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【正論7月号】ご都合主義が過ぎるメディア 森友問題で新局面 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比

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保釈され、大阪拘置所前で取材に応じる籠池泰典被告。左は妻の諄子被告=令和2年2月21日
保釈され、大阪拘置所前で取材に応じる籠池泰典被告。左は妻の諄子被告=令和2年2月21日

 ※この記事は、月刊「正論7月号」から転載しました。ご購入はこちらへ

 自分たちにとって都合のいい存在であるときには利用するだけ利用しておいて、自分たちの意向に反する言動を始めたらとことん無視を決め込む--。学校法人「森友学園」の前理事長、籠池泰典氏と妻の諄子氏が五月の大型連休中に、動画投稿サイト「ユーチューブ」に連続投稿した動画に対する多数派メディアや政治家の無反応ぶりは、そんな左派勢力の体質、ご都合主義を端的に表している。

 籠池夫妻は、自分たちがこれまで反安倍晋三首相勢力に操られていたことに気付いたのである。これを評論家の八幡和郎氏は天動説が地動説にひっくり返るような「コペルニクス的転回」と呼んだが、実際、夫妻は動画で次のように発信している。

 「私は小学校を作りたかっただけだ。二枚舌、三枚舌を使う人間が私の近くにたくさんいた。私をアンダーコントロール(支配)しようとした人が確かにいたが、今はそれは崩れて離れている」

 「私たちをうまく動かしながら、反対方向ではアカンベェしている輩もいる」

 「我々ははっきりと目が覚めた」

 左派勢力は、籠池夫妻に安倍首相や夫人の昭恵氏を批判させたり、何か悪だくみにかかわっているとほのめかす発言をさせたりすることで、安倍政権の足を引っ張ってきた。そうした人々にとっては、籠池夫妻の覚醒は困りものである。

 動画を見る限り、籠池夫妻の言葉には納得できない部分もまだ残るが、いずれにしろマインドコントロールされた状態からは脱したようである。

 こうした現状について、八幡氏はインターネットの言論プラットフォーム「アゴラ」で次のように分析している。

 「交流があって味方してくれると思ったら、そうでもなかった安倍サイドに対して複雑な思いはあるわけだが、これまでの言動は野党陣営や朝日新聞などのマスコミの思惑に踊らされたものであったことを認めたわけだ。報道の前提が崩れたという意味では、改めて『コペルニクス的転回』と言っても間違いはない」

 そこで左派勢力は、内心慌てふためきながらも籠池夫妻が何を言おうと知らん顔をしているわけだが、夫妻の言葉は既にSNS(会員制交流サイト)などを通じて広まっている。今の時代、こうした事実を国民の目から隠すことはできないのだが、かつて情報を独占して勝手に取捨選択して流していた時代の癖が抜けないのだろう。

 産経新聞や僚紙、夕刊フジを除く各紙やテレビが、籠池夫妻の新たな言葉をまともに取り上げた形跡は見当たらない。夫妻同様、左派勢力にとっては不都合な真実を発信している長男の佳茂氏の存在を無視しているのもそうだが、何と薄汚いやり方だろうか。

「黒幕」差配で反安倍勢力の駒に

 森友学園問題を執拗に追及してきた左派メディアも主流派野党も、国民に事実を伝えて真相を明らかにすることなどはなから関心がなく、ただ自分たちの主義主張の宣伝と安倍政権打倒の材料が欲しいだけだと分かる。

 籠池夫妻は動画でこうはっきりと述べている。

 「安倍首相だけが悪いのではなく、政権打倒のために動いた人がたくさんいた」(泰典氏)

 「ふと思い出せば何かおかしい。『安倍犯罪だ』とか安倍がどうのとか(主張する人たちに)、私たちも乗っかっていた。でも安倍、安倍というのも最近バカらしくなってきた。もういい」(諄子氏)

 もっとも泰典氏は、これまでさんざん攻撃し、嘘つき呼ばわりしてきた安倍首相側に付いたわけではない。動画でも「安倍首相は今もなおカウンターだ」「安倍内閣に賛同しているかというと、そんなことは全くない」と語る。

 また、その政策や実績を批判したり、「利権にどっぷり浸かっている」と決めつけたりもしているが、同時に自分たちに接近してきた野党議員らにも冷たい目を向けている。

 籠池夫妻はツイッターでも、野党議員四人が自宅を訪れてきた際のことをこう振り返っている。

 米続きは「正論」7月号をお読みください。ご購入はこちらへ

 「正論」7月号 主な内容

【大特集 非常事態と国家】

武漢ウイルス対応で/際立った日本の異端 麗澤大学特別教授・産経新聞ワシントン駐在客員特派員 古森義久 

安倍晋三と国家の命運 評論家 西尾幹二

日本は国難を克服できる ~言論テレビより 内閣総理大臣 安倍晋三×ジャーナリスト 櫻井よしこ

十年前の政治介入に声を上げたのか 櫻井よしこ

パフォーマンスだけの首長はいらない 評論家 八幡和郎

批判一辺倒では国民に響かない 国民民主党代表 玉木雄一郎

編纂から千三百年 『日本書紀』に学ぶ国難突破の処方箋 大阪観光大学講師 久野潤

イデオロギー脱却が時代乗り越える 評論家 三浦小太郎

国難の時代と天皇の祈り 編集者・著述家 谷田川惣

伝わらなかった警鐘 事実見ぬメディア 作家・ジャーナリスト 門田隆将

【特集 中国という存在】

希望的観測による政策継続を戒める 元自衛艦隊司令官 香田洋二 

コロナ禍にあっても脅威への備え怠るな 防衛大学校教授 神谷万丈 

コロナ後の悪夢になる「債務の罠」 国際ジャーナリスト 安部雅延 

日本に上陸している「もう一つの脅威」 本誌編集部 

宣伝戦の犠牲になった二人の元日本兵 近現代史研究家 阿羅健一 

財政健全主義が壊した薬の安定供給体制 ジャーナリスト 小笠原理恵 

ユダヤ難民と北海道を救った陸軍中将 樋口季一郎の遺訓と改憲論 ノンフィクション作家 早坂隆 

ご都合主義が過ぎるメディア 連載特別版 産経新聞政治部編集委員兼論説委員 阿比留瑠比

【特集 朝鮮半島情勢報告】

内ゲバ始まった韓国・慰安婦運動 モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授 西岡力 

やっぱり金正恩は心疾患抱えている デイリーNKジャパン編集長 高英起

「金正恩有事」という東アジアの時限爆弾 龍谷大学教授 李相哲

金正恩「死亡情報」が物語るもの  連載特別版 産経新聞台北支局長 矢板明夫

教科書検定制度への誤解に基づく正論編集部の「つくる会」批判に反論する 新しい歴史教科書をつくる会副会長 藤岡信勝

自由社歴史教科書に関する正論編集部の考え

正論編集長 田北真樹子 

なぜ私は『業平』を書いたのか 作家 高樹のぶ子

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