PR

デジタル化で経済成長、経産省主導だったG20

PR

 6月28、29日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は、準備段階から経済産業省の色が濃い運営となった。1月に安倍晋三首相が世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の演説で発表したG20のテーマの目玉は、経産省中心に進める「国境を越えたデータの自由な流通」。サミット当日の討議項目も同省が取り組む分野が目立ち、“経産省主導”といわれる安倍政権の性格が表れた形だ。

 ダボス会議の演説で首相が打ち出したのは、個人情報などのデータ保護のルールを整備し、データの自由な国際流通を認める態勢作り。経産省が総務省などと進めるテーマだ。これに対し財務省が取り組もうとしていた「デジタル課税」などは触れられなかった。

 「事前に演説の内容を聞かされていなかった」。会議直後、財務省幹部はこう語っていた。

 そもそもG20の始まりは1999年の財務相・中央銀行総裁会議で、本来、財務省が主導しても不思議はない。しかし、首相の演説をめぐる経緯は経産省の“独走”をうかがわせた。

 サミット当日のイベントも経産省系のテーマが並んだ。首脳特別イベントで扱ったのは「デジタル経済」で、セッションの討議項目は「貿易・投資」「イノベーション」など。首脳宣言の冒頭は、「技術イノベーション、特にデジタル化」で世界経済の成長を促すという、経産省主導で毎年まとめる日本の成長戦略のような記述となった。

 背景には、同省が首相官邸や内閣府の主要ポストに人材を送り込み、政策を牽引していることが影響しているとみられる。

 ただ今回、財務省も意地を見せた。6月8、9日のG20財務相・中央銀行総裁会議では、デジタル課税のルールで2020年に合意することで一致。資金の借り手の国の返済能力に配慮する「質の高いインフラ投資」の国際原則でも合意し、首脳宣言にも成果は明記された。

 一方で経産省系、財務省系のいずれにせよ、首脳宣言でうたった取り組みの具体化はこれから。日本は引き続きリーダーシップを発揮する必要がある。(山口暢彦)

この記事を共有する

おすすめ情報