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【注目・過激派裁判】“荒れる法廷”中核派活動家・大坂正明被告の公判に立ちはだかる不規則発言と「時間の壁」

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“荒れる法廷”中核派活動家・大坂正明被告の公判に立ちはだかる不規則発言と「時間の壁」

注目・過激派裁判更新
警視庁に移送される大坂正明容疑者=6月7日、東京・羽田空港(大西正純撮影) 1/3枚

 昭和46年の渋谷暴動事件で警視庁に指名手配され、46年にわたる逃亡生活の末に逮捕、起訴された過激派「中核派」の大坂正明被告(67)の公判の進め方に注目が集まっている。本来は裁判員裁判の対象だが、東京地裁で開かれた勾留理由開示手続きの法廷では、傍聴席から不規則発言が相次ぎ“荒れる法廷”となった。裁判員裁判への不安に加え、検察側の立証に立ちはだかるのは時間の壁だ。事実関係に大きな変更はないが、事件から半世紀を経て、現在の裁判制度に合わせたより慎重な立証が必要となりそうだ。

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原則は裁判員裁判

 「取り戻すぞ!」「おかしいぞ!」。6月19日、東京地裁で開かれた大坂被告の勾留理由開示手続き。法廷には支援者とみられる傍聴人の声が何度も響いた。記者席を除く一般傍聴席は10席。このうち1席は報道関係者が座り、残り9席は一般傍聴人で埋まった。

 しかし、相次ぐ不規則発言でその9人が裁判官から退廷を命じられる事態に。

 「裁判員に選ばれた人も、(大坂被告の公判は)あまりやりたくないのではないか」。検察幹部の一人は、支援者らで傍聴席が埋まり、“荒れる法廷”となることを危惧する。

 裁判員に危害が及ぶ可能性が高い対象事件は、検察側の除外請求により例外的に裁判官だけで審理することもできる。

 ただ、裁判員裁判は、国民の司法参加によって日常感覚や常識を判決に反映させることなどを目的としている。裁判員候補者の辞退が相次げば、幅広い国民参加という前提を根底から揺るがしかねない。それだけに、ベテラン裁判官は「除外規定はあくまで例外で、裁判員裁判で行うのが原則だ」との見解を示す。

 だが、不安要素もある。昨年5月の福岡地裁小倉支部の裁判員裁判では、殺人未遂罪に問われた暴力団幹部の知人とみられる男が結審後、複数の裁判員に「あんたらの顔を覚えとるけんね」「よろしく」などと声を掛けていたことが発覚。声を掛けた人物は公判を傍聴して裁判員の顔を把握した可能性が高く、裁判員4人から辞任の申し出があった。地裁支部は「裁判員に身体上、精神上の重大な不利益が生じる」として申し出を認め、解任を決定した。

 大坂被告は5月18日、大阪府警が広島市安佐南区のマンション一室を家宅捜索した際に、中核派の非公然活動家の男=後に犯人蔵匿容疑でも再逮捕=とともに室内におり、公務執行妨害容疑で逮捕されていた。

 大坂被告が過去に潜伏していたとみられる東京都北区のアジトでは、大坂被告の指紋が検出されなかったことも判明。警察当局を警戒し徹底して証拠隠滅を図ったとみられる。

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  • 大坂正明容疑者の手配写真(警察庁提供)