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【東京五輪異聞】「クールジャパン」は名ばかりか…東京の公共交通機関に潜む盲点とは?

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「クールジャパン」は名ばかりか…東京の公共交通機関に潜む盲点とは?

東京五輪異聞更新

 2020年東京五輪まで4年を迎えた。開幕が近づくにつれて、海外からの旅行者の増加が予想されているが、彼らから見て東京は本当にクールなオリンピックシティーなのか。鉄道と道路の交通網は世界有数のネットワークを誇るが、羽田と成田に代表されるように「乗り換え」に不便を強いられ、ラッシュ時の混雑は東京の風物詩と化し、柔軟性と利便性に優れているとはいえない。五輪は外国人にPRする絶好の機会だが、酷暑の中の祭典と相まって、「お・も・て・な・し」のプレゼン通りにはいかないようだ。

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親切と不親切は紙一重

 定刻通りの運行、サービスのよさ、清潔度…東京の交通ネットワークは世界でも群を抜く。1964年の前回東京五輪でも、準備期間とコストをかけて交通インフラの整備が進んだが、2020年の五輪開催を見越して鉄道網はさらに複雑怪奇となり、幹線道路の延伸が着々と進む。

 「外国人旅行者に対するアンケート調査」(観光庁)によると、旅行中に困ったこととして公共交通に関する回答は上位を占め、5人に1人が「目的地までの経路情報の入手」で困っていたという。

 東京都心の地下鉄は、世界最古といわれるロンドンやニューヨークと比べて引けを取らないが、訪日外国人にとってはかなり厄介のようだ。英語表記は分かりにくく、乗り換えに5分以上かかる路線もある。ラッシュ時に外国人旅行者が目的の路線に手際よく乗り換えるのは至難の業である。

 東京五輪に向けて、都心を走るバスやタクシー業界にも動きが出ているが、暗中模索のような状況だ。猪瀬直樹知事時代、眠らない街・東京を標榜し「終夜バス」が試験的に運行されたが、利用者は1年もたたずに減少し、24時間バスはあっけなく終了した。

 最近、ワゴン型タクシーが都心にお目見えしているが、これも4年先を見据えた取り組みだ。車高があるため、体の大きな外国人観光客にも乗りやすく、開放的という理由で導入が始まったが、一部の日本人からは不評だという。「セダン型に比べて乗り心地がよくない。窓が小さく、開閉できない構造の車種もあり、景観が悪いうえに、座席への振動も大きい。見た目にもタクシーに見えないため、敬遠されがち」とワゴン型タクシーを運転するドライバーは嘆く。

「酷暑」五輪との向き合い方

 東京五輪は7月24日から8月9日まで、パラリンピックは同25日から9月6日まで開催される。4年後の夏はスポーツの祭典に日本中がうなされ、一喜一憂することになる。一方、日本の春や秋しか知らない外国人にとって東京の酷暑は不快そのものとなるだろう。

 盛夏のさなかに東京五輪が決定したのは、秋に開催される他の国際大会との重複を避けるという理由があるが、招致委員会が作成した立候補ファイルには「この時期の天候は晴れる日が多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」とある。しかし、「温暖である」という言い方は、どう見ても適切ではない。