産経ニュース for mobile

【スクリーン雑記帖・予告編つき】普天間移設問題を地元の若者はどう考えているのか 沖縄出身の慶大生監督が本音で放つ「人魚に会える日。」

記事詳細

普天間移設問題を地元の若者はどう考えているのか 沖縄出身の慶大生監督が本音で放つ「人魚に会える日。」

スクリーン雑記帖・予告編つき更新

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設による全面返還問題に関して、「次代を担う沖縄の若者たちはどう考えているのだろうか」と思うときがある。反対派ばかりに焦点が当てられがちだが、米軍基地との共存を望んでいる人たちもいるのではないか。その答えが映画「人魚に会える日。」(3月3~7日、東京・渋谷のユーロライブで公開)にあった。

<< 下に続く >>

 基地問題に揺れる沖縄で生活している高校生たちを描いた作品で、「(反対派の人たちは)基地があるのに反対なのか、移設に反対なのか、意味分からん」「沖縄から基地がなくなることは絶対にない。というか、なくなってほしくない」「基地があった方がいいけど早く移設してほしいよね」といったセリフが飛び交う。

 監督・脚本・撮影・編集を務めた慶応大学2年生の仲村颯悟(りゅうご)さん(20)は「僕は嘉手納基地のある沖縄市で生まれ育った。映画に『アメリカ人がいなくなったら寂しい』というセリフがあるけど、米兵さんやその子供と遊んだりするのが日常的だった。僕らの世代は生まれてから基地があるのが当たり前の生活をしていた」と語る。

 断っておきたいのは、この映画は娯楽作品であって、基地問題についての意見を押しつけようという政治的意図を持って撮られたものではない。仲村監督は「反対派の意見を押しつけることも、賛成派の意見を推し進めることもしたくなかった。いろんな人の声を入れようと脚本を何度も書き直しました」と振り返った。

 ヒロインの高校生、ユメ(儀間果南)は、身近な存在の米軍基地に何の疑問も抱かずに育ってきた。同級生の結介(木村海良=かいら)は基地移設で美しい海が破壊されることが許せず精神に異常を来し、行方不明になる。彼を捜しに基地の移設地を訪れたユメは、その土地に伝わる儀式のことを知る。

 仲村監督は「天才中学生監督」として話題になった人物だ。13歳のときに発表した長編映画「やぎの冒険」(10年)が沖縄県内でヒット。国内のほか海外でも評判を呼んだが、それがプレッシャーになり「遊びの延長だった映画製作がつらくなった」と映画作りをやめた。だが上京して大学生活を送るうち、「誰も本当の沖縄のことを知らない」という違和感を覚え、再びメガホンを取る決心をした。

プッシュ通知