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【スポーツ Catch Up】コーチ兼任「三宅」、“美しすぎる”は変わらぬ「八木」、重量挙げ女子「リオ」目指し再スタート

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コーチ兼任「三宅」、“美しすぎる”は変わらぬ「八木」、重量挙げ女子「リオ」目指し再スタート

スポーツ Catch Up更新

 春は新しいことを始めるにはもってこいのシーズン。住まいや職場が変わり、新たな環境で心機一転を期す人も多いだろう。それはアスリートも同じ。女子重量挙げでも、来年のリオデジャネイロ五輪へ向けて新たなスタートを切った選手がいる。

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 2012年ロンドン五輪48キロ級で日本女子史上初のメダルを獲得した第一人者、三宅宏美(いちご)は、4月から所属先で選手兼任コーチとなった。同48キロ級6位の水落穂南と昨年の仁川アジア大会58キロ級5位の安藤美希子の入社でチームとなったことから、三宅は後輩2人の指導にも携わることとなった。

 三宅は「私も初めてのことで、まだまだわからないことはたくさんある。互いに勉強しながら、高め合いながら頑張っていきたい」と謙虚だ。ただ、父の三宅義行監督は「私の目が届かないところを、ちょっと教えてもらえば。95~99%は選手に専念してくれていい」と話す。

 義行監督は、娘がコーチを兼任することは選手としてもプラスになると考えている。「人にものを教えることによって自己責任が生まれ、精神面が大きく成長できるんじゃないか」。当然、引退後に指導者として活躍するための準備という側面もある。

 三宅本人も「教えるということは自分自身の中でも再確認になると思う」と父の意図を理解している。「まず自分自身ができることで、その中で伝えていけるようにしていけたら」と、ともに成長する等身大のコーチ像を描く。

 11月に30歳となる。選手としてのキャリアは終盤にさしかかっている。「いつ選手生命が終わるかわからない。リオの舞台に立てるかもわからない」と、危機感も隠さない。だからこそ「1日1日が勝負」と自分に言い聞かせる。自身4度目の五輪出場へ「みんなで助け合い、盛り上がっていきながら、リオに挑戦したい」と決意を新たにした。

 「かわいすぎる重量挙げ選手」として人気を集め、ロンドン五輪にも出場した八木かなえは今春、金沢学院大を卒業しALSOKに入社した。「全然しっかりしていないので、お父さんお母さんに頼りっぱなし。(両親は)たぶんいっぱい心配していると思う」とはにかみつつも「競技を通して試合でいい結果を出すことが、これからの仕事になってくる」と、社会人としての自覚を見せる。

 入社とともに、練習環境も変わった。主な拠点はナショナルトレーニングセンター(東京都北区)だが、今後は定期的に地元・神戸でも練習を行う。「やっぱり落ち着くというのと、高校のころもずっとやってたので、初心に帰れる」。高校の後輩とともに汗を流す日々を楽しみにしている。

 八木にとって、ロンドン五輪は「悔いだらけ」の大会だった。「雰囲気に飲まれてしまった。そのときはわからなかったけど、後々実感した」。晴れの舞台で自分の力を出し切れなかったことへの後悔は、いまなお残る。

 だが、今は違う。「あっという間」と振り返るロンドン以降の日々で、数多くの国際経験を積んだ。2013年ユニバーシアードでは53キロ級で初の金メダルを獲得。リオデジャネイロで「順位に関係なく、悔いなく終わりたい」との思いは強い。

 ALSOKにはレスリングの吉田沙保里と伊調馨、柔道の中矢力らメダリストが所属。山田政晴監督は「彼らに並んでメダルを取ってほしい」と期待するが、リオの舞台に立つには競争に勝ち抜かなければならない。

 「自分は大きな目標を立てるのがあまり得意ではない。目の前の目標を1つ1つクリアしていく」。八木はあくまでも謙虚に、2度目の舞台へ歩みを進める。

 リオ五輪の重量挙げ競技は昨年と今年の世界選手権における合計獲得ポイントで国別出場枠が決まる。女子は上位9カ国に入れば4人の出場枠を獲得。日本は現在9位とギリギリの位置におり、11月に米国・ヒューストンで開かれる世界選手権の結果が極めて重要となる。

 だからこそ、「リオの代表枠をまずは4枠絶対取ること」と三宅。八木も「日本の枠が3になるか4になるかは自分にとってはすごい大事なところ。団体の得点に貢献したい」と意気込む。ともに11月にピークを合わせるべく、調整を行っている。