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【スポーツ異聞】「韓国」「北朝鮮」サッカーに日本ユース世代がさっぱり勝てない理由は「バルサ型ポゼッションサッカー」にある…元J1監督・清水秀彦氏が大胆分析

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「韓国」「北朝鮮」サッカーに日本ユース世代がさっぱり勝てない理由は「バルサ型ポゼッションサッカー」にある…元J1監督・清水秀彦氏が大胆分析

スポーツ異聞更新

 アギーレ監督を迎えサッカー日本代表がスタートを切った一方で、次世代を担うユース世代は厳しい現実を突き付けられている。韓国・仁川のアジア大会では、U-21が準々決勝で韓国に0-1で敗れ大会連覇を逃した。またU-19選手権では、北朝鮮との準々決勝で1-1からPKの末に敗退し、4大会連続でU-20W杯出場はならなかった。元J1仙台監督の清水秀彦氏は、ユース世代だけでなく日本サッカー全体に迫る危機を憂い現状に警鐘を鳴らす。

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 かつて「ワールドユース」と呼ばれたU-20W杯では、日本の若手が活躍した。1999年大会では小野伸二や稲本潤一ら“黄金世代”で準優勝している。

 清水氏は、日本が勝てなくなった理由に関して「他の国も強化して日本に追いついてきたから」だけではないという。日本に欠け、韓国や北朝鮮にあるものは「勝つことへのこだわり」と指摘する。

 「技術レベルも上がっているが、何より“勝つことが大切”という意識。日本に勝つためにはどうしたらいいか、というのを形にしてくる。たとえば、勝つためならロングボールを入れるのにためらいがない」

 なぜ日本にはできないのか。その鍵は昨今、重要視してきた「ポゼッションサッカー」にある。常にボールを保持し試合の主導権を握ろうとする戦術で、スペイン1部リーグのバルセロナが象徴的な存在だ。

 清水氏は「日本のユース世代の選手はテクニックがある」としながら、「スキルがない」という。一見、同じ意味に思われるが「スキルとは試合の中で判断し、何をするかチョイスする能力。ポゼッションサッカーは“うまい選手”になれても“強い選手”をつくれていない。だから、いざ勝負という場面で“こんなはずでは”となってしまう」と断じる。

 日本はバルセロナにはなれない。Jリーグの多くのクラブも取り入れ、Jの特徴は薄れてしまったともいわれる。同じような戦術のチーム相手にサッカーをし、海外に行く機会も減った若手は、厳しいサッカーを学ぶ場も減っている。

 問題はU-19やU-21だけにとどまらない。日本は五輪やW杯に連続して出場し、もはや出るのが当たり前とさえ思われるが、そこに危険な因子が隠れている。

 「W杯や五輪に出ているし、U-17やU-15はそこそこやっている。それをもって『大丈夫』とごまかしてきた。しかし4位になったロンドン五輪代表から何人がA代表に上がった? 南アフリカW杯16強でもブラジルW杯は惨敗したではないか」

 これは、日本代表の各世代が一貫性を欠いている結果だという。U-20W杯出場を4大会連続で逃した事実は「その上の世代までガタッとくる予兆にも思えてくる」と話す。

 清水氏は「A代表から育成レベルまで、同じサッカーを貫くということを、今こそ真剣に考えないと本当にあやういことになる」と訴える。