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【ソウルから 倭人の眼】北の脅威への覚醒もつかの間 竹島、慰安婦に燃えている韓国は妙な方向に向かっている

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北の脅威への覚醒もつかの間 竹島、慰安婦に燃えている韓国は妙な方向に向かっている

ソウルから 倭人の眼更新

 新型弾道ミサイルの発射や、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(33)の異母兄、金正男(ジョンナム)氏の暗殺など、北朝鮮がらみの問題が続発している。韓国社会は北朝鮮という差し迫った現実問題に目を覚ましたかに見えたが、朴槿恵(パク・クネ)大統領(65)の職務が停止し、弾劾審判が迫るなか、奇妙なことに北朝鮮どころではないようだ。国内のゴタゴタの一方で、竹島の領有権問題などをめぐってまた日本を非難。“北の脅威”はつかの間の騒動であるかのように、忘れ去られようとしている。(ソウル 名村隆寛)

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 昨年10月の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイルの発射(この時は失敗)以来、約4カ月ぶりの弾道ミサイル発射に韓国の政府やメディアは衝撃を受けた。北朝鮮が12日に打ち上げたのは、潜水艦発射弾道ミサイル(SLMB)を陸上発射型に応用したものだった。

 ミサイルはいったん空中に浮上した後に発射し、今回は成功したとみられている。韓国が驚きを隠せないのは、発射成功に加え、燃料の固体化と無限軌道型の移動式の発射台から打ち上げられたことだ。発射の機動性が増し奇襲発射が可能になることで、衛星での早期探知も容易ではなくなる。

 「ミサイルは発射角度が垂直に近い89度で、通常角度での発射であれば射程は2000キロ以上になる」(韓国の情報機関、国家情報院)と分析されている。当然、韓国全土はもちろん、日本も射程に収める。韓国と在韓米軍が現在保有する兵器での迎撃は不可能だ。韓国政府は今夏に予定する米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を待つしかない。

 朴大統領の職務停止で、3カ月間半余り国政が停滞を続けた韓国をあざ笑うかのように、北朝鮮は4カ月の沈黙を破り「新型弾道ミサイル」の発射を成功させた。

 韓国が久々に「北」で驚いたのは前述の通りだが、特に韓国メディアは、北朝鮮のミサイル発射を受けた日米首脳の素早い対応にむしろ驚いていた。

トランプ氏が「韓国」に触れず落胆

 安倍晋三首相(62)とドナルド・トランプ米大統領(70)は滞在先の米フロリダ州で、北朝鮮のミサイル発射について共同記者会見した。トランプ大統領は「米国は偉大な同盟国である日本を100%支持する」と述べた。安倍首相も帰国後の13日、「(トランプ政権の対北朝鮮)姿勢はより厳しくなる」と語り、日米で緊密に連携する方針を表明した。

 以上、北朝鮮の軍事挑発に対する日米首脳の“緊密な連携”という望ましい話であるが、韓国は両首脳、特にトランプ大統領が「韓国」に触れていないことに落胆しているようだった。

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写真ギャラリー

  • 北朝鮮が12日に打ち上げたのは、潜水艦発射弾道ミサイル(SLMB)を陸上発射型に応用したものだった(ロイター)
  • 22日、ソウルで逮捕された李在鎔サムスン電子副会長(ロイター)
  • 15日、マレーシアの首都クアラルンプールで金正男氏の検視が行われた病院の法医学部門の建物。多くの報道陣が詰めかけたが、韓国メディアの報道ぶりは鈍い(AP)
  • 北朝鮮の金正男氏殺害事件で、記者の質問に答えるマレーシア警察のカリド・アブバカル長官=24日、クアラルンプール国際空港(共同)