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「大阪サミットでも美しい調和を」首相G20全体会合冒頭発言全文

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ワーキングランチ冒頭で発言する安倍晋三首相=28日午後0時37分、大阪市住之江区(鴨川一也撮影)
ワーキングランチ冒頭で発言する安倍晋三首相=28日午後0時37分、大阪市住之江区(鴨川一也撮影)

 安倍晋三首相は28日午後、世界経済・貿易をテーマにした20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の最初の全体会合で、新しい元号「令和」の意味は「美しい調和」だと説明し、各国・機関の首脳の協力を得ながら「大阪サミットでも美しい調和を実現したい」と述べた。

 首相の冒頭発言の全文は次の通り。

 皆さまを大阪に歓迎いたします。本年、日本では天皇陛下が即位され、令和の新しい時代を迎えました。この記念すべき年にG20サミットを日本で開催でき大変うれしく思います。

 令和の意味は美しい調和、beautiful harmony。お集まりの首脳の協力を得て、大阪サミットでも美しい調和を実現したいと思います。

 ここ大阪は古くから公益によって栄えた商人の街であり、自由を尊び、イノベーションを生み出す進取の気風に富む大阪の「やってみなはれ」精神をもって、大阪から世界に新しいメッセージを発信してきましょう。

 今回のG20大阪サミットでは対立を際立たせるのではなく、互いの共通点を見いだし、ウインウインで持続可能な世界を実現するサミットとしたいと思います。そのため、第一に自由貿易やイノベーションなどを通じ、世界経済の力強い成長を牽引(けんいん)していく。同時に格差への対処を通じて、成長と分配の好循環を創出し、あらゆる主体が活躍できる社会を実現していく。

 第二にG20域内にとどまらず、開発・地球規模課題への貢献を通じ、包括的かつ持続可能な世界を目指したいと思います。

 それでは、第1セッションでは世界経済および貿易・投資について議論したいと思います。

 まずは、G20の中核アジェンダである世界経済について申し上げます。世界経済のリスクをモニターし、持続的な成長を実現するのがわれわれG20の最重要の責務であります。世界経済の現状をみれば、足下で安定化の兆しがみられ、本年後半から来年に向けて緩やかに上向く見通しでありますが、下振れリスクの方が大きい。何よりも貿易と地政学をめぐる緊張は増大しています。

 これらの下方リスクに対処し、必要な行動をとるのがG20の責務であります。全ての政策手段を用いて、成長を実現していくという決意を共有したいと思います。

 さらに中長期的に持続的な成長を実現する観点から現在の世界経済が直面している構造的なチャレンジを3つ指摘したいと思います。グローバル化、高齢化、デジタル化であります。これらの課題に対処するために過度な経常収支不均衡への対処、高齢化への政策対応、国際租税・金融分野での制度面での対応について本セッションで議論したいと思います。

 特に経済の電子化に伴う課税上の課題には早急に協調して対応することが必要です。福岡G20会合で合意された野心的な作業計画を承認したいと思います。2020年までに解決策を得るべく、政治的なリーダーシップを期待します。

 経済成長の主要なエンジンとして、特に貿易とイノベーションが重要であります。イノベーションは第2セッションで扱うこととし、第1セッションでは貿易について議論します。

 自由で開かれた経済は平和と繁栄の礎です。グローバル化による急速な変化への不安や不満がときに保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立も生み出していますが、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもなりません。いかなる貿易上の措置もWTO(世界貿易機関)協定と整合的であるべきです。

 現下の世界貿易をめぐる状況には深く憂慮しています。世界がわれわれG20リーダーの示す方向性に注目をしています。今こそ、自由、公正、無差別な貿易体制を維持・強化するための強いメッセージを打ち出さなければなりません。その観点から議長として2点問題提起した上で議論に移りたいと思います。

 第一にWTOは時代の変化を反映しておらず、多角的貿易体制の維持のため改革が急務です。昨年のブエノスアイレスサミットで必要なWTO改革を支持したことを受け、これまで閣僚レベルで上級委を含む紛争解決制度、電子商取引を含む新しい時代のルール作りなどの議論が進展したと承知しています。本日は首脳間でもWTO改革に向けたモメンタム(勢い)をさらに高める方策について議論したいと思います。

 加えて多角的貿易体制を補完するものとして経済連携協定も重要です。巨大な経済圏を構築する経済連携協定が世界で幅広く発効・交渉進展していることを歓迎します。引き続き日本は自由貿易の旗手として多角的貿易体制の改善や経済連携協定交渉を推進していきます。

 第二に杭州およびハンブルクサミットをはじめ、これまでG20で議論を積み重ねてきた国際貿易・投資の基盤となる公平な競争条件の確保についても議論を深め、皆さんの意見を拝聴したいと思います。

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