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イチローが2018年へ早くも始動 44歳に休みなし「なぜ休みたくなるの?」
大リーグ通信更新米大リーグ、マーリンズのイチロー外野手が10月22日に44歳を迎えた。球団が正式に身売りされ、チームの陣容がまだ決まっていない中で、来たるべき2018年シーズンへ向けて行動を開始していた。どんな意味が隠されているのか、それとも単なるルーティンワークの一つなのか。
(※10月28日にアップした記事を再掲載しています)
地元紙「マイアミ・ヘラルド」が誕生日直前、「44歳になるイチローは今季のマーリンズが終わった後も、スタジアムにまだ現れている」として、たった一人でクラブハウス内に特設されたトレーニングルームにこもって下半身のストレッチなど体を動かしていることを報じた。
「スタントン外野手はメキシコ、ストレイリー投手はオレゴン、イエリッチ外野手はカリフォルニアに帰った。シーズン中はクラブハウスのあちこちでうるさかったのがウソのよう。みんな、2月に春季キャンプが始まるまでオフを楽しむ。ただ一人、イチローを除いては」
トレーニングの内容は、打撃ケージでバットを振り、ボールを投げ、ウエートトレーニングを行う。いつもやることを愚直に続けている。
「なぜ休みたくなるのか、わからないよ」と言いながら、イチローは休息を取ろうともしない。10月1日のブレーブスとの最終戦を終えて自宅に戻ってもトレーニングを行い、以降はスタジアムが閉鎖される日曜日以外週6日のペースで顔を出しているという。もちろんたった1人で。
同紙の取材にイチローは「チームが望めばまだプレーできる。必要とされないなら、もうプレーする場所はないだろう。自分ではできると思っていてもね。僕の目標は数字ではない。最高のレベルにまで自分をチャレンジしたい。それは自分自身の戦いだね」と、胸の内を明かしている。
そのイチローの来季去就は今もって不明のままだ。球団が元ヤンキースのデレク・ジーター氏(43)らのグループに身売りされて日が浅く、ようやく今週になって編成会議が開催されたほど。
球団の公式ホームページは「マーリンズは18年のイチローの身分をまだ決めていない」が、「44歳の外野手は18年目のメジャーをマーリンズでのプレーを望んでいる」と報じた。
だが、その答えを出すにはある程度の時間がかかりそうだ。「マーリンズはチーム再建への検討を続けているが、主力選手の引き留めなど問題が山積している。イチローに対しても決定されるだろう。来季契約の選択権を行使するかしないかは、(24日に始まる)ワールドシリーズが終わって4日以内に出さなければならないからだ」とされ、11月上旬にずれ込む見通しだ。
それでも、日々の節制の成果で攻・走・守ともレギュラーにヒケを取らず、第4の外野手に置いておくにはもったいないくらい。それでいて、「1年200万ドル(約2億2600万円)の買い物はお値打ちだ」(マイアミ・ヘラルド紙)。
44歳の誕生日、「お祝いしないだろうね」と言っていたイチローは、いつも通り、日曜日のため自宅で1人汗を流したという。