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【野党ウオッチ】国民民主、大荒れの参院選反省会、やじに涙、自民連立案まで

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国民民主党の両院議員懇談会であいさつする玉木雄一郎代表=8月2日、東京・永田町の党本部
国民民主党の両院議員懇談会であいさつする玉木雄一郎代表=8月2日、東京・永田町の党本部
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 先の参院選をめぐり、国民民主党が2日に党本部で開いた“反省会”は大荒れの展開となった。立憲民主党への恨み節や、執行部のずさんな選挙戦略への不満が噴出し、自民党と連立政権を目指すべきだとの意見まで飛び出した。次期衆院選に向けて野党共闘のあり方が焦点となったが、そもそも党内で遠心力が働いてしまっている。

現場と執行部の溝が顕在化

 「党本部から無理を押し付けられた! 福岡県連は割れそうだ!」

 トップバッターで発言した城井崇衆院議員(比例九州)は、こう不満をぶちまけた。立民現職が立候補した福岡選挙区(改選数3)で、県連の意向に反して国民執行部が独自候補を擁立したからだ。

 城井氏は「立民系を支援する労働団体から『次の選挙は考えさせてもらう』といわれながら選挙をやり、立民との溝を決定的にした。このような事態を招いたのは党本部であることを明確にしてほしい」と責任を追及した。

 「19万票を取って落選せざるを得なかった。比例代表の戦い方をしっかりと考えてほしい」

 一方、矢田稚子(わかこ)参院議員(比例)は、涙ぐみながら同じ電機連合出身で比例に出馬した石上俊雄氏の落選を悔やんだ。さらに、配布された資料の比例得票数が誤っていることに気付き「そんなに比例の得票は軽いのか」と矛先は事務方に。ほかの出席議員も「何やっているんだ」などのやじが飛び交い、司会の柳田稔両院議員総会長が「ご静粛に!」と制止するなど、会場は騒然となった。

 比例では、立民が8人の当選者を出したが、国民は3人にとどまった。比例戦略の見直しについて、自動車総連の浜口誠参院議員(同)は「野党統一候補はいいが、無所属で出るのは腹に落ちない。統一した上で、それぞれの政党の旗を立てて戦えるようにすべきだ」と訴えた。

 立民、国民、共産などの主要野党は32の改選1人区全てで野党統一候補を擁立した。しかし、他党が相乗りしやすいよう、国民が擁立を主導した候補も無所属で出馬するケースが目立った。党の看板を下ろしたことで党名が有権者に浸透せず、比例票を掘り起こせない原因にもなった。

 こうした苦情に、平野博文幹事長は「無所属にしなければ相手が降りてくれない。無所属の方が有利に戦えるといった判断があったこともご理解いただきたい」と神妙に語った。

「自民に政権運営のノウハウ学べ」

 中盤に入ると、今後の野党共闘のあり方の話題が中心となった。

 東京都連会長を務める川合孝典参院議員は「東京選挙区(同6)で、立民は明確に敵だった。『野党共闘』という言葉の使い方も気をつけるべきだ。向こうは共闘しているつもりはない」と淡々とした口調で述べ、自力で戦う必要性を訴えた。

 千葉県連代表の奥野総一郎衆院議員(比例南関東)は、参院で日本維新の会との統一会派構想があることに言及し、「維新と一緒になるのはあり得ない。れいわ新選組も含めて一本化すべきだ」と主張した。

 吉良州司衆院議員(比例九州)は「仲の良かった友人はみんな自民党に行ってしまった」と切り出し、こう続けた。

 「いずれ政権を取るという思いで、自民党と連立政権を組んで政権運営のノウハウを勉強させてもらうべきだ」

 吉良氏は旧民主、民進党の保守系グループ「国軸の会」で、自民党に入った長島昭久、鷲尾英一郎両衆院議員とともに活動していた。

 野党共闘を真っ向から否定する「自・国連立案」まで飛び出すなど、執行部への意見は厳しさを増した。津村啓介副代表が「玉木さんは将来の首相候補だ。野党全体のことを考えながら立派な戦いをされた」とかばう場面もあった。

 反省会は2時間半に及んだが、大半は今後の党の立ち位置をどうするのかという質問に集約された。最後に答弁に立った玉木氏はこう決意を語った。

 「本日は両極端な意見が出た。やはり野党として政権を取るのが筋だ。枝野氏としっかり向き合っていきたい」

 この3日後、玉木氏は宣言通りに枝野氏と党首会談に臨んだ。会談では、枝野氏が衆院だけで統一会派を結成するよう求めたが、玉木氏は「衆参両院での統一会派が必要だ」と答え、微妙なすれ違いを見せた。

 統一会派の交渉はこれから本格化する見通しだが、立民に対する不満は国民側に根強く残り、ハードルは高い。原発や憲法などの政策にも意見の隔たりがあり、政策面のすり合わせは難航が予想される。

 それでも玉木氏は7日の記者会見で会派結成の意義を力強く訴えた。

 「今の野党は『万年野党癖』がついている。これを『次世代与党』というイメージに変えていかないとダメだ。そのきっかけになればいい」

 言葉は威勢がいいが、足元の党内も政策調整もおぼつかないまま、どうやって「次世代与党」への道筋を描こうというのだろうか。

(政治部 広池慶一)

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