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【スポーツ異聞】平昌五輪いよいよ「危機」…スポンサー集まらず、五輪後の再利用も未定「200%失敗する」

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【スポーツ異聞】平昌五輪いよいよ「危機」…スポンサー集まらず、五輪後の再利用も未定「200%失敗する」

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平昌五輪で新設されているスピードスケート会場の建設現場。2月初旬には整地が進んでいたが…(朝鮮日報のホームページから) 2018年2月に韓国で開催される平昌五輪まで2月9日であと3年となった。韓国内ではイベントを実施し、雰囲気づくりに躍起だ。ところが、肝心の新設6競技場の建設が開催1年前の「テストイベント」までに間に合わないと懸念されるうえ、大会運営費の4割近くを賄うはずのスポンサー契約が目標の30社に対し4社にとどまっている実態が明らかになった。さらに五輪終了後の施設利用計画で新設6施設のうち4施設が未定という杜撰さ。大会組織委員会は国際オリンピック委員会(IOC)の提唱した分散開催を否定し、順調な推移を強調するばかり。この現状に「このままいけば平昌は200%失敗」という韓国ネットユーザーの叫びが真っ当に聞こえる。

 韓国紙・朝鮮日報によると、開幕まであと3年となった2月9日に大会組織委員会はムードを盛り上げ、成功を誓うイベントを実施。広報大使を務めるキム・ヨナら関係者500人が集まったという。組織委の趙亮鎬委員長は「これから本格的に大会準備に全方位的な努力をする。国民の皆さんからも平昌五輪開催成功のため全面的な支援をいただきたい」と訴えた。

 まるで苦境の打開を訴えているようだ。指摘され続ける競技場や周辺施設の建設の遅れは相変わらず。朝鮮日報によると、進捗状況(今年1月時点)はわずか6~14%。終了後の活用法が問題となり、再設計を行って着工が昨年10月と、最も遅れたスピードスケート競技場に至っては全体の工程率は6%止まり。

 組織委は「現在の状況なら17年2月の完工が可能」とし、テストイベントが予定される本番1年前の17年2月に間に合うと強調する。しかし、これは不測の事態が発生しなければという条件付きで、「崖っぷちの状況」と同紙は指摘する。ソウル市立大教授は「頻繁な豪雨や大雪などで工期が延びた場合に備えて『プランB』も用意しなければならない」という提案を紹介する。

 さらに深刻な問題は、運営費が捻出できないという点だ。インフラ関連予算を除く大会運営予算は2兆540億ウォン(約2259億円)を計上し、このうち8530億ウォン(約938億円)をスポンサー契約で賄う計画になっている。ところが、今のところ、契約数は4社のみ。目標の30社にはほど遠い惨状だ。

 組織委は13、14年の協賛費収入をそれぞれ175億ウォン(約19億円)、675億ウォン(約73億円)と予想した。実際、13年は収入ゼロ、14年は35億ウォン(約4億円)で、事前予測の5.2%にとどまる。このため、13年は110億ウォン(約12億円)、14年は105億ウォン(約11億円)を政府や関連機関から借り入れた。

 背景には、組織委のスポンサー募集の消極的な姿勢があると指摘される。だが、組織委は「現在2~3社の企業と交渉しており、今年第1四半期のうちに契約が実現するものと期待している」と願望を語るほど。危機感はあまり感じられない。

 朝鮮日報は「これほど大規模なスポンサー募集問題を組織委が単独で解決するのは難しいのではないかという声が出ている」と伝え、漢陽大教授は「司令塔が存在しないのが問題だ。政府が主導的な役割を担う必要がある」と指摘。結局、政府が乗り出さないと問題は解決しないという無責任体質を露呈している格好だ。

 五輪は競技開催だけでは真の成功とはいえない。大会後の効率的な施設利用も見据えなければ、単に「廃墟」を作り出したに過ぎない。1994年のリレハンメル大会は開催の5年前から終了後の活用計画が決められていたという。平昌大会では6553億ウォン(約720億円)をかけて競技場などを新設しているが、「再利用計画が確定しているのはわずか2カ所」(朝鮮日報)。残り4カ所は事実上の白紙状態という。組織委は「近く結論を出す」とするが、これまでスッタモンダ状況が続く中で結論が出るのかは不透明だ。

 これだけ杜撰な状況が突き付けられると、韓国民も呆れるほかないようだ。インターネットには関係者の「このままいけば100%、いや200%失敗する」とのコメントを紹介した上で「まだ遅くない。今からでも大統領府を中心に力を入れれば可能。五輪を日本やロシアに任せるか、それともしっかり進めるか、早く決断を下すべき」と危機感をあらわにする。さらに「国際的に大きな恥をかきかねない」「失敗して恥をかけばいいさ。そうすれば2度と誘致しようなんて言わないだろう」「できないなら最初からするな」「分散開催が正解だった」と怒りや諦めの声が多く寄せられていた。

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