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【「日韓関係」研究】韓国が見捨てられればうまくいく? 文在寅大統領と付き合う心構えとは…

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韓国が見捨てられればうまくいく? 文在寅大統領と付き合う心構えとは…

「日韓関係」研究更新

 日韓両国は双方にとって第3位の貿易相手国だ。核・ミサイル開発を進める北朝鮮に対処するためには日米、米韓だけではなく、日韓の協力が必要となる。韓国のヒューミント(人的情報活動)による北朝鮮関連の情報や電子情報は重要な意味を持つ。朝鮮半島有事が勃発すれば、在韓邦人を退避させるため韓国政府の協力が欠かせない。

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 では、韓国とうまくやっていくためには、どうすればいいのか。残念ながら、日本が努力しても日韓関係はそれほど良くならない。そう考えたのが、ジョージ・W・ブッシュ政権で04年12月から日本と朝鮮半島を担当したビクター・チャ元国家安全保障会議(NSC)アジア部長(56)だ。

 チャ氏は米ジョージタウン大教授で、東アジア地域研究と国際政治理論を専門とする。1999年に出版した『米日韓 反目を超えた提携』で、日韓協力の度合いは米国による同盟国防衛の関与の強弱で変動すると唱えた。

 日本と韓国はともに米国を同盟国とする「疑似同盟」状態にある。米国から「見捨てられる恐怖」が強まった場合、日韓両国は米国による抑止力を穴埋めするため日韓協力を強化しようとする、というのがチャ氏の見解だ。

 米国のニクソン政権がアジア地域に展開する兵力の削減を計画した1969~71年は、日本が朝鮮半島の平和を日本の安全にとって緊要であると位置付け、日韓防衛交流も進んだ。カーター政権が在韓米軍の縮小を進めた1975~79年には、金大中拉致事件で停滞していた政治対話が活発になり、懸案となっていた漁業協定調印も実現した。

 逆に、米国のアジアに対する関与が強い時には日韓関係がぎくしゃくする。レーガン政権が「力による平和」を訴えてアジアにおけるプレゼンス(存在感)を強めた1980年代は、日韓間で教科書問題など歴史をめぐる軋轢が強まった。

 「米国のプレゼンスは『無責任という自由』を助長しているといえよう。そのために両国、特に韓国には理性的かつ建設的な方法で対日関係にアプローチしようとする動機が弱く、両国間の反目を内政に有利に利用しようとする傾向が強い」

 こうしたチャ氏の見解を踏まえれば、文在寅政権下での日韓関係はどうなるか。

 トランプ米政権は挑発行為を繰り返す北朝鮮に対し、軍事手段を含むあらゆる選択肢をテーブルの上に乗せ、同盟国を守る姿勢を繰り返し強調している。これが続けば日韓関係は改善されないことになる。

写真ギャラリー

  • 5月20日、ソウルの光化門広場で開かれた故盧武鉉元大統領の追悼集会会場に飾られた盧氏(左)と文在寅大統領の肖像画(共同)
  • 韓国大統領選で、支持者と抱き合い支持を訴える文在寅氏(右)=5月6日、ソウル(共同)
  • 5月22日、韓国・慶尚南道の私邸近くの寺を訪れ、住職と談笑する文在寅大統領(右)(聯合=共同)