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【近ごろ都に流行るもの】憧れの「グレイヘア」 “脱白髪染め”は現代の女性解放!?

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グレイヘアを世に問う朝倉真弓さん(右)と依田邦代さん=東京都文京区の主婦の友社(重松明子撮影)
グレイヘアを世に問う朝倉真弓さん(右)と依田邦代さん=東京都文京区の主婦の友社(重松明子撮影)

 女性の美意識が大転換! 主婦の友社が3月に実施した大人女性の意識調査(30~80歳579人)によると、白髪への好感度が急上昇している。白髪の女性を美しいと感じる人が4割超となった。1年半前の前回調査と比べ5倍の数字だ。「美しい白髪に憧れる」も8割にのぼる。手入れの行き届いた白髪は「グレイヘア」と名付けられ、おしゃれ本が続々出版。自然体で生きる女性の象徴として共感が広がっている。(重松明子)

 「白髪染めから解放された今、コンプレックスが個性になったと思える。染料による頭皮のかぶれや根元が気になって仕方がない…といった心身の負荷が消えて、肌の調子も良くなった。赤い口紅や鮮やかな色の服が似合うようになってオシャレの幅が広がり、『私もそうしたいの』と街で声をかけられることもあります」

 明るいグレーのショートボブが印象的なライターの朝倉真弓さん(46)は、若白髪に悩んでいた18歳から27年間続けた白髪染めをやめた。徐々に自然の髪に戻してゆく1年間の移行過程を、日本初の白髪育成実用書「グレイヘアという選択」(主婦の友社刊)で公開している。

 この本は、還暦を迎えてモデル業に復帰した結城アンナさん(俳優、岩城滉一さんの妻)を表紙に、女優、萩尾みどりさんなど年齢も職業もさまざまな女性32人が登場。それぞれのグレイヘアを選んだ理由、ファッションや生き方がグラビアとともに紹介されており、取材に加わった朝倉さんも潔く自らをさらした。

 4月の発売直後から重版になる人気で、10月に第2弾の発行も決まっている。

 「無理に染めなくても、お手入れ次第で美しくいられる時代。それを体現するグレイヘアの美しい女性たちが、知らず知らずのうちに増えていました」。グレイヘアエディターを名乗る主婦の友社の担当、依田邦代さん(59)は感慨深げだ。「脱白髪染めの機運は、1世紀前に窮屈なコルセットから女性を解放したココ・シャネルのファッション革命と重なる。美の基準は、時代時代の女性の心と行動が変えていくんですね」

 同社編集部によると、3週間に1回ペースで白髪染めのサロン通いをすると、年間約17万円、約34時間を費やすことになるという。「義務感や負担に思っているのなら、やめる選択もあると知らせたい」と依田さん。

 朝倉さんは、東日本大震災が発生した7年前、東京でも緊急地震速報が頻発する中で「こんな時まで白髪染めをしなくちゃいけないのかと、人生の優先順位を考えた」という。7月には、白髪染めを卒業したい人に向けた「『グレイヘア』美マダムへの道」を小学館から発行する。

 昨年末に創刊され、2冊で累計10万部と話題のファッションムック本「素敵(すてき)なあの人の大人服」でも、グレイヘアのモデルたちが堂々と紙面を飾っている。

 若者の間では灰色がかったグレイアッシュ系のヘアカラーも人気だが、整えられた大人の白髪は黒髪や茶髪よりもむしろ、モードな雰囲気を醸し出す効果があるように見える。

 「これまで女性の白髪にはマイナスイメージがありましたが、若さのみが過大評価される時代は終わりました。『アンチエイジング』よりも『自然体で歳を重ねた美しさ』を支持する人たちが多数派になっています」と発行元の宝島社は指摘する。若作りが痛く見える「美魔女」ブームの反動だろうか。

 ただし、これらは女性の意識変革であって、男性の理解はいまひとつのようだ。前出の依田さんも「白髪を育てると宣言したとき、夫がすごくおびえていた(笑)。早く“市民権”を勝ち取りたいですね」。

 早晩誰にでも生える白髪。扱いはそれぞれ、その人らしくあればいい。グラデーションに富んだ頭髪が行き交う光景はまさに、「多様性社会」実現の証にもなるでしょう!?

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