PR

大阪市が11都市公園に「民活」導入検討

PR

 大阪市が市内11の都市公園について、民間企業に運営を託す民間活力(民活)の導入を検討していることが20日、分かった。すでに大阪城公園(中央区)や天王寺公園(天王寺区)が民活によるにぎわいづくりに成功。観光拠点として人気を集めている。市は11公園も同様に民間の資金やノウハウを活用し、集客エリアに成長させたい考え。市場調査を経て、9月末から民間事業者を対象に具体的な提案を募る。

 対象となっているのは、テニスコートを備えた靱(うつぼ)公園(西区)やバラ園がある中之島公園(北区)など、おおむね10ヘクタール以上の大規模な都市公園。いずれも施設が老朽化したり、来園者がスポーツ施設利用者に限られたり、それぞれ課題を抱えている。

 扇町公園(北区)では、東日本大震災の節電対策で人工池の水が休止し、干上がったまま。噴水施設も休眠状態だ。子供と遊びに来た同区の男性会社員(36)は「日中は子供が遊べて、夜はデートスポットにもなるような場所になれば」と話す。

 公募にあたり、市は公園が持つ特性やポテンシャルを生かそうと、大まかなコンセプトも設定。中之島公園は「都心の生活に潤いをもたらす水都大阪のシンボル」、扇町公園は「多様な利用者ニーズに応える余暇活動の拠点」などで、公園が持つ魅力をさらに高めるような提案を求めている。

 受け付けは9月30日~10月2日。11月ごろに結果を公表する。具体的な運営方法は提案をもとに事業者と検討していく。松井一郎・大阪市長は「公園は都市の中の貴重な緑の拠点。民間に活用してもらうことで新たなにぎわいが生まれ、利用者も楽しめる。大阪の活力につながると思う」と強調し、民活導入の広がりに意欲をみせている。

天王寺公園も一新 集客アップ

 大阪市は平成27年度から民間事業者が公園を戦略的に一体管理する「パークマネジメント」の手法を全国に先駆けて導入。その一つである天王寺公園(天王寺区)には、かつて無許可営業のカラオケ屋台が立ち並んでいた。公園部分も有料で、観光客や家族連れには不人気の場所だった。

 だが、市の公募で選ばれた近鉄不動産が約12億円を投入して公園をリニューアルし、27年に芝生広場「てんしば」がオープン。日本一高いビル「あべのハルカス」を後方に臨む広大な芝生やカフェ、フットサルコートなどが整備され、子供から大人までが楽しめる空間に様変わりした。入園者数も30年度は約440万人と、リニューアル前の3倍に伸びている。

 市内の公園は基本的に市が税金を投入して維持管理しているが、てんしばは市側の支出はなく、近鉄不動産が公園使用料として市に年間約3500万円を支払っている。大阪城公園も同様で、市が管理していた当時は約4千万円の赤字だったが、民活によって集客力が上がり、2億円以上の利益が市にもたらされている。

 近鉄不動産は「行政が保有する沿線の一等地を開発することで収益を上げられる」とメリットを説明する。公園の民活に詳しい日本経済研究所の小林純子研究主幹は「民間が入り、公園事業を『ビジネス』として捉えることで収益性やニーズに応じた投資を行い、公営では難しい柔軟な運営が可能となる」と指摘している。

この記事を共有する

おすすめ情報