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【サッカー通信】代表成長へ求められるロンドン組の奮起

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【日本-ジャマイカ】前半、ジャマイカ代表のオウンゴールで先制すると、本田(中央)を中心に喜ぶ=デンカスタ(山田喜貴撮影) サッカーの日本代表で2012年のロンドン五輪代表である“ロンドン組”が存在感を示せずにいる。10月の合宿に招集されたのは権田、鈴木、酒井高の3人で、10日のジャマイカ戦に出場したのは酒井高だけだった。本田や長友、香川ら08年の北京五輪に出場した“北京組”が長く代表を引っ張り続けていることもあり、ロンドン組の物足りなさが際立っている。(奥山次郎)

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 アギーレ監督が就任してから初めての白星を挙げたジャマイカ戦を、権田と鈴木はベンチから見守った。フル出場した酒井高は鋭いクロスを連発して持ち味の攻撃力をアピールしたものの、ロンドン組として考えるとさみしい孤軍奮闘だ。権田に立ちはだかる壁は川島(スタンダール)と西川(浦和)という経験豊富な先輩で、鈴木は昌子(鹿島)の故障離脱による追加招集。代表での定位置確保どころか、定着もままならないのが現状といっていい。

 ウルグアイ戦とベネズエラ戦を含む9月の合宿に呼ばれたロンドン組は、オーバーエージ枠だった吉田を除くと酒井宏、酒井高、扇原の3人。扇原は出場機会を与えられないまま今回の合宿では代表から外れ、ウルグアイ戦で失点につながるミスを犯した酒井宏も落選。連続招集されたのは酒井高だけだ。

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会でレギュラーだった山口のほか、メンバー入りした清武や斎藤といった実力者も控えるが、代表で地位を確立させているとは言い難い。年代としてはロンドン組になる香川も“飛び級”での北京組で、ロンドン五輪は戦っていない。

 香川以外でも日本代表と聞いて真っ先に顔が思い浮かぶ本田、長友、岡崎、吉田らはいずれも北京組だ。アギーレ監督は北京組から水本、細貝、西川、森重も連続招集。病み上がりの内田(シャルケ)も力量的には代表の主力といってよく、こうした北京組と比べるとロンドン組は見劣りする。

 時期尚早ともいえない。23-24歳だった本田、長友、岡崎らは北京五輪から2年後の南アフリカW杯ですでに主力を担っていた。ロンドン五輪から2年後のブラジルW杯で、ロンドン組からは権田、清武、山口、酒井宏、斎藤、酒井高の6人が代表入りしている。しかし、山口こそコートジボワール戦とギリシャ戦に先発したものの、残りの5人で出場機会を得たのはコロンビア戦の後半40分からピッチに立った清武だけだった。

 1次リーグで敗退したブラジルW杯後に清武は「悔しい気持ちでいっぱい。自分たちが中心になってやっていかなければいけないし、時間かけて成長できたらなと思う」と奮起を誓ったが、アギーレ監督就任後の代表招集はない。鈴木も「目の前のことを必死にやってきたのがこの2年。あとはやるだけ。試合に出て結果を残したい」と闘志を燃やしていたが、ジャマイカ戦で出場機会を得られなかった。

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 銅メダルを獲得した1968年のメキシコ五輪以来となる準決勝進出を果たしたロンドン組の経験は、選手個々はもちろん、日本サッカー界の貴重な財産でもある。鈴木は「五輪を経験し、そこから自分が得たものは大きかった。この代表期間中に、そういうのを少しでも出せたらいい」と力を込める。五輪の大舞台でベスト4という得難い経験をしたロンドン組が奮起することで、日本代表はもう一回り大きくなれる。

■アギーレ監督が招集した“北京組”と“ロンドン組”

北京組             南 ブ 9 10

水本裕貴(29)(広島)           ◎ ◎

岡崎慎司(28)(マインツ)     ◎ ◎ ◎ ◎

細貝萌(28)(ヘルタ)           ◎ ◎

本田圭佑(28)(ACミラン)    ◎ ◎ ◎ ◎

西川周作(28)(浦和)         ◎ ◎ ◎

長友佑都(28)(インテル・ミラノ) ◎ ◎ ◎ ◎

森重真人(27)(FC東京)       ◎ ◎ ◎

吉田麻也(26)(サウサンプトン)    ◎ ◎

香川真司(25)(ドルトムント)     ◎   ◎

ロンドン組

権田修一(25)(FC東京)       ◎   ◎

鈴木大輔(24)(柏)              ◎

酒井宏樹(24)(ハノーバー)      ◎ ◎

酒井高徳(23)(シュツットガルト)   ◎ ◎ ◎

扇原貴宏(23)(C大阪)          ◎

※丸数字は年齢。南は南アフリカW杯代表、ブはブラジルW杯代表。9は9月の合宿に、10は10月の合宿に参加。故障のため香川は9月の合宿、吉田は10月の合宿の参加を辞退。

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