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【2018平昌五輪】朝鮮日報「韓国旗見られない事態受け入れられない」と訴える 文政権は北に前のめり

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朝鮮日報「韓国旗見られない事態受け入れられない」と訴える 文政権は北に前のめり

2018平昌五輪更新
韓国の文在寅大統領。平昌五輪成功のために北朝鮮参加を訴え続け、遂に参加で合意に達したが、国内では世論は二分する(AP) 1/6枚

 韓国が2018年の幕開けから「平昌五輪」狂騒曲に躍った。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が1月1日、新年の辞で「代表団を派遣する用意がある」と述べると、北朝鮮参加を熱望してきた文在寅政権は大歓迎。迅速にお膳立てされた1月9日の高官級会談で北朝鮮の代表団派遣が大筋で合意された。ただ、韓国内は歓迎一色ではないようだ。従来から言われる「平和五輪」の象徴性が高まるとの主張の一方で、金正恩委員長に主導権を握られ、北朝鮮を利することにならないかと疑問を呈する論調が出ている。韓国からは国連の制裁決議に抵触しない形での費用負担の話も出ているが、米国内は制裁に反する可能性があると否定的だ。

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 2月9日に開幕が迫る平昌五輪に対し、文在寅大統領は昨年6月から北朝鮮に参加を呼び掛けてきた。しかし、北朝鮮は無視し続けてきた。せっかく獲得したフィギュアスケートのペアの出場権も期限の10月30日まで申請しなかったため、次点の日本が繰り上げで出場権を得た。それでも文政権にとって初の国際的イベントである平昌五輪の成功は至上命題に位置づけ、北朝鮮に秋波を送り続けた。

 そんな状況の中、金正恩委員長が1月1日、新年の辞で代表団派遣に言及すると、韓国側はこの機を逃してならずとばかりに高官級会談を提案。朝鮮日報は「政府の周辺では『急ぎすぎ』『欲を出しすぎ』との懸念も出ている」と指摘した。金正恩委員長の主導で事態が進捗することを懸念したからだ。同紙は、文大統領が朝鮮半島問題の「運転席に座る」などと何度も語ったが、実際に「運転席に座っているのは金正恩氏だ」と皮肉った。

 1月9日の高官級会談で北朝鮮の平昌五輪参加で合意されたことで、チーム形態は南北単一チームなのか、開・閉会式で共同で入場行進をするのか-などの詳細が詰められていくはずだ。国際オリンピック委員会(IOC)は北朝鮮が参加を決定した場合、ワイルドカード(特別招請選手)資格の出場を支援する考えを示している。韓国メディアはフィギュア団体戦で南北統一チームの構成もあり得ると伝える。韓国はフィギュアの男女シングル、アイスダンスで出場するが、ペア選手がいないため、北朝鮮選手をそれに充てる考えだ。しかし、この場合、開催国資格で団体戦ペアに参加予定だった韓国選手は弾かれることになる。

 さらに、韓国は昨年6月、女子アイスホッケーで南北単一チームを構成する考えを示していた。問題として、組織力の低下による戦力の弱化、予選脱落国との公平性などが残る。北朝鮮は出場権を得られておらず、五輪出場のため努力してきた韓国選手23人のうち、除外される選手が出ることになる。選手の反発を考慮し、23人にプラスアルファする案が出ているという。

 また、開会式で南北が共同で入場行進したのは2000年シドニー五輪、02年釜山アジア大会、06年トリノ五輪などがある。南北単一チームを構成した場合、韓国国旗ではなく、朝鮮半島旗を持って入場することになりそうだが、朝鮮日報は自国で開催される五輪で韓国国旗が見られない事態は絶対に受け入れられないと強調。これまで夏・冬季の五輪の開会式で「ホスト国の国旗が登場しなかったことは1回もない」と訴えた。北朝鮮が平昌五輪参加をきっかけに核開発・弾道ミサイル発射という挑発行為をやめるなら、韓国国旗が見られない事態も受け入れ可能かもしれないが、北朝鮮は挑発行為を継続してきたと説く。

写真ギャラリー

  • 平昌五輪へ代表団派遣を言及した金正恩朝鮮労働党委員長。秋波を送り続けた韓国は北朝鮮にリードされる形で五輪参加に合意した(ロイター)
  • 2017年11月29日に発射された北朝鮮の弾道ミサイル、火星15号。北朝鮮の平昌五輪参加で、対北制裁の整合性が今後問われる(ロイター)
  • 2007年1月の長春アジア冬季競技大会で統一チームで入場行進する韓国と北朝鮮の選手たち(AP)
  • 2014年9月の仁川アジア大会で入場行進する北朝鮮選手団(AP)
  • 選考大会で6位に入賞した北朝鮮のフィギュアペアのリョム・テオク、キム・ジュシク組。IOCなどは平昌五輪への追加出場の可否を検討する(AP)