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森会長辞任 政府・与党に焦り 衆院選、補選への影響懸念

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衆院予算委員会で立憲民主党・森山浩行氏の質問に答弁する橋本聖子五輪担当相=12日午前、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
衆院予算委員会で立憲民主党・森山浩行氏の質問に答弁する橋本聖子五輪担当相=12日午前、国会・衆院第1委員室(春名中撮影)
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 女性蔑視ともとれる発言で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任に追い込まれたことに自民党が焦りを募らせている。野党が厳しい世論を追い風に森氏の早期辞任を求めていたのとは対照的に、政府・与党が進退に言及することはなく、「後手に回った」との印象を残したためだ。4月の衆参両院の補選や再選挙、秋までに行われる衆院選への影響を懸念する声も少なくない。

 「重大な欠陥は菅義偉(すが・よしひで)首相のリーダーシップが全く見られなかったことだ。政権与党は一貫して森氏をかばい、対応を組織委に丸投げしてきた」

 12日の衆院予算委員会で立憲民主党の柚木道義氏はこう述べ、首相がこれまで組織委は政府と別組織だとして、森氏の進退に言及しなかったことを激しく批判し、政権のイメージダウンを狙った。

 森氏が日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏を後任に据えようとしたことについても「引責辞任の張本人が密室で後継指名するやり方が国民の理解を得られるのか」と追及。政府側は「信頼を回復するために全力を尽くす」(橋本聖子五輪相)などと防戦に追われた。

 政府・与党は政財界などに太いパイプを持つ森氏が退く影響を懸念し、進退への踏み込んだ発言は避けてきた。閣僚の一人は「首相が森氏を辞めさせていたら、それこそ野党が問題視してきた政治介入になっていた」と強調するが、反自民勢力は「静観した」と攻勢を強めている。

 会長を選ぶ手続きに問題があったとして白紙に戻ったものの、森氏が川淵氏を「後継指名」したことも野党の追及材料に使われ、与党からも「やり方が下手で古い」(自民ベテラン)などの声があがった。公明党幹部は、平成12年に当時の小渕恵三首相が病に倒れた後に森氏が首相に就任した経緯が「密室政治」と批判された過去を振り返り、「これ以上、批判されて五輪の開催に影響が出ないようにしてもらいたい」と語った。

 一連の騒動が補選や衆院選に波及することを避けたいのが政府・与党の本音だ。自民の世耕弘成参院幹事長は12日の記者会見で「選挙とは関係ないのではないか。あくまでも組織委の話として対処するのが重要だ」と述べたが、自民の閣僚経験者は「ゴタゴタ続きだから影響は避けられないのではないか」と指摘。自民関係者も「党にとって良い流れではない。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を滞りなく実施し、五輪を開催に導けるかが焦点となる」と厳しい表情を浮かべた。

 森氏の辞任に伴い、野党の矛先は今後、菅首相の長男による総務省幹部の接待問題に向かいそうだ。ただ、後継会長選びをめぐる迷走が長引けば改めて政権の責任を問う構えで、立民の国対幹部は「混乱が収まらなければ15日の衆院予算委員会の集中審議でも追及テーマになる」と強調し、組織委や政府の動向を注視している。

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