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【ビジネス解読】平昌五輪「YOUはその後、日本へ?」…経済効果は期待薄

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平昌五輪「YOUはその後、日本へ?」…経済効果は期待薄

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 一方、海外から観戦に訪れる外国人観光客はどうだろう。韓国ではあの手この手で誘客を図っているが、それが奏功するかは未知数だ。

 聯合ニュース日本語電子版によると、韓国政府は平昌五輪の観戦のために訪れる外国人旅行客の滞在期間を最長で30日間延長できる特例措置を発表。1月18日から2月28日までは、外国人観光客を対象にしたショッピング、文化、観光イベント「コリアグランドセール」を開催して盛り上げる。

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 中国のニュースサイト、人民網日本語電子版によると、特に中国からの観光客に対しては、中国最大の旅行シーズンとなる春節(旧正月)の大型連休を五輪開催中に迎えることから、「旧暦の1月1日」に当たる2月16日を「中国デー」と定めて各国からの観光客に中国文化を紹介するイベントまで催し、誘客に結びつけたい考えだ。米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備まで“お得意さま”だったが、今や激減している中国人観光客復調のきっかけにしたいとの思惑も透けてみえるが、それも一筋縄ではいかないようだ。

 中国紙・環球時報は、今年の春節の大型連休について「中国人の旅行目的地が『遠距離志向』となっていることに、日本と韓国が危機感を抱いている」と報じている。豊かになった中国人の海外旅行は「遠距離志向」へと変わり、旅行先として東南アジアの島国や欧米などが人気なのだそうだ。日本にとっても聞き捨てならないが、4年に一度の「スポーツの祭典」を中国人観光客復調への起爆剤にもしたい「隣国」にとっては、さらに耳の痛い話だろう。

 さらに、ここにきて持ち上がっているのが、外国からの観光客が韓国では五輪だけを見て、その後、日本への観光に流れていってしまうのではないかとの懸念だ。

 中国新聞網などによると、中国のオンライン旅行大手、携程旅行網(シートリップ)が発表した年末年始の全国旅行市場動向調査では、中国人観光客に最も人気のある旅行先は日本。特に北海道や青森などで雪に覆われる景色を見たり、温泉に入ったりすることが好まるという。ただ、前年2位だった韓国は、THAAD配備の影響で敬遠され、トップ10圏外へと転落した。

 もちろん、日本がトップとなったのは、かつての「爆買い」に象徴されるモノ消費から、経験や体験のコト消費への需要のシフトに対する素早い対応が、「近くても楽しい国」にしている面も大きいだろう。日本に来る中国人観光客の中には根強いリピーターもいる。

 同じことが、中国に限らず、韓国を訪れる世界各国からの観光客にもいえるのではないか。なんといっても、KTXのおかげでソウルと五輪会場までは約2時間。ソウルから成田や羽田までも2時間ちょっとだ。米国やロシアといった面積の広い国なら国内移動にかかる時間で、韓国、それも五輪会場から、「おもてなし」満載の国、日本へと行くことができるのだから。

写真ギャラリー

  • 韓国・仁川国際空港と五輪会場がある江陵を結ぶ高速鉄道「KTX」=21日、江陵駅(桜井紀雄撮影)
  • 韓国・ソウル中心部に出現したアイススケートリンク。近くには平昌五輪のマスコットなども飾られ盛り上げていた=2017年12月(松本健吾撮影)
  • 韓国・ソウル中心部で平昌五輪のマスコットと記念撮影する子供たち=2017年12月(松本健吾撮影
  • 冬季五輪が開かれる韓国・平昌の中心街=2017年12月(松本健吾撮影)
  • 冬季五輪が開かれる韓国・平昌では世界の国旗が掲げられていた=2017年12月(松本健吾撮影)
  • 開閉会式が行われる韓国・平昌の「オリンピックプラザ」=1月6日(桜井紀雄撮影)
  • 屋根や外壁に平昌冬季五輪のマークやピクトグラム描かれたスピードスケート会場の「江陵オーバル」=1月3日、韓国・江陵(共同)
  • 韓国・江陵の五輪公園近くの公演候補地を視察に訪れた北朝鮮のヒョン・ソンウォル氏=1月21日(共同)