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【衝撃事件の核心】これが教育者なのか?! 文理佐藤学園令嬢の異常な金銭感覚 私的流用計1480万円、海外出張2年半で285日間、ホテル1泊7万円…

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これが教育者なのか?! 文理佐藤学園令嬢の異常な金銭感覚 私的流用計1480万円、海外出張2年半で285日間、ホテル1泊7万円…

衝撃事件の核心更新

 埼玉県内有数の進学校を運営する学校法人「文理佐藤学園」(事務局・同県狭山市)で発覚した創業者の長女、佐藤仁美学園長(44)による約1480万円もの私的流用。外部理事らで構成する調査委員会の調査報告書で明らかになったのは、グローバル人材育成が目的の海外視察で4年間にわたり、高級ホテルへの宿泊や宝石店でのショッピングを学園経費で繰り返してきた乱暴なカネ使いだった。(川畑仁志)

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調査委「カジノ利用なし」

 「悪意のほどは分からないが、創業者一族の公私混同といわれても仕方ないほど、学園長のカネの使い方は乱暴だった。普通の組織なら考えられない」。外部理事の1人は仁美氏の私的流用の実態をこう説明する。

 調査委の報告書によると、仁美氏の海外出張は平成24年7月から27年2月まで計9回、費用は計約7150万円に上った。米国本土やハワイ、イギリス、イタリアに計285日間訪れ、滞在が50日間に及ぶこともあった。

 調査委は、私的流用額の算定に当たり、仁美氏の学園長という立場に注目。私立学校法上の役員でも学校教育法上の役職でもない「学園の従業員」(学園関係者)として、一般職員の出張規定で支出できる本来の出張費を上回った約1480万円を流用額と認定した。

 9月4日に行われた仁美氏の父、英樹理事長(80)ら学園側の会見では、仁美氏が米国出張でラスベガスのホテルを3カ所回るなどしたほか、フロリダ州の遊園地「ディズニーワールド」を訪れていたことが明らかにされた。

 「仁美氏の法人カードの明細を調査して判明したが、宝石店やアクセサリー店、ファッション店、飲食店などで私的に使用していたと推測できる。カジノなどギャンブルはしておらず、視察自体は業務と認定しても問題はない」

 調査委員会のメンバーで弁護士の青木二郎氏は会見でこう説明し、「1泊3万円程度なら国外宿泊費として妥当だが、仁美氏は1泊5万円や7万円の部屋に泊まっていた。アメリカ国内の飛行機でもエコノミークラスではなくビジネスクラスを利用していた」と続けた。

「英語のシャワー」目指し海外視察

 「育った環境は違ってもアメリカの子供たちと日本の子供たちがこうやって一緒に楽しんでいる姿が、とても美しいなと思う」

 昨年11月、米国への修学旅行でニューヨーク州の小学校を訪問した西武学園文理小学校(同県狭山市)。動画サイト「ユーチューブ」に投稿された動画で、同小の校長も兼務する仁美氏は笑顔でこう語っていた。

 仁美氏は21年4月、学園が運営する小中学校、高校、大学など計8校を統括する学園長に就任。翌年4月には「英語のシャワーで世界に発信」をキャッチフレーズとする同小の校長となった。学園はグローバル教育を「経営の一翼」にするため、海外学校との交流や提携などを模索。仁美氏は英樹氏の指示を受け、23年から海外視察を始めた。

 ラスベガスやディズニーワールド視察の背景には、仁美氏の「西武文理大学のサービス経営学部の指導に、海外のおもてなしを取り入れたい」という思いがあったという。

 外部理事の1人は「仁美氏の教育にかける熱意は確かに高く、手順を度外視した視察を繰り返したが、実際に成果は出ている」と話す。調査委の報告書によると、西武文理大は留学生派遣などでハワイ大と提携。高校生のカリフォルニア大バークレー校への語学研修や仁美氏の知人であるハーバード大教授による小学生への講話なども実現したという。

領収書なく「想像で会計処理」

 会見や報告書からは創業者の令嬢として学園内で優遇され、職員が意見できない風通しの悪さも浮かび上がった。

 仁美氏が出張中に利用した法人カード代約760万円のうち、約550万円が私的流用と認定されたが、カードを所持していたのは英樹氏と仁美氏の2人のみ。また、調査の過程で、仁美氏から出張に関する領収書がまったく提出されていなかったことも判明した。

 ある学園職員は「法人カードの作成は本人からの要望があったからだ」と明かす。学園関係者は「精算時も、職員がカードの利用明細にある店舗名や利用額から何に使ったか想像して、会計処理するしかなかった」とため息混じりに話した。

 仁美氏は8月下旬に室内で転倒して頭を打って救急搬送され、都内の病院に入院中で、会見を欠席。学園理事会に対して役職を辞任する意向を示し、弁済も英樹氏が代わりに手続きを行ったが、これまでに調査委の聞き取りにも応じていない。

 「学園長として脇の甘さがあり、不適格だ。親として責任を感じている。学生や保護者に申し訳ない」。英樹氏は会見で頭を下げ、「高校から海外で質素な生活をしていたので、(カネの使い方は)本人を信頼して細かいことを言ってこなかった」と釈明した。

 英樹氏は自らも9月から1年間、報酬の1割を返納する意向を示した一方で、仁美氏の病状に質問が及ぶと「しっかりと海外の教育、サービスを学んできてくれた」「言葉をうまく話せない状態だが、涙を流して申し訳ないと生徒の心に思いをはせていた」とかばい続けた。

 調査委は今後、仁美氏の回復を待って事情を聴く方針だが、「入院は長期化する可能性がある」(英樹氏)といい、めどは立っていない。仁美氏は調査期間外にも3回の海外出張をしており、流用額はさらに増える可能性がある。

 学園は10日、公式サイトに「お詫び」と題し、英樹氏が「学園改革委員会を立ち上げ、旧態にとらわれない新しい学園を作り上げることで皆様の信頼の回復に努める」と表明した。だが、学園は調査完了後に仁美氏を処分する方針で、学園関係者は「仁美氏の処遇もどうなるか不透明な現状で、(新体制の構築が)うまくいくかは分からない」と力なく話した。