PR

参院選野党統一候補の行き先 立民と国民で綱引き

PR

会談前に握手する国民民主党の玉木代表(左)と立憲民主党の枝野代表=26日午後、国会
会談前に握手する国民民主党の玉木代表(左)と立憲民主党の枝野代表=26日午後、国会

 参院選で当選した無所属の野党統一候補の帰属先をめぐり、立憲民主党と国民民主党の間で早くも綱引きが始まった。ともに一人でも多く党や会派に引き入れて党勢拡大につなげたい考えだ。参院選で立民が国民現職に“刺客”を放ったことで深まった両党の対立は、参院の野党第1会派の座をめぐって激化しつつある。

 「8人のわが党の議員が誕生し、現有(議席)を維持できた」

 国民民主の玉木雄一郎代表は24日の記者会見で、参院選をこう振り返った。改選8議席で臨んだ国民は、2減の6議席にとどまった。だが、無所属の野党統一候補として岩手選挙区(改選数1)を制した横沢高徳氏や、国民民主の党籍を残したまま無所属で広島選挙区(同2)で再選した現職を加えると、勢力は維持したという論法だ。

 玉木氏は山形、滋賀、愛媛、大分の各選挙区(いずれも同1)の当選者についても「われわれが擁立し、応援のリーダーシップを取った」として国民系無所属にカウントする。当面は無所属で活動すると表明した当選者もいるが、党幹部の一人は「選挙では金銭面でかなり面倒を見た。『大人の約束』がある」と語り、引き入れに自信を見せる。

 これに“待った”をかけるのが立民だ。福山哲郎幹事長は22日、国会内で記者団に無所属当選者の動向を問われ、「『国民系』とはどなたのことを指しているのか分からない。それぞれ事情があるので、個別に丁寧に話し合っていきたい」と国民サイドを牽制(けんせい)した。

 両党の皮算用の対象となっているのは、立民、国民、共産党などが改選1人区で擁立した無所属の野党統一候補のうち、当選を果たした計8人だ。

 参院選で立民は改選9議席から17議席に増やしており、仮に国民が思惑通り「国民系」を引き込んだとしても立民の野党第1会派は入れ替わらない。とはいえ、国民側には日本維新の会と連携して第1会派を奪う構想もあり、立民関係者は「参院の国民は必ず動く。主導権争いになる」と警戒を強める。

 こうしたつばぜり合いを与党側は冷ややかに見ている。野党統一候補が政党の「看板」を外して戦った背景には、政策や理念の違いを隠す狙いもある。無所属の野党統一候補に敗れた自民候補は「『政党隠し』以外の何ものでもない。政治への信用を失わせる行為だ」と悔しさをにじませた。(広池慶一)

この記事を共有する

おすすめ情報