮舫副代表(50)の事実誤認、辻元清美国対委員長(58)の「ちゃぶ台返し」、そして質問通告の遅れと、前身の旧民主党、民進党と変わらない体質を露呈し、一時は2桁台だった政党支持率も低迷している。

 「自民党に強く申し上げたいが、総理、防衛相、法相、官房副長官が6日夜に不適切な会合をしていた」

 蓮舫氏は15日のNHK番組で、こう声を張り上げ、西日本で大雨が降っていた中で安倍晋三首相(63)らが東京・赤坂の議員宿舎で開いた飲み会「赤坂自民亭」をなじった。

 ここで蓮舫氏はミスを犯した。正しい開催日は「5日夜」。気象庁は5日夜に記録的な大雨になる恐れがあると発表し、6日に数十年に1度の異常な大雨に最大の警戒を呼びかける「大雨特別警報」を発した。5日と6日では状況が全く異なっていた。とはいえ、首相や閣僚は飲み会への出席を回避すべきだった、と結果的には言えるだろう。

 ちなみに5日夜は立憲民主党の手塚仁雄国対副委員長(51)も国会近くで「政治活動25周年感謝の集い」を催していた。枝野幸男代表(54)や手塚氏の盟友の蓮舫氏ら党幹部がそろい踏みし、祝杯をあげていた。

 政府・与党の飲み会と、野党議員の政治資金パーティーを同列に扱うことはできない。しかし、政府・与党を厳しく追及する際に事実誤認や二重基準があれば、せっかくの「まっとうな主張」が色あせる。

 蓮舫氏の残念な言動は、これだけではなかった。15日のNHK番組では「災害救助法では、みなし仮設(住宅)として、マンションや旅館・ホテルの借り上げが可能となっているので、一日も早く施設を借り上げ、希望する方に移ってほしい」と求めた。

 一見まっとうな主張のように聞こえるが、的外れだった。政府は12日の段階で公営住宅など1万7千戸、民間賃貸住宅5万4千戸、800人分の旅館・ホテルを確保し、首相官邸のホームページで公表した。蓮舫氏によれば政府が「施設を借り上げていない」と聞こえるが、そんなことはなかった。民進党代表時代、台湾とのいわゆる「二重国籍」問題を当初は否定し、その後説明を二転三転させて求心力を失った蓮舫氏は何ら変わっていない。

 辻元氏による「ちゃぶ台返し」は、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案をめぐる対応だ。改正案は、平成27年の改正公職選挙法で定めた洋上投票の拡大などの規定を反映する内容だ。この公選法改正は全会一致で可決し、国民投票法の改正案も野党は賛同すると思われた。

 衆院憲法審査会の幹事懇談会は5月31日、与野党筆頭幹事間で6月6日の改正案の国会提出で合意した。ところが同月1日、立憲民主党など野党6党派の国対委員長が会談し、提出を認めないことで一致した。

 辻元氏は会談後、記者団に「何だか急に浮上し、あたかも自民党と立憲民主党などが合意したような報道が流れたが、誤報だ。出すことは認められない」と述べた。しかし5月31日の段階で改正案提出に立憲民主党も含め合意していたことは間違いない。辻元氏らは「現場」の約束をひっくり返したのだ。

 与党は今月22日までの今国会中の成立を目指していたが、残された日数を考えるとかなり難しい。野党の国会戦術としては成功なのだろうが、ちゃぶ台返しは与党に付け入る隙を与え、議論が尽くされずに一方的に法案が成立する事態を招くことにもなりかねない。

 「パワハラ体質」も改まる気配がない。6月25日(月)の参院予算委員会の集中審議をめぐり、立憲民主党は参院で野党第一党の国民民主党の仕切りに不満を爆発させ、22日(金)の午後8時過ぎまで質問者を決めなかった。最終的に福山哲郎幹事長(56)が質問に立つことになったが、福山氏はすでに永田町を離れていて、質問通告は漠然とした内容だったという。

 ある官邸関係者は「夜中から全省庁が作業をスタートさせ、当然徹夜となった」と語る。「野党同士のケンカに霞が関やその家族を巻き込むのはやめてほしい。野党は『働かせ放題になる』などとして働き方改革関連法に反対したが、自分たちはどうなのか」とも訴える。

 官僚の負担軽減や深夜のタクシー代削減などのため、質問の通告は委員会開催の2日前まで(土日はのぞく)に行うのが原則だが、ギリギリまで引き延ばすケースは今も後を絶たない。ちなみに福山氏は5月28日の参院予算委で、首相にメモを入れただけの佐伯耕三首相秘書官を罵倒したこともあった。

 世論も厳しい目を向けている。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が6月に実施した合同世論調査で、立憲民主党の支持率は12・8%となり、今年最低を記録した。NHKが7月6~8日に行った世論調査での支持率は7・5%で、3月の10・2%を最後に1桁台に沈む。この間、産経・FNNもNHKも自民党は常に35%以上の高支持率を維持している。

 立憲民主党は今後も旧態依然の野党路線を踏襲するのか、それとも「永田町の論理」に縛られない新しい野党像をなお模索するのか。重大な岐路に立っている。 (政治部 千田恒弥)

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