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【主張】民主党政権10年 現実的な安保政策をとれ

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 平成21年8月の衆院選で308議席を得た民主党を中心とする鳩山由紀夫内閣が発足してから、16日で10年を迎えた。

 政権交代の高揚感に包まれて船出した民主党政権だったが、悲惨な結末を迎えた。3人の首相が交代したが、失敗が重なり国民の支持を失った。3年余り後の24年12月の衆院選で自民、公明両党に政権を奪い返されたのである。

 民主党は立ち直れず、もはや存在していないが、その系譜を引く立憲民主党と国民民主党は野党第一、二党として安倍晋三政権への対決姿勢を強めている。秋の臨時国会をにらみ、衆参両院で統一会派を組む構えだ。

 その立民、国民の両党は、民主党政権の教訓を十分に生かしていないようだ。民主党政権の最大の失敗は、外交安全保障をおろそかにしたことだ。鳩山首相(当時)が米軍普天間飛行場の移設をめぐって米国の信頼を失うなど、日米同盟にヒビを入れてしまった。

 安倍政権は、集団的自衛権の限定行使を認める安全保障関連法を制定した。日本と米国は守り合う関係となり同盟は強化された。それによる日米の結束が、北朝鮮の核・ミサイル問題への対処に間に合ったのである。

 民主党の後継政党だった民進党は、集団的自衛権の限定行使は憲法違反だと唱え、安保関連法に反対した。民進党が解体してできた立民、国民も同様の姿勢で、今夏の参院選でも安保関連法反対を掲げて共闘した。

 もし立民や国民が政権をとって安保関連法を廃止し、米国に「あなたたちを守るのはやめた。でも安保条約があるのだから日本は守ってくれ」と伝えたらどうなるか。米政府や米国民は失望し日米同盟はがたがたになるだろう。

 北朝鮮、中国の脅威は増している。立民、国民が現実的な安全保障政策に転換しない限り、有権者は政権を任せないのではないか。非現実的な安保政策にこだわる両党は、与党にとって好都合な存在かもしれない。だがそれでは政治から緊張が失われる。

 民主党政権のもう一つの失敗は政治主導が官僚排除であると勘違いしたことだが、今も、立民などが政府から説明を聞く際、いたずらに高圧的なときがある。

 日本の民主主義にとって、政権を実際に担える現実的政策と力量をもつ野党こそ必要だ。

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