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自民、秋の「改憲」人事焦点 議論進展へ布陣見直しも

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は9月中旬に予定している党役員人事に合わせ、憲法改正推進本部や衆参憲法審査会の布陣も一部見直す。憲法改正の成否は秋の臨時国会で改憲議論を進められるか否かにかかるだけに、臨時国会前の党人事でどのような「改憲シフト」を敷くのかが焦点になる。

 首相は13日、地元の山口県長門市で父の晋太郎元外相の墓参りをし、「憲法の議論をいよいよ国会で本格的に進めていくべき時を迎えている」と報告した。周囲には「憲法改正は私がやる」と意欲を語る。党総裁任期まで残り2年余りの安倍政権で改憲ができなければ、党内の熱が冷める可能性があるからだ。

 そのためには来年中に与野党で改憲原案をまとめ、令和3年の通常国会で発議する必要がある。その第一歩として今秋の臨時国会で憲法審の自由討議を開き、4項目の党改憲案を示し、議論の具体化を図る。

 野党第一党の立憲民主党による自由討議開催への抵抗も予想される中、国会での与野党交渉が最も重要で、その任は現在、昨秋に衆院憲法審の与党筆頭幹事に就任した新藤義孝元総務相が負っている。

 今年の通常国会では立民の枝野幸男代表の意向で方針が揺れる野党の対応に苦しみながら、野党筆頭幹事と辛抱強く交渉を重ね、公明党にも「非常に丁寧にやっている」(幹部)と評価されている。

 首相とのパイプも太い新藤氏の続投論が出ている一方、局面打開のため人心一新を図るのではないかとの見方もある。その場合、上川陽子前法相、根本匠厚生労働相らを推す声が一部にある。両氏は安倍政権下で党憲法改正推進本部の役員を経験した。

 参院憲法審では岡田直樹氏が与党筆頭幹事を務める。党推進本部事務局長も兼務し、改憲議論に精通するが、9月の人事で内閣の重要ポストや参院幹部への起用が取り沙汰される。

 党活動の責任者である党推進本部長は昨年10月から下村博文元文部科学相が担っている。憲法講演など世論喚起に注力してきた下村氏は水面下で野党の協力を取り付けようと画策したが、成就しなかった。昨年11月には、憲法審開催を拒む野党を「職場放棄」と批判して反発を買い、内定していた衆院憲法審幹事を辞退した。本部長が憲法審幹事に就き、党と国会の連携を強める狙いがあっただけに、本部長交代論もある。

 本部長には世論喚起に加え、国会の外で野党幹部と接触し、改憲への協力を取り付ける政治交渉の手腕も期待される。萩生田光一幹事長代行や岸田文雄政調会長の兼務なども話題に上っているが、首相はまだ人選に言及していないようだ。(田中一世)

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