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【サッカー通信】Jリーグ「経済格差」拡大も 「共存」から「競争」へ、遂に舵切る「配分金」分配方法

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【サッカー通信】Jリーグ「経済格差」拡大も 「共存」から「競争」へ、遂に舵切る「配分金」分配方法

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2014年シーズンのJ1最終戦で、優勝を決めたG大阪を応援するサポーター=12月6日、ポカリ(安部光翁撮影) Jリーグは来季以降、各クラブへの配分金を成績や入場者数、スポンサーへの貢献度などに応じ傾斜配分する。集客やスポンサー協力など、クラブが行う努力を金額に反映することで競争を促しクラブの総合力を上げる狙いだ。これまでの配分金はほぼ均等で、2013年度はJ1に約2億5000万円、J2に約1億円を支給した。村井満チェアマンは「協調から競争の段階に入る」と強調。2ステージ制とポストシーズンを導入する来季は賞金の配分方法も変わり、「貧富の差」拡大の可能性も出てきた。

スポンサーに配慮

 2015年から傾斜配分を始めるのは、スポンサーなどへの貢献度による配分金になる。

 リーグのスポンサーである企業が、例えばサッカースクールを開いたりすることがある。その際に、チーム側が選手や指導者を派遣するなどの協力をすると、イベントに参加するために必要な経費などを、貢献度に応じて傾斜配分していく。

 Jリーグのスポンサーになったことによる利点を企業側に提供するのはもちろん、多彩なスポンサーの要望に対し、チーム側が細部まで対応することに対して金銭面で有利にする考えだ。村井チェアマンは「クラブの努力に報いていく1つの方法」と説明した。

 また、15年はリーグに入る放映権料から配分金に回す金額を増額する。放映権を持つ「スカパー!」への協力や、加入者獲得などで貢献したチームにはより多い配分をしていく方針だ。

評価指標に課題も

 成績や入場者をもとにした傾斜配分は、来季の実績をもとに、J1で16年シーズンから導入される予定だ。ただし、比較的予算規模が小さいJ2のチームについては、配分金の減少が急激な経営悪化につながる可能性があるため適用しない。

 今後は入場者数や成績による傾斜配分の方法を具体的に詰めていく。

 とくに注意する必要があるのは入場者数の評価方法だろう。単純に数字だけを評価すると、各チームが使用するスタジアムの大きさによって不公平な状態が生まれてしまう。入場者数を収容人数で割った「収容率」などを指標とすることが一案として考えられる。チームの活動地域によって交通網の整備状況や人口に差があることも考慮する必要が出てくる。

賞金も上位に手厚く

 Jリーグは来季、2ステージ制と上位チームによるチャンピオンシップを導入する。大会方式に合わせて賞金の配分も変更する。

 来季の賞金は年間優勝が1億円、各ステージ優勝が5000万円、年間勝ち点1~3位に8000万円、3000万円、2000万円を与える。クラブは最大で2億8000万円を得ることができ、今季までのJ1優勝賞金2億円を上回る。

 年間7位まで賞金を獲得した今季までとは大きく異なる。上位に食い込まないと賞金は手にできない方式になった。

 また、上位クラブへの配分金として総額1億8000万円を用意。ここ数年、成績が出ないアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するチームへの強化費として重点配分する方針だ。

 分配金の傾斜配分、賞金の変更によって、より強く、人気のあるチームに多くの資金が配分される仕組みになったと考えていい。日本を代表する「ビッククラブ」が生まれやすい土壌になった一方、苦しい経営を強いられるチームが増加する懸念もぬぐえない。

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