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【政界徒然草】日韓議連声明に慰安婦合意の履行うたう文言なく 韓国側に「ベタ折れ」腰砕けの議員外交

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日韓議連声明に慰安婦合意の履行うたう文言なく 韓国側に「ベタ折れ」腰砕けの議員外交

政界徒然草更新
日韓・韓日両議員連盟の合同総会を前に、韓日議連の姜昌一会長(左)と談笑する日韓議連会長の額賀福志郎元財務相(右)。両国の関係は笑っている場合なのだろうか=平成29年12月11日、国会内(斎藤良雄撮影) 1/4枚

 平成29年12月28日、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」するとうたった日韓合意から2年が経過した。昨年発足した韓国の文在寅政権は合意の履行に後ろ向きで、同年末には合意当時の朴槿恵政権を糾弾する報告書を公表した。それに先立つ昨年12月11日、超党派の日韓議員連盟は東京都内で韓国側の韓日議連との合同総会を開き、共同声明を発表した。日本の国会議員ならば当然日韓合意の履行を求めるはずだが、最終的に共同声明への明記は見送られ、むしろ韓国側に「ベタ折れ」したかのような文言が並んだ。

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 共同声明は両議連で幹事長を務める河村建夫衆院予算委員長(75)と金光琳氏の連名で作成され、閉会式で異論なく了承された。慰安婦問題については以下のように記述した。

 「被害当事者たちの名誉と尊厳が回復され心の傷が癒やされるようにという両国の歴代政府の合意の趣旨に沿って、両国政府は共に努力することを確認した」

 日韓合意の履行を明確にうたう文言は、どこを探しても見当たらなかった。

 問題をこじらせているのは政府間の公式な約束を反故にする文在寅政権の姿勢だ。両国の議連が「約束を守ろう」と誓い合えば意義深い議員外交になったはずだが…。

 議連関係者は、共同声明の「歴代政府の合意」には、27年の日韓合意も含まれると説明する。ただ、韓国側にストレートに言及しないよう求められた。相手の顔を立て、幅広く解釈できる表現にとどめることで、韓国の国内向けに“言い訳”する余地を残してあげたのだという。明記しなければ意味がない。それぞれに都合の良い解釈がまかり通るのだから。

 「共同声明を出す」ことが最も大事で、そのためには譲歩するのも政治の技である-。というわけだが、ちょっと待ってほしい。政府間の約束は政権が代わっても引き継がれる。履行はいわば国際的な約束、義務であり、「譲歩するか、しないか」の話ではない。

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 一方、韓国側が日本側に譲歩した形跡は少なく、共同声明には韓国側の主張が随所にみられる。例えば、以下の通りだ。

 「韓国側は、日本政府が村山談話をはじめ河野談話、菅(直人)談話などを通じた侵略と植民地支配に対する反省と謝罪など正しい歴史認識の下で、未来志向的な関係を構築することが重要であると強調した。日本側はこれら歴代政権の立場を継承していくことを確認した」

写真ギャラリー

  • 日韓・韓日両議員連盟の合同総会であいさつする日韓議連会長の額賀福志郎元財務相(右)と韓日議連の姜昌一会長(左)=平成29年12月11日、国会内(斎藤良雄撮影)
  • 日韓・韓日両議員連盟の合同総会終了後に官邸を訪問し、安倍晋三首相(中央)との記念撮影を終えた韓日議連の姜昌一会長(左)と日韓議連の額賀福志郎会長(右)=平成29年12月11日
  • 慰安婦問題の日韓合意を検証した報告書について記者会見する韓国の康京和外相。韓国側は「合意不履行」の動きを強めるが、日韓議連は苦言すら呈さなかった=2017年12月27日、ソウル(共同)