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さいたま市長選 自民は厭戦ムードも…「旧浦和市派」に主戦論 

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市長選候補を選ぶことを断念した自民党系会派「さいたま自民党」の控え室=さいたま市議会(竹之内秀介撮影)
市長選候補を選ぶことを断念した自民党系会派「さいたま自民党」の控え室=さいたま市議会(竹之内秀介撮影)

 任期満了に伴うさいたま市長選(5月9日告示、23日投開票)で、自民党の候補者擁立の可否に注目が集まっている。非自民党系の現職、清水勇人氏(58)が4選出馬の意向を表明する一方、自民党は対抗馬が決まらず、党内には厭戦(えんせん)ムードがくすぶる。それでも擁立見送りに舵(かじ)を切れない背景には、庁舎移転構想に絡んで主戦論を際立たせる一部市議の存在がある。

 さいたま市長選には、清水氏と、新人で共産党系市民団体「みんなのさいたま市をつくる会」代表委員の前島英男氏(67)が、いずれも無所属で立候補すると表明している。清水氏に対しては立憲民主党などが支援に回る見通しだ。

 自民党内では、清水氏の対抗馬として市議を擁立する構想などが浮上したが、実現には至っていない。市議会に2つある自民党系会派のうち、「さいたま自民党」(16人)は1月末、会派として市長選候補を選ぶことは見送ると決めた。

 清水氏には目立った失政はなく、市内の経済団体や企業の間でも続投を求める声が強い。

 自民党は前々回の平成25年市長選で清水氏に対抗馬を立てたが、約5万票の差をつけられて落選し、党関係者の間では「トラウマ」(県連重鎮)として記憶されている。再び敗北を喫するくらいなら、「不戦敗」のほうが党勢へのダメージは小さい-。そんな計算が働くのも無理はない。

 ただ、市議会の別の自民党系会派「自民党市議団」(6人)は候補擁立を断念していない。理由は市役所本庁舎の移転構想だ。

 旧浦和市、旧大宮市、旧与野市が合併して平成13年5月にさいたま市が発足した際、旧3市は、新市の庁舎に関し「当面は浦和市役所を活用するが、将来はさいたま新都心駅(旧大宮市)周辺に移転する」と合意していた。しかし、旧浦和市域の市議らの反対もあり、今も旧浦和市役所の建物を本庁舎として使用している。

 自民党市議団は所属議員の3分の2が旧浦和市域選出者で占められ、移転積極派と目されてきた清水氏の続投を阻止したいという意向が強かった。本庁舎が旧浦和市域からなくなれば、地域の存在感は大きく低下しかねないからだ。

 そうした中、清水氏は今月2日、旧大宮市域に位置する「さいたま新都心バスターミナルエリア」への本庁舎移転を目指すと正式表明した。当然、自民党市議団は猛反発し、対抗馬擁立の機運は高まるばかりだ。旧浦和市域に地盤を持つ青羽健仁市議は「われわれの立場を明らかにするためにも、候補擁立を真剣に検討しなければいけなくなった」と語る。

 とはいえ、現時点でめぼしい人物は見当たらないのが実相だ。会派として人選にめどが立ったとしても、他会派を含む党内の合意を得られるかは見通せず、状況は混沌としている。

(竹之内秀介)

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