産経ニュース for mobile

【衝撃事件の核心】前橋・女子高生2人はねた85歳、暴走のワケ 高齢社会に突きつけられた「認知機能」と「恋愛」

記事詳細

衝撃事件の核心

前橋・女子高生2人はねた85歳、暴走のワケ 高齢社会に突きつけられた「認知機能」と「恋愛」

更新

 「この日は体調も良くなかった。『(認知機能検査に)合格しても乗らないで』と何度も言ったのに…」。最悪の事態を招き、家族はいたたまれない思いに苦しんでいる。

 川端容疑者は毎日運転していたわけではなく、自宅から約5キロの「おおとも老人福祉センター」(同市大友町)に通う日だけハンドルを握った。家族が送迎を申し出ても断り、車で通い続けたセンターには、会いたい人がいた。

<< 下に続く >>

 女性に会うためだったのか

 センターには大浴場やカラオケなど高齢者向けの設備が揃い、同世代が集うが、川端容疑者が通い詰めたのは「80歳近いけれど独身で、若々しい雰囲気の女性」(関係者)に会うためだった。関係者によると、女性との付き合いは8年ほどで、運転しない女性のために川端容疑者が送迎し、女性は川端容疑者の食事などを用意していたという。川端容疑者は息子夫婦らと同居していたが、妻とは事実上の別居状態。このため女性への思いを強めたのか。2人の親しげな様子を目撃した人もいるが、事故当日、女性と会うことになっていたかどうかは分かっていない。群馬県警も川端容疑者が女性に会うためセンターに通っていた事実を把握しており、事故との関係を調べているとみられる。

 家族によると、川端容疑者は年相応の物忘れなどはあったものの認知症を思わせる言動はなく、持病もないという。しかし取り調べでは事故直前の記憶はあいまいという。こうした状況が事故原因解明を困難にしており、昨年10月の認知機能検査以降、認知機能が低下した可能性も否定できないことから、捜査関係者は心身の状態と刑事責任能力の有無を調べるため鑑定留置が必要と判断したという。勾留期間中に、前橋地検は鑑定留置を請求する方針だ。

             

 群馬県の運転免許保有者数は昨年12月末時点で141万4675人。人口に占める保有率は全国1位の71・9%に上り、高齢ドライバーの数も多くなるが、県警や行政は高齢者の関連事故を防ぐため運転免許の自主返納を呼びかけている。その結果、昨年10月末現在で、75歳以上の返納者数は3654人と一昨年の2893人を上回った。県警によると、川端容疑者の事故以降、高齢ドライバーの家族から、免許返納も視野にいれた相談が急増しているという。昨年同月末時点で、川端容疑者と同じ第2分類の「認知機能低下の恐れ」と判定されたのは、9721人に上る。

            (前橋支局 吉原実、住谷早紀)

写真ギャラリー

  • 事故に至る経緯
  • 事故現場で実況見分を行う県警捜査員ら。暴走車両は左車線を奥から手前に逆走してきた
  • 事故から5日後の14日、現場検証を行う県警捜査員ら(住谷早紀撮影)
  • 事故から5日後の14日、現場検証を行う県警捜査員ら(住谷早紀撮影)