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令和初の国政選挙、識者はどう見たか

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百地章氏
百地章氏

 令和初の国政選挙だった今回の参院選を、各界の専門家はどう見たのか。

■国士舘大の百地章特任教授(憲法学)

 「今回の選挙戦で個々の候補者から改憲について語られることは少なかったが、自民党は憲法改正を公約に明記し、安倍晋三首相も改憲を目指すと強く訴えてきた。改憲勢力が得た議席は、この訴えに対する一定の理解を反映した結果と考えてよい。実際に憲法審査会が開かれ各党での改憲論議が促進されれば、国民の間でも関心が高まるはずだ。『国民は憲法論議など求めていない』などという反対は事実に反するし、議論もしないのは議会制民主主義の否定に当たる。改憲勢力以外にも、比較的改憲に前向きな国民民主党や無所属の議員などを巻き込んで、議論を進めていくことが期待される」

■防衛大学校の神谷万丈(またけ)教授(国際政治、安全保障)

 「今回の選挙結果は、安倍政権の政治基盤が依然として強固であることを諸外国に知らしめた。対欧米やインドをはじめとする安倍首相の外交は、国内外の専門家からも高く評価されており、残りの任期が限られているとはいえ、外交面の力強さは続くだろう。ただ、懸案を抱える中国やロシア、韓国、北朝鮮といった近隣国などとの外交は、こちらが一方的に解決を図ろうとしても相手次第の部分もあり、進展は難しいのではないか。以前と比べて存在感が高まっている日本外交だが、安倍首相の任期終了後も現方針が継続されるのかを諸外国は注視しており、今後のことを考えていく必要がある」

■スポーツジャーナリスト・大阪芸術大教授の増田明美さん

 「2020年東京五輪・パラリンピック後を見据え、健常者と障害者が共生できる社会の実現に向けて各党がどのように取り組んでいくのか注目したい。争点化されにくいテーマだが、選挙戦で踏み込んだ議論がなされた印象はなく残念だ。とりわけパラ後の障害者スポーツはスポンサーの減少が懸念される。盛り上がった機運を維持し誰もがスポーツを楽しめる環境をつくるため、関連予算の増額を期待したい。またインフラのバリアフリー化推進も重要な課題だ。障害者だけでなく社会の高齢化に伴い国民全体の財産となるので『人生100年時代』の課題としてしっかり向き合ってほしい」

■国際政治学者の三浦瑠麗さん

 「現状は国民の多くが既得権の破壊に希望を見いださず、変化を望まなくなっている。同様に各党ともアジェンダ(政策課題)設定がなされず、有権者に未来像を提示できなかった。憲法改正や安全保障など国家的な課題は世界の潮流を踏まえた上で、『なぜいま問うのか』という観点での具体的な論争に発展しなかった。選挙戦でも自民党が反野党姿勢を取り、伝統的な政権与党の余裕がなかった。一方、野党第一党の立憲民主党も政権との対立軸を鮮明化するあまり左傾化し、れいわ新選組などと票を争い、野党の分断が一層進んだ印象だ。今回の選挙は、現状路線の継続だけが維持されたに過ぎないといえるだろう」

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