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【メガプレミアム】日韓「外国人観光客数」競争 韓国統計の〝ズル〟…差は僅か100万人、日本逆転へ

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【メガプレミアム】日韓「外国人観光客数」競争 韓国統計の〝ズル〟…差は僅か100万人、日本逆転へ

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ソウル市内の繁華街。外国人向けの両替所の看板も中国語が目立つ 訪日外国人観光客数が、“韓国越え”に迫りつつある。2009年以降、外国人観光客の誘致で、日本は韓国の後塵(こうじん)を拝してきた。だが、昨年は訪日客が年間1000万人の大台を突破。今年も円安などを追い風に、訪日客は前年比2割超の大幅な伸びとなっている。対する韓国は日本人旅行者の減少が続く苦境を、中国人の取り込みでカバーしようとしている。「観光立国・ニッポン」vs「韓流」のデッドヒートは激しさを増す。

消えた日本人

 ブランド店などがならぶ韓国・ソウルのショッピング街、明洞。かつては日本人客であふれた観光スポットだが、いまや「快来(いらっしゃいませ)」という中国語の呼び声が響く。路上の看板も、一番上に大きく書かれているのは中国語だ。

 実際、韓国観光公社が10月27日に発表した1~9月の訪韓外国人統計によると、中国からの旅行者が約468万人とトップで全体43.9%を占めた。前年同期比で約4割増えており、年間では600万人を超える見通しだ。

 同期間に日本から韓国を訪れたのは約174万人。比率では中国に次ぐ規模だが、前年同期に比べ15.7%減と日本人離れが進んでいる。

 しかし、1~9月の訪韓外国人客数のトータルは、前年同期比15.4%増の約1068万人と好調だ。現在の勢いが続けば年間1360万人を見込み、過去最高を更新するという。日本人客の減少を中国からの集客で補ったため、いまや外国人観光客のほぼ半分を中国に頼る形だ。

追撃の日本

 これに対し、日本政府観光局(JNTO)が発表した今年1~9月の訪日外国人観光客の累計は前年比26.0%増の約974万人。韓国との差は90万人超とまだ及ばない。

 ただ、旅行業界では外国人旅行者向けのパックツアーが大きく伸びている。JTBがアジア圏を中心とする旅行者向けに販売する国内パックツアー「エクスペリエンスジャパン」は、4~10月の受注が前年同期比5.3倍と大きく伸びた。

 同様に阪急交通社では、11月の中国からの旅行者のツアー受注が前年同月比2倍となっている。「秋の紅葉などを楽しむツアーの受注が多い」といい、先行きも活況が見込めるという。

 観光庁の久保成人長官は、今年の訪日外国人が「1200万人後半に達する」との見通しを示した。関係者は「1300万人に近い水準も見込める」と、期待を寄せる。

統計にカラクリ?

 数字だけを見ると、日韓はまだ100万人近い差がある。だが、そこには統計のカラクリも垣間見える。

 観光業界関係者によると、JNTOの訪日外国人観光客数のデータは、観光やビジネス、業務視察など意思・目的をもって来日した人のみを集計している。外国航空会社のパイロットや乗務員、船舶の乗組員など、簡易手続きによって一時的に上陸を認める「特例上陸許可」の対象者は含まれていない。

 だが、韓国観光公社が発表する訪韓外国人数の統計表をみると、訪韓者内訳に「男性」「女性」と並んで「乗務員」という項目がある。日本が除外する「特例上陸許可」の対象者も含めた数字が、訪韓外国人客数となっているのだ。

 9月に入国した乗務員は約14万人にのぼっている。日本の基準に照らせば、韓国の数字は年間100万人超“水ぶくれ”している形だ。関係者は「統計基準が異なるので、直接比較できない。ただ、その数字で国ごとのランク付けがなされるのはちょっと…」と言外に不満の色をにじませる。

 JNTOが作成した2013年の世界の外国人訪問客数のランキングで日本(1036万人)は27位。22位の韓国(1217万人)、23位のシンガポール(1190万人)に及ばない。ただ、円安や2020年東京五輪に向けた集客策などの追い風が続けば、名実共に日本が韓国を抜き返す日も遠くないはずだ。(11月11日掲載)

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