PR

【主張】案里議員辞職 克行被告にも進退を迫れ

PR

 参院選広島選挙区をめぐる公職選挙法違反事件で、東京地裁で有罪判決を受けた参院議員、河井案里被告が辞職した。控訴を断念し、有罪確定で当選無効、失職となる前に自ら退いた格好だ。

 辞職は当然である。

 選挙区の広島も新型コロナウイルス禍に苦しんでいる。この非常時に何ら国会議員としての職責を果たさず、地方の政治をずたずたにした罪は大きい。それは同じ公選法違反罪に問われて公判中の、夫で元法相の河井克行被告も同様だ。

 案里被告の公判で明らかになったのは、広範囲に現金を配る露骨な金権選挙だった。判決は克行被告との共謀も認定し、「現金交付は克行元法相が全体を計画し、取り仕切った」と指摘した。主犯は克行被告との見立てである。

 克行被告の公判は案里被告とは別に審理が続いている。担当するのは同じ裁判長で、事件の構図が大きく変わることはないとみられる。ただしこちらの判決期日は未定で、刑の確定までは議員資格を失わない。

 案里被告の議員辞職の意向を受けて加藤勝信官房長官は会見で「政治家の出処進退は自ら判断することだ」と述べ、「政治を行う上においては、何より国民の信頼が不可欠だ」と言及した。

 克行被告は安倍晋三政権の法相で、案里陣営の参院選をめぐっては自民党が破格の1億5千万円を投入した。当時官房長官だった菅義偉首相は複数回、応援のために選挙区入りした。

 河井夫妻が国民の怒りを買っているばかりではない。自民党は信頼を損ねている。加藤長官の発言にはその自覚と反省がない。

 安倍政権の閣僚では、元農林水産相の吉川貴盛被告が収賄罪で東京地検特捜部に起訴されたばかりだ。吉川被告は起訴前に「健康問題」を理由に議員辞職した。

 菅政権下では、新型コロナウイルスをめぐる緊急事態宣言中の深夜に、自民、公明両党の幹部らが東京・銀座のクラブで飲食するなどして離党や議員辞職に追い込まれた。

 新型コロナの感染収束を目指すために必要なのは首相のリーダーシップであり、政権への信用、信頼である。これらを抜きに感染症との戦いに国民を団結させることはできない。まず政府・与党の綱紀粛正が必要であり、克行被告には辞職を勧告すべきである。

この記事を共有する

関連トピックス

おすすめ情報