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【原発最前線】フリー記者の「演説」にどう対応? 規制委員長交代、会見で見えた新旧トップの違い

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フリー記者の「演説」にどう対応? 規制委員長交代、会見で見えた新旧トップの違い

原発最前線更新

 この経緯について、田中氏は退任間際の8月31日に日本記者クラブで行った会見で「活断層や破砕帯の調査は、原子力をやってきた人間から見ると全く違った世界だった」と率直に認め、「当初は有識者会合の評価結果を受け入れたが、ただ、有識者は責任を持って結論を出してくれるわけではない。それがだんだん分かってきた」と説明。「責任を最終的に負わなければならないのは規制委であり、(有識者会合の評価結果を)参考にしつつ、今は規制委の責任で最終的には判断している」と述べた。

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 有識者会合への“不信”をも感じさせる発言だったが、更田氏は違った。

 「有識者会合に問題があったとは思っていない。そもそも初めから『間違った判断をしたら責任取ってもらいます』という構成ではない。重要な情報として参考になる知見と見解を与えてくれる組織だ。私たちは行政機関だから、責任を持つのは規制委。有識者会合に責任を転嫁するつもりは毛頭ない」(22日の着任会見)

7分以上を費やして…

 2人の会見でもっとも違いが際立ったのが、特定のフリー記者の質問への対応だ。

 委員長の定例会見では、原発に対する北朝鮮のテロやミサイル攻撃について、質問の形をとりながら持論を展開する記者がいる。発言内容には詳しく触れないが、田中氏は「それはあなたがいつもここに来て演説されるだけであって、聞き置くだけにしておきます」(20日の退任会見)と、相手にしていなかった。

 しかし、更田氏は22日の着任会見で同じ記者と、もう一人の関連質問を含めて7分以上の時間を費やして対応した。ただ、この対応が今後も続くのかは分からないが…。

「更田カラーはおのずと出る」

 委員長として初めての定例会見となった27日、「田中路線を引き継ぐのか、自分のカラーを出すのか」と問われた更田氏は、「二者択一なら、田中前委員長の路線をきちんと受け継ぎたい。カラーというものはおのずと出てしまうものだと思うので、私はそれに任せたい」と答えた。そして、田中氏が5年を振り返って「政治的圧力とかは関係なしに科学的、中立的に判断し、一つの理念できちっとやってきたのは、一点の曇りもない」と述べたことに触れ、こう語った。

 「退任の際に、非常に明確な言葉で『一点の曇りもない』とおっしゃった。私もあの言葉とともに退任できれば、どんなにいいだろうと思います」

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  • 退任会見で質問に答える原子力規制委の田中俊一委員長=9月20日午後、東京都港区