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海上保安庁が全長11メートル大型ドローン導入、監視強化へ

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 日本周辺海域での警戒・監視態勢の強化に向けて、海上保安庁が大型無人航空機(ドローン)の導入を検討していることが23日、政府関係者への取材で分かった。来年度、約10億円を計上し、実証実験や機体の選定を進める方針。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国公船の領海侵入が頻発するなど近海の緊迫度が増す中、広大な海の守りの確立を目指す。

 本来、軍事用に開発された大型ドローンは米軍の対テロ作戦などで成果を上げてきたが、近年は国境警備や自然災害への対応など活用分野が広がる。

 海保は領海と排他的経済水域(EEZ)だけで約447万平方キロと世界有数の広さの海域で監視、取り締まりを担う。このため、少ない人員で安全に長時間、夜間や悪天候でも飛行可能という特性を持つドローンに、大きな関心を寄せてきた。

 昨年5月には米「ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ」社の「ガーディアン」のデモ飛行も視察した。

 ガーディアンは全長約11メートルのプロペラ機で最高時速は約440キロ、最大約40時間、航続可能という。上空1万メートル超を飛行し、高画質カメラで航行船舶の状況を詳細に把握することが可能。海保は海上運用を想定し、同機などの実機を借り入れる予定だ。

 政府は平成28年、領海警備や海洋の治安強化のため海保、自衛隊など関係機関の情報共有や、諸外国との連携推進を決定。広大な海をカバーする監視態勢の確立も打ち出されたが、有人の船舶や航空機の投入では限界があるとみていた。

 一方、運用には人員養成が必要。また現行の航空法は大型ドローンの飛行について詳細な規定がなく、海保は実証実験でこうした課題を洗い出し、効果的な運用法を検討する。

 日本の周辺海域では、尖閣諸島周辺で中国公船の侵入が常態化している。また、日本海のEEZ内の好漁場「大和堆(やまとたい)」やその周辺で北朝鮮漁船が違法操業し、小笠原諸島(東京都)周辺などでも不法な海洋調査やサンゴの密漁が行われるなど海保の対応業務は拡大の一途をたどってきた。

 導入が検討されるドローンについて、海保は周辺海域で発生するさまざまな事態への対処能力向上に役立てる考えだ。

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